前回はアルザスの代表的なお菓子を紹介しましたが、今回は実際に訪れたアルザスのパティスリーを紹介します。

アルザスには数多くのパティスリーがありますが、まずはアルザスの中心都市ストラスブールを訪れたら是非とも行って欲しい老舗パティスリー2軒を、たくさんのお菓子の写真と共にご紹介します。


Christian


Christian


まずは「Christian(クリスチャン)」
ストラスブールに2店舗を構える大きなパティスリーです。
こちらの店舗は壁に窓や装飾を描いたまるでだまし絵のようなデザインが特徴的です。

クリスチャンはフランスのパティスリーらしく生菓子、焼き菓子、ヴィエノワズリー、コンフィズリーと数多くのお菓子が揃います。
もう1店舗はノートルダム大聖堂前にあり、2軒はそれほど離れてはいないのでどちらの店舗も行ってみるといいと思います。
(商品の品揃えは、上の写真の店舗の方が多いです)

プティガトーの数々 大きく焼いたフルーツのタルト


生菓子は、丁寧に仕上げられたプティガトーとアルザスらしく生のフルーツを焼き込んだタルトがメインです。プティガトーはパリや日本で食べられるような今っぽいムースなどもありながら、伝統的なお菓子、例えばフレジェ、ミルフィーユ、エクレアなども並びます。
地方のパティスリーのいいところは、伝統的なお菓子をあまりアレンジせずに昔のままの形や味で作り続けているところです。
パリのような都会だと常に新しい形や味を求めるため、伝統的なお菓子もアレンジされることが多いです。それはそれで刺激的で面白いのですが本来のフランス菓子に出会いたいと思うならば、やはり地方のパティスリーがおすすめです。

素朴な焼き菓子達 フィナンシェと小さな焼き菓子


フランスの地方のなかでも特にアルザスでは、数多くの焼き菓子が揃うのも魅力です。 こういう点がやはりドイツの影響を受けているところだなと感じます。

リュネット(メガネという意味)のサブレやフィナンシェ、リンツァートルテなど、素朴で飾り気のない焼き菓子をはじめ、スパイスやナッツ、チョコをつかった普段着の焼き菓子が並びます。

私はフィナンシェと小さな焼き菓子数種類を購入しましたが、フィナンシェは想像以上にアーモンドの味が濃厚でとても美味しかったです。

アルザスといえばやっぱりクグロフ!


そして、アルザスで外せないのが「クグロフ」です。
アルザスを代表する発酵菓子で、王冠のような形をしたクグロフ型で焼きます。
型は陶器製で、使い込むほどにバターの風味が陶器に染み込んでいきます。
クグロフは小さなサイズと大きなサイズがありますが、やはり大きな方が生地そのものの美味しさを味わえます。
クリスチャンのクグロフはレーズンが入って、上面にはアーモンドをはりつけたベーシックなスタイル。焼きたてのしっとり感のある状態も美味しいですし、乾燥したらパン・ペルデュ(フレンチトースト)にしてもいいと思います。

アイスはフルーツ系がおすすめ! 大聖堂の目の前で食べるアイスはまた格別


そしてこちらは季節限定のお菓子。夏になるとアイスが登場してきます!
アルザスはフルーツが豊富な地域なので、クリーム系も美味しいですが、是非ココはフルーツ系を食べていただきたいところ。

写真のアイスは上がパイナップルとエストラゴン、下がグリオットとバイオレット(すみれ)。フルーツとハーブを組み合わせたものは少し複雑な味がして美味しいです。
その他にもたくさんの種類があるのですが、個人的に桃とミルティーユ(ブルーベリー)がおすすめです。

ちなみに冬のおすすめはショコラショーです。
夏でも提供されていますが、寒い冬に飲むショコラショーは格別です。
サロン内での提供のみですが、お店オリジナルのものや産地別のショコラをつかったショコラショーが数種類あります。さらっとしたライトなタイプなので胃もたれもせず最後まで美味しくいただける味です。

SHOP DATA
店名Christian クリスチャン
HPhttp://www.christian.fr/
住所67000 STRASBOURG 10, rue Merciere(大聖堂前の店舗)
67000 STRASBOURG 12, rue de l'Outre






Naegel


Naegel


そしてこちらもストラスブールでは大人気のパティスリー「Naegel(ネゲル)」。
日本では、東京世田谷のパティスリー「ラ・ヴィエイユ・フランス」の木村シェフが修業したお店としてもよく知られていますね。

ストラスブールの街の中心地にあるので、地元のお客さんと共にたくさんの観光客でも賑わっています。


色とりどりのお菓子 旬のフルーツがたっぷりと


道路に面したショーウィンドウからは、美味しそうなお菓子がずらっと並び、その様子は圧巻です。中でも季節のフルーツをタップリと盛ったタルトは見るからに美味しそう!夏にはグロゼイユ(赤スグリ)やミルティーユ(ブルーベリー)、スリーズ(さくらんぼ)などをつかったフレッシュ感あふれるタルトがならびます。


アーモンドの風味豊かなケーク・エコセ ふっくら焼かれたクグロフ


たくさんの生菓子と一緒に並んでいたのはアルザスでは定番の焼き菓子「ケーク・エコセ」。
ココアの生地とアーモンドの生地が2層に重なっているのが特徴のパウンドケーキに似たお菓子です。
ネゲルのケーク・エコセは、焼いた後にカットしてバタークリームをサンドして、キルシュの香りがふわっと香る美味しさが印象的です。アルザスの焼き菓子の中で是非おすすめしたい1品です。

それから、アルザスで外せないのがクグロフ。
何十個ものクグロフがところ狭しと並んでいる様子をみると「ああ、アルザスに来たんだな」と実感できます。ネゲルのクグロフは表面が香ばしく、内側はほどよくしっとりしていてそのままでも充分美味しく飽きのこない味です。プレーンのクグロフの他にクグロフ・サレもあり、こちらはベーコンが入った塩味のクグロフでおつまみにもぴったりです。


夏にはアイスが大人気 フランボワーズのソルベ


そして、やはり夏に食べておきたいのがアイス!
クリスチャン同様暑い時期にはお店の外にアイスのワゴンが出ています。
バニラやショコラ、ピスタチオなども美味しいですが、やっぱりアルザスではフルーツ系を食べたくなります。

フランボワーズやアプリコットなど酸味のあるフルーツは香りが強く、日本で味わうより深く濃厚な味でとても美味しい!


パン生地のキッシュ


今回紹介した他に、ネゲルではギモーブやショコラ、そしてヴィエノワズリー(発酵菓子)やトゥレトゥールが揃っています。トゥレトゥールは発酵生地をベースにしたキッシュやお肉のパテをパイで包んだものなどがあります。甘いものづくしな旅の合間にサレ系のものを食べて一休みするのもいいですね。


SHOP DATA
店名NAEGEL ネゲル
HPhttp://maison-naegel.com/
住所9, rue des Orfèvres 67000 Strasbourg



次回はアルザスのクリスマスについてレポートします。マルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)の様子やクリスマスならではのお菓子を素敵な写真と共にお届けしますので楽しみにしていてくださいね。




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