アルザスにはたくさんのパティスリーがありますが、ここも絶対行きたいと思っていたお店です。
その名は「Kubler(キュブレー)」。ここは日本人シェフの浅見さんが働いているパティスリーです。
日本の百貨店の催事でも何度か登場したお店なので、スイーツファンの間ではご存知の方も多いかもしれませんね。



キュブレーの外観

お店はストラスブールの中央から少し離れたところにあるので、トラムに乗って行きました。頑張れば歩きでもいける距離です。トラムに乗るのも楽しい経験ですし、運動を兼ねて歩くのもいいですね。


ショーケースには華やかなお菓子が並びます

お店につくと、ガラス越しにたくさんのケーキが迎えてくれます。
ここにはたくさんの大きなケーキが並び、アルザスらしいフルーツたっぷりのタルトや華やかなムース、チョコレートを使ったどっしりしたケーキ、シュー菓子の定番サントノーレなど目移りしてしまうほどの品揃えです。

季節によって並ぶお菓子はかわりますが、やはり夏は旬のフルーツを使ったものが多く、苺、さくらんぼ、杏、ルバーブなど甘酸っぱいフルーツが様々な形でお菓子に変身しています。


プティ・ガトーにはお決まりのエクレアもハートのような顔がかわいい
ハリネズミのお菓子

店内に入りショーケースをみると、アルザス定番のバニラのエクレアを発見!定番のカフェとショコラも。フランス人はエクレア好きと聞きますが、3種類ものエクレアが並ぶなんてアルザスの人はかなりのエクレア好きかもしれませんね。

そしてとってもキュートなケーキがこちらを見ています。それはHerisson(エリソン)、そうハリネズミの形をしたケーキ。小さいながらしっかりハリも立っています。遊び心のあるケーキに、思わずキュンっときてしまいました。


トルシュ・オ・マロン フォレ・ノワール

店内にはサロンもありケーキやパンをいただけます。
以前ノエルの時期にはトルシュ・オ・マロンとフォレ・ノワールというとてもアルザスらしいお菓子を頂きました。
トルシュ・オ・マロンはモンブランのことなのですが、アルザスでは「トルシュ・オ・マロン」と呼ばれています。トルシュ(たいまつ)に似ているのが由来という説があります。 しっとり濃厚なマロンペーストに軽やかな生クリームの組み合わせがたまりません。

フォレ・ノワールは、ドイツやアルザスでポピュラーな「黒い森」をイメージしたお菓子。 見た目は可愛いですが、かなりキルシュがきいていて大人の味。フォレ・ノワールにはお酒がきいてなくっちゃ!という方に是非おすすめ。


アルザスといえばやっぱり「クグロフ」!

そしてアルザスで忘れてならないのが、発酵菓子の「クグロフ」。
もちろんキュブレーでも盛りだくさんに焼かれていました。
ふっくらと盛り上がったクグロフからは、バターの甘い香りが漂い食欲をそそります。
ほどよくしっとりした生地にレーズン入りで、ほのかな甘さを感じます。

それにしてもこんなに毎日クグロフが売れるということは、やはり日常的な発酵菓子なのでしょうね。
アルザスの人たちは、どんなシーンでこのクグロフを食べているのかな?と想いをはせながら頂きました。


シュトロイゼルを一面に散らしたアルザスの発酵菓子シュトゥルーセル

そして、クグロフの隣にずらっと並んでいるお菓子のようなパンは「シュトゥルーセル」。 クグロフほど有名ではないのですが、こちらもアルザスで定番のパンです。
ブリオッシュのようなリッチな生地にたっぷりのシュトロイゼル(クランブル)。

ドイツやアルザスの人たちはシュトロイゼルが大好きということで、よくタルトの上にたっぷり盛られているのを見ますが、こうやってパンにも使われているんですね。


小さなサブレが何種類もそろうのはアルザスならでは

これもアルザスらしいな、と思うところですが、小さな焼き菓子の種類がとても豊富なのです。
フランスの他の地方ではあまり見かける機会が少ないような気がしますが、やはりドイツの流れを組んでいるからか、一口サイズの焼き菓子が何種類も並んでいるのです。

しかも、ひとつひとつ生地や形が異なっていて、ジャムをサンドしたりチョコレートをコーティングしたりと凝ったものが多いのです。この焼き菓子は一つからでも購入できますので、欲しい分だけ選べるのが嬉しいところ。


丁寧に作られたボンボンショコラ

もちろん、焼き菓子もおすすめですが、フランスにきたら食べたいのがショコラ!
フルーツやナッツを使ったものやシンプルなガナッシュ系、オランジェットなどが揃います。
涼しい時期なら日本へのお土産としてもいいですね。


夏にはアイスが登場!

そして忘れてならないのが、グラスやソルベ。 キュブレーのオーナーシェフのHeppさんはグラシエのM.O.F.(フランスの国家最高職人)なのです。フルーツ系、クリーム系とありますが、やっぱり夏はさっぱりフルーツを食べたいということでアプリコットとオレンジを頂きました。爽やかさの中にも力強さがある味わいで、とても美味しかったです。次回はクリーム系も頂きたいところ。

ストラスブールの中心地からは少し離れているので、お客さんはほとんど地元の人のような雰囲気。皆ヴァンドゥースの方と話しながらお菓子を買っていく幸せそうな様子が印象的なお店です。

現在キュブレーでは浅見さんがシェフとして活躍されていますが、昔から親しまれていたお菓子やアルザス独特のお菓子を大切にしながら、現代のお菓子も取り入れているバランスの良さを感じます。遠く離れたアルザスで日本人シェフが活躍しているということは本当に嬉しいことですね。ぜひアルザスに行く際には訪れてみてはいかがでしょうか。


Kubler
29, avenue des Vosges
67000 STRASBOURG
http://www.kubler.fr/




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