お菓子の旅とはいえ、もちろんその土地ならではのお料理はかかせません!
今回は旅の途中で訪れたレストランと、そこでいただいたアルザスの郷土料理を中心に紹介していきたいと思います。


Winstub Le clou外観

まずはストラスブールの中心地にある「Winstub Le clou(ヴィンステュブ ル クル)」です。
ヴィンステュブとは、アルザスの大衆食堂のようなレストランのことで、アルザスのビールやワイン、そしてアルザス料理を楽しめます。そのため、アルザスにいくとあちこちで「Winstub(ヴィンステュブ)」の文字を見かけることがあります。気軽に郷土料理を味わいたい時にはぜひこの文字を探してみてください。
Le clou(ル クル)は、大聖堂にほど近い場所にあるので、観光客にも人気の高いお店です。


家庭のような暖かな雰囲気の中、アルザスの
陶器やインテリアがディスプレイされている

暖かい照明に照らされた店内は、アルザスらしさがたっぷり。
お店に入ると少し薄暗いのですが、とても暖かな光の照明に照らされた店内は、アルザスの素朴な雰囲気がたっぷりの素敵な空間でした。

落ち着いたトーンの木の壁、アルザスの風景画、チェック柄のアルザスの布(ケルシュ)をつかったハート柄のクッション(アルザスではハートモチーフが人気!)や、アルザスの陶器などが飾られていて、まるで昔ながらのアルザスのお宅に招かれたような気持ちになります。


まずはアルザスワインで乾杯

まずはワインをいただきます。
アルザスのワインは7種類あり、それぞれぶどうの品種名で呼ばれるのが特徴です。
7種類のうち6種類は白ワインのため、アルザス料理を食べるときには白ワイン率が高いですね。
まずは軽めのリースリングから。前菜的な軽い料理にあうワインです。

そのワインを注ぐのは、脚がグリーンのグラス。
色付きのワイングラスは珍しいですが、アルザスワインはこのワイングラスで提供されることが多いですね。これもやはりロゼとか赤よりは白ワインにぴったりあう色合いだと思います。


タルト・ア・ロニオンロス・ア・モワル

前菜はタルト・ア・ロニオンとロス・ア・モワル。(1人1品をシェアしました)
タルト・ア・ロニオンは玉ねぎのキッシュです。ブリゼ生地に炒めた甘い玉ねぎと優しい味のアパレイユ。ふわっと軽くてアルザスワインにぴったり。
ロス・ア・モワルは、日本では馴染みのない料理。私もここで初めて食べました。
見た目のまま牛の骨髄という意味のお料理で、想像以上に重くてしっかりした骨の中にとろっと濃厚な脂を感じる味です。若干ヘヴィなので、やはりワインにあわせていただきたい一品。


アルザスといえばなんといってもシュークルート

そして、メインはアルザスの郷土料理の代表「お肉のシュークルート」。
発酵させたキャベツ、そしてお肉の加工品、じゃがいものごくごくシンプルな料理です。
お肉は塩漬け、ベーコン、ソーセージだったり様々。

塩味とほのかなスパイス風味で全体的にはあっさりした味付けですが、なんといってもボリュームがすごい!私はこの料理の前にもお菓子を食べ歩いているからというのがありますが、食べても食べても減らないという思い出があります。ただこのシュークルートがアルザスワインとよくあい、その土地のお酒とお料理をあわせる美味しさと楽しさを実感できました。


青空に壁のオレンジが映える素敵なレストラン店内は広いので大勢で訪れるのにもおすすめ

そして、こちらはストラスブールとコルマールの間に位置するScherwillerという小さな町のレストラン。
ただレストランとしては大きく、大勢の団体客でもはいれるくらいの規模です。
明るいオレンジにグリーンの窓枠が印象的な「A la Couronne(ア・ラ・クーロンヌ)」というレストランです。

店内には可愛らしいコウノトリのモービルや、アルザスの布ケルシュ、アルザスの陶器などが並び、アルザス色満載です。


アルザスワインとプレッツェル

こちらもWinstub Le clouと同様アルザスの郷土料理を中心とした料理をいただけます。
まずはアルザスワイン。やはりグラスはグリーンの脚。ワインは、記憶が曖昧ですがゲヴェルツトラミネールだったと思います。比較的甘めのワインで、デザートと併せたりお菓子作りに使うこともあるワインです。
そして一緒に小さなプレッツェルスナックがついてきました。プレッツェルはドイツが有名ですが、アルザスでも幾つかのタイプのプレッツェルをみかけます。


タルト・フランベ

アミューズは小さくカットしたタルト・フランベ。
粉と水と塩をつかったパンのような生地を薄く伸ばして、クリームを塗り、玉ねぎやベーコンを散らしたアルザスの軽食です。比較的軽い食べ口で、さっぱりしたピザのような料理です。同じような料理がお隣ドイツではフラムクーヘンという名前で親しまれています。上にのせる具材は玉ねぎ、ベーコンが定番です。お店によって生地やクリームの感じが違うので何軒か食べ比べてみるのも楽しいです。


パテ&キャロット・ラペ

前菜はお肉のパテとキャロット・ラペ。
パテはもちろん美味しかったのですが、意外に皆の人気を集めたのが脇役的キャロット・ラペ。
人参を千切りにしたサラダで、フランスでは定番のお惣菜です。
何が美味しいかというと、多分人参そのものの味が濃くてそれがいいのです。
フランスでは、レストランやお惣菜屋さん、パン屋さんなどで、かなりの確率でキャロット・ラペを見かけることがあります。まだ食べたことがない方には是非一度食べてもらいたいです。
人参の美味しさに開眼すると思いますよ。


豚肉のマスタードソースあえ鶏肉のリースリング煮込み

メインは豚肉のマスタードソースあえと、鶏肉のリースリング煮込み。
大皿でサーブされ、取り分ける形式でした。
リースリングはアルザスワインの1種で、普通に飲む以外にこうやって煮込み系のお料理に使われることも多いです。


マンステールチーズ クミンシードを添えてお腹いっぱいでも、もちろんデザートも頂きます!

チーズはアルザスのマンステールチーズです。
ウォッシュタイプのチーズで匂いはなかなかの強さ。
そんなことから好き嫌いが分かれるチーズですが、味自体はわりとマイルドです。
クミンシードを添えて食べるとその美味しさがひきたちます。

デザートは2種類のアイス、アングレーズソース添えでした。
(2種類を2人でシェアとお願いしたらこうやって提供されました。)

ハーフにカットされていますが小さなクグロフ型のアイスとヌガー・グラッセ。
写真手前のヌガー・グラッセはナッツやドライフルーツ入りのアイスですがびっくりするくらいキルシュ(さくらんぼの蒸留酒)がきいていました。そのためやはり好き嫌いが分かれるところですが、そんなところも旅ならではの楽しい思い出です(私はお酒好きなので美味しくいただきました!)

せっかくアルザスにいくならやはりタルト・フランベやシュークルートのような郷土料理はおさえておきたいところですね。
特別なレストランではなく、気軽にふらっと立ち寄れるお店でアルザスの郷土料理とアルザスワインを楽しむ。時々お菓子をすこ〜しセーブして、ボリュームたっぷりのアルザス食に舌鼓を打つのもいいですね!




Winstub Le clou
http://www.le-clou.com/
3, Rue Chaudron 67000 Strasbourg

A la Couronne
http://www.couronne.com/fr.phtml
2 rue de la Mairie 67750 Scherwiller





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