アルザス地方はフルーツが豊富な土地として知られていますが、それは朝市に出かけて見ると一目瞭然!色とりどりの新鮮なフルーツがあちらこちらで美味しそうに輝いています。


林檎の種類も豊富


鮮やかなフランボワーズと桃


グロゼイユやカシス

特に初夏はたくさんの種類のフルーツが並びます。
最近は日本でもフランスのフルーツが冷凍品で入手出来ますが、やはりフレッシュのフルーツの持つ力強さは違います。ひとつつまみ食いしたくなる衝動に襲われそうな輝きです。

日本のものよりこぶりなりんごや、イチゴやラズベリー、モモ、グロゼイユやカシス、ミラベル、アプリコット、ルバーブ等、どれもがいきいきして、美味しそうです。

これだけフルーツが豊富なので(しかもお安い!)、アルザスのお菓子はフルーツをつかったものがおおいです。

今回はアルザスで食べたフルーツのタルトを紹介して行きたいと思います。



左)ミルティーユのタルト、右)グロゼイユのタルト

左)アプリコットのタルト、右)スリーズのタルト

アルザスを初めて訪れた時、その美味しそうなお菓子たちが魅力的すぎてみんなでショーケースに張り付いてしまったパティスリー「ネゲル」のタルトです。
ネゲルではたくさんのフルーツのタルトが並んでいて、そのどれもが美味しそう!

やっぱりフランスならではのフルーツを使ったものがいいなと思い、選んだのはミルティーユ、グロゼイユ、アプリコット、スリーズ。ちょうど初夏だったので、ミルティーユが美味しい時期。これでもか!というほどたっぷり盛られたミルティーユは味が濃くてとても美味しく、フランスで目覚めたフルーツのひとつです。

グロゼイユ(赤すぐり)は、その酸味を和らげるためメレンゲと一緒に使われています。甘酸っぱいグロゼイユと甘いメレンゲを一緒に食べると、とっても美味しくまさにフランス的な味わい。

アプリコットとスリーズのタルトは、どちらもシュクレ生地にプリンの様なアパレイユを流したタイプ。
なめらかなカスタードクリームとフルーツを食べているようなとてもフレッシュな美味しさ。
実はタルト1台1人分ですが、とっても大きい!日本人なら3〜4人で分けるといかも、というくらいの迫力です。たっぷりのフルーツを思う存分味わえるタルトとして、ネゲルは一番のおすすめのお店です。



左)スリーズのタルト 右)リンツァートルテ

左)りんごのタルト 右)アプリコットのタルト

そして、こちらは同じくストラスブールのパティスリー「クリスチャン」のタルト。
クリスチャンでも、大きく焼いたフルーツのタルトが何種類も並んでいます。
その中からスリーズ、リンツァートルテ、りんご、アプリコットの4種類です。
どれも大きいのですが、フルーツたっぷりだからか意外にさっぱりいただけます。

リンツァートルテは、フルーツのタルトではありませんがこれもアルザスで人気のタルトです。
スパイスの生地にラズベリージャムを伸ばしたシンプルでエキゾチックな味わいのお菓子です。



左)クエッチのタルト 右)ミラベルのタルト 

左)ルバーブのタルト 右)レモンのタルト

こちらはワイン街道沿いの小さな町「オベルネ」のパティスリーで見つけたタルト。
クエッチのタルト、ミラベルのタルト、そしてメレンゲがたっぷりのっているのはルバーブのタルトです。クエッチもミラベルも、ほとんど日本では食べることのないフルーツ。
そんなフルーツがてんこ盛りに盛られたタルトを見て、やっぱりここはフランスなんだなぁと実感します。
そして、野菜ながらスイーツによく登場するルバーブを使ったタルトは、甘酸っぱいルバーブにたっぷりのメレンゲをのせるのが定番スタイルです。



りんごのタルト「タルト・アルザシエンヌ」  ジューシーなミルティーユのタルト

こちらもオベルネで買ったお菓子たち。
左はりんごのタルト。このお菓子はよく「タルト・アルザシエンヌ」という名前でも売られている定番のフルーツのタルトです。右は真っ黒に見えますがミルティーユのタルト。
焼きこむことで果汁が染みています。これだけたっぷり使えるのも、ちょうど旬を迎えるフルーツだからこそですね。素朴ながら贅沢なタルオだな〜っと感じます。



盛りだくさんなクエッチのタルト


美しく並んだクエッチのタルト

こちらは両方共クエッチのタルト。見た目が結構違いますね。
左はオベルネのパティスリー、右はコルマールの「ギルグ」のもの。
クエッチはプルーンのような紫色をしたラグビーボール状のフルーツです。
味は淡くてジューシーなフルーツです。私はまだ生では食べたことがないのですが、こうやってタルトで焼きこまれる事が多いようです。



アプリコットのタルト グロゼイユのタルト

フランスに行くと食べたくなるのがいつもアプリコット。ギルグではたっぷりのアプリコットを贅沢に並べピスタチオを散らしたタルトを発見しました。奥にはミルティーユのタルトもありますね。
このギルグのアプリコットのタルトはアパレイユの優しい甘さとアプリコットの甘酸っぱさがとっても相性がよく、とても気に入ったタルトです。また時期があえばもう一度たべたいものです。
右はストラスブールのパティスリー「ジーグレー」のグロゼイユのタルト。
やっぱりグロゼイユはメレンゲと合わせるのが定番ですね。



手前)ミルティーユのタルト、奥)フランボワーズのタルト 手前)桃のタルト、奥)ミルティーユのタルト

これは、以前も紹介しましたが、フェルベールさんに教わったフルーツのタルトです。
シュクレ生地にクレーム・ダマンド(アーモンドクリーム)、フレッシュのフルーツをたっぷり入れて焼き込みます。夏はミルティーユやフランボワーズ、桃を使ったタルトが人気のようです。


キュブレーのショーケースにもタルトが並んでいます


左)アプリコットのタルト、右)グロゼイユのタルト

こちらは、ストラスブールの「キュブレー」のお菓子たち。
外からショーケースを覗くと、華やかなアントルメの奥に焼きっぱなしのフルーツのタルトが並びます。
ルバーブのタルトやアプリコットのタルト、グロゼイユのタルトなど、甘酸っぱいフルーツを焼きこんだタルトが大きなサイズで焼かれてカットされています。その姿は壮観です!

こんなふうにアルザスではほとんどのパティスリーでフルーツを贅沢にたっぷり使ったタルトを作っています。おすすめなのはやっぱりその旬のフルーツを使ったタルトです。個人的にはアプリコットやミルティーユなど甘酸っぱいフルーツのタルトが大好きです。

一口にタルトと言っても、生地はシュクレ生地だったりブリゼ生地だったり、中のクリームはクレーム・ダマンドやメレンゲベースのダックワーズの様な生地、プリンのような柔らかい生地など様々です。
それぞれの美味しさを味わうべく、いろんなフルーツのタルトを食べ歩いてみるのもいいですね!




アルザス・目次に戻る