アルザスの郷土菓子(郷土パンといえばいいのかな?)の代表的なものがクグロフ。
アルザスのパティスリーをはじめ、ブーランジェリー、朝市、マルシェ・ド・ノエル、ホテルの朝食でもよく見かける発酵菓子です。

バター多めの生地に、レーズンを入れ、アーモンドを予め敷いておいた陶器の型で焼くのが基本です。
使う素材はだいたい同じですが、お店によって配合や、仕上げ方法、型の年季(使い込むほどにバターが染みてきて美味しくなると言われています)が違います。



クグロフ食べ比べ会

そんなわけで、やっぱりやってみたいのが、各お店のクグロフを食べてみること!
クグロフは大きなサイズで売っている事が多いのと、日持ちがしないので、数人できれば8人くらいでシェアするのが一番の理想。私はお菓子のツアーで、ちょうどお菓子好きな有志が集まっていたおかげで沢山のクグロフを食べることが出来ました。

今回は、そんなクグロフたちを紹介したいと思います。



クリスチャンCoco LM
左はストラスブールの老舗クリスチャンのクグロフ。
比較的軽めの生地にレーズン入り。焼いて食べても美味しそう。
上に多めの粉糖がふってあるので、これで少し甘さがプラスされてお菓子らしい味わいに。

右はクリスマスのサブレ「ブレデル」の専門店Coco LMのクグロフ。
しっかり焼かれていて香ばしい。ただ大手チェーン店のためか、作ってから日が経っているためか、素材の風味が少し弱く感じました。


ネゲルテュエリー・ミュロップ
左がストラスブールの老舗ネゲルのもの。右はモダンなパティスリーテュエリー・ミュロップのもの。ネゲルではプティサイズのクグロフもありますが、やはり大きく焼いたほうが美味しいだろうということで通常サイズを選びました。この他にもベーコンやくるみが入ったサレ系クグロフもあって、こちらもおすすめ。プレーンタイプはレーズン入りのもの。程よい水分が残っていて焼き色が香ばしいのが印象的です。

右のテュエリー・ミュロップのものは、他店に比べて独特。
ふっくらと焼かれた生地は、型からはみ出ている部分がとても多く、型以上のボリューム感があります。
周りにたっぷりのお砂糖をまぶしていて、生地はきめ細かくしっとりしていて、まるでお菓子の様なクグロフです。


キュブレーキュブレー断面
こちらは以前日本人の浅見さんがシェフを務めていたキュブレーのクグロフ。
きめ細かく詰まった生地で、しっかりした食べごたえとほのかな甘みがあります。
中に入っているレーズンも程よく柔らかく香りがいいです。


ジーグレージーグレー断面
ストラスブールの、今を感じるパティスリージーグレーでも、やはり定番のクグロフはおいてあります。
底の焼き色がかなりしっかり香ばしいのが特徴で、生地はむっちり弾力があり、気泡が程よく入ってさっぱりした味わいでした。


コテ・フール(プティサイズ)コテ・フール断面
こちらはコルマールのブーランジェリーコテ・フールのプティサイズのクグロフ。
コテ・フールは、以前エルムステッターという老舗のパン屋さんの跡にできた(看板だけは今でも残っています!)モダンなブーランジェリーです。エルムステッターのクグロフが有名だったので一度食べたかったのですが、残念ながら私がアルザスを訪れた年かその前の年にクローズしたそうです。

コテ・フールは、とても素敵なお店でバゲットが美味しいと評判で、実際食べたら美味しかったです。
クグロフは、プティサイズのものは、軽くてすっとはいる感じ。
お菓子屋さんに比べるとバターの含有量が少ない様な印象で、食事としてもぴったりな味わいでした。


ジャックジャック断面
前回のレポートでも登場したのがミュールーズのパティスリー・ジャックのもの。
個人的にはアルザスでは一番ジャックのクグロフが好みでした!
やはりバターの芳しい香りとほんのり甘い味が、パティスリーらしくリッチな仕上がりでした。
風味が素晴らしいので、是非焼いたその日のうちに食べて欲しいものです。


メゾン・フェルベールギルグ
こちら2つは未食ですが、ぜひ次回は食べたいという2店です。
左はメゾン・フェルベールのもの。他店よりも浅めのクグロフ型で焼いているのでちょっと背が低め。
食べたことがある方に伺うと、ちょっとびっくりするくらい塩気が強いそうです。フェルベールさんのところでは、このクグロフを薄くスライスして作ったクグロフのラスクも販売しているので、次回はそれもあわせて食べてみたいと思います。

右はチーズで有名なマンステールに本店を構えるギルグのもの。
ここは、ルレ・デセール会員のお店で、とてもお洒落で素敵なパティスリーです。
今っぽいお菓子が多いですが、アルザスならではの郷土菓子もしっかりと作っています。クグロフは、たっぷりの粉糖がかかっていて、ずらっと陳列されています。ギルグにはアルザスの郷土パン、「ラングホッフ」(横に長いクグロフ)も売っているので、そちらも注目です。



コルマールのマルシェ・ド・ノエルにて

冬に訪れたマルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)でも、たくさんのクグロフが積み重ねられてとてもかわいらしい雰囲気でした。やはり味としてはパティスリーやブーランジェリーの方が美味しいのですが、マルシェに並ぶクグロフは絵になっていて見ているだけでも幸せな気分になれます。

こんな風に、アルザスではいたるところでクグロフを見つけることができます。
個人旅行だとなかなか大きなサイズを食べ比べるのは難しいかもしれませんが、せっかくアルザスを訪れたら一度はクグロフを召し上がって頂きたいなぁと思います!

朝食としてコーヒーにあわせるのも美味しいですが、お酒が好きな方ならアルザスの甘めのワイン「ゲヴェルツトラミネール」と一緒に食べるのもおすすめですよ。



NAEGEL ネゲル

住所: 9, rue des Orf evres 67000 Strasbourg
URL: http://maison-naegel.com/

Thierry Mulhaupt ティエリー・ミュロップ

住所: 18, rue du Vieux Marche aux Poissons 67000 Strasbourg
URL: http://www.mulhaupt.fr/

Christian クリスチャン

住所: 10, rue Merciere 67000 Strasbourg(大聖堂前の店舗)
12, rue de l'Outre 67000 Strasbourg
URL: http://www.christian.fr/

Kubler キュブレー

住所: 29, Avenue des Vosges
URL: http://www.kubler.fr/

ZIEGLER ジーグレー

住所: 23, avenue de la For e t Noire 67000 Strasbourg

Maison Ferber メゾンフェルベール

住所: 18 rue des Trois-Epis, 68230 Niedermorschwihr

Jacques ジャック

住所: 50-52, avenue d'Altkirsch 68100 Mulhouse

GILG ギルグ

住所: 60 grand-rue 68000 colmar(コルマール店)
URL: http://www.patisserie-gilg.com/

Coco LM

URL: http://www.maison-alsacienne-biscuiterie.com/

La Boulangerie cote four コテ・フール

住所: 11 Rue Serruriers 68000 Colmar
URL: http://www.cotecour-cotefour.fr/




アルザス・目次に戻る