ストラスブールを訪れた観光客が必ず目指すのが、街の中心にあるストラスブール大聖堂(ノートルダム=ド=ストラスブール大聖堂)。
いくら私の様な食べ物中心の旅をしていても、ここは絶対外せません! 毎回ストラスブールに行く度に大聖堂目指して歩いていきます。



ストラスブール大聖堂

あまりにも高さがあるので写真に収めるのが難しい! 数多くの繊細な彫刻が美しい

12〜15世紀にかけて作られたゴシック様式の大聖堂で、ボージュ山脈の石を原料にしているので、ほのかにバラ色(赤褐色)をしているのが特徴です。
最も高い塔の部分で142メートルもあるので、写真におさめようとしてもなかなか難しいくらい!そのスケールの大きさに圧倒されます。

細部を見てみると石とは思えないほどの繊細な彫刻が施されています。
その1つ1つが芸術的なのですが、そんな作品が数えきれないほど美しくそして何かを物語るように構成されていて、この大盛堂建築に関わった人たちの技術の素晴らしさに感動します。


荘厳な雰囲気に包まれるその美しさに息を呑む薔薇窓

もちろん、大聖堂の中にも入れます。多くの観光客がいますが、さすがに大聖堂に入るとその荘厳な雰囲気に、皆静かに鑑賞しています。
屋根の中央が高く盛り上がっているのがゴシック様式らしく、思わず見上げて見とれてしまいます。
そして左右を見渡すと色美しいステンドグラスの数々。キリストや聖母マリアや聖人たちをモチーフにした数々のステンドグラスを見ることができます。そんな中でも大きく美しく目をひくのが薔薇窓です。
中心から外側にかけて白から青、赤、黄色、緑と少しずつ色を変えて美しく咲き誇っているようなそんな存在感のある薔薇窓です。是非、大聖堂を訪れたらこの薔薇窓を探してみて下さい。


音楽にあわせて、外から内から様々な色彩の光が大聖堂を包みこみます

夏のヴァカンスの時期になると夜には音と光のショーが開催されます。
最近はフランスのいろんな地方でこういった催し物がされるようですね。

流れる音楽に合わせて大聖堂がいろんな光に照らされて、その造形が美しく浮き立ってきます。
黄色や赤、青、ピンクなどといった、照明が大聖堂を照らします。
いつも見ている薔薇色の大聖堂とは全く違う印象。伝統的な造形に近未来的な要素が入って不思議な雰囲気です。


ノエル時期のイルミネーションも可愛くておすすめです

一方、ノエルの時期には、大聖堂に続く通りにエンジェルのイルミネーションが連なり、とてもかわいらしい光景に変わります。単色のイルミネーションなので、素朴で懐かしい雰囲気です。冬の透明感ある空気の中でこのイルミネーションがキラキラ光っている様子はなんとも幻想的で大好きです。


イル川沿いを散策。木骨組の建物が立ち並びます

大聖堂の迫力ある光景とは、また違った魅力を見せるのが旧市街の西側に位置する「PetiteFrance(プティット・フランス)」です。イル川の中洲にある小さな地帯ですが、とても美しくのどかな光景が広がります。

16〜17世紀頃に建てられたアルザスならではの木骨組の建物がイル川沿いに立ち並びます。壁の色がそれぞれ異なり、水色やピンク、ベージュなど、カラフルながらまとまりのある景観になっているのがすごいところ。

プティット・フランスにはかつて皮のなめし職人が多く住んでいたということから、なめした皮を乾燥させていた屋根裏部屋は空気が通りやすいような構造になっているそうです。

プティット・フランスには、まるでおとぎの国のような光景が広がります

この辺りには、お土産屋さんやレストラン、カフェなど多くのお店が立ち並びます。
川沿いを散策して、このプティット・フランスの景色を満喫した後は、アルザスの郷土料理をいただくのもいいですね。特に春から夏にかけては色とりどりの花が咲いていて、この景色をより一層、おとぎの国の様な雰囲気にしてくれます。

ぼんやり眺めているだけでも心和む光景 アルザスの幸福のシンボルコウノトリの人形

天気がいい日にはこうやってぼんやり景色を見ているだけでも、心が和むそんなところです。ストラスブールに滞在中には毎日でも寄りたいエリアですね。
観光客が多いこともあり、たくさんのお土産屋さんがあります。ここで目立つのはコウノトリのぬいぐるみ。コウノトリはアルザスでは幸福のシンボルとしてよく知られています。
実際、アルザスで運が良ければ本物のコウノトリを見つけることができますので、時々空を見上げて探してみるのもいいですね。

お土産の定番絵ハガキも多いですが、お勧めなのはHansi(アンジ)と呼ばれるアルザス出身の画家のもの。アルザスの風景や子どもたちをモチーフにした作品が多く、とてもアルザスの特徴を感じる愛らしいものばかりです。お土産としても、旅の思い出に自分のために買うのもいいですね。
私は何種類も買い込んでお菓子のプレゼントに添えたり、冷蔵庫に貼り付けて毎日眺めては、アルザスを思い出しています。

イル川周遊する遊覧船。ヴァカンスの時期にはたくさんの観光客で賑わっています。

イル川には観光船もあります。私はまだ乗船したことがないのですが、どうやら屋根付き、屋根なしのタイプがあるようです。
季節や天候の良い時には屋根なしの方が写真を撮りやすいのでいいかもしれませんね。
1時間ちょっとの時間でプティット・フランス周辺を中心にイル川をぐるっと周るそうです。便利なことに日本語の音声案内(ヘッドホンにて)もあるので、プティット・フランスの環境や歴史を知るにはいい機会かもしれませんね。

今回は珍しく食べ物なしのレポートでしたが、こうやって大聖堂やプティット・フランスを歩くと、「あぁ、アルザスにきたんだなぁ!」という実感がじわじわと湧いてきて、とても気分が高まってきます。
美味しいものを食べるには体を動かすことも必要なので、ぜひこの界隈をたくさん歩きながらアルザスが積み重ねてきたこの空気感を楽しんで下さい。





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