ずっと以前、アルザスについて調べていた頃、アルザスに昔から続くブーランジェリーがあるということを知りました。それがコルマールの「エルムステッター」です。
クグロフが美味しいと聞き、是非訪問したいと思っていました。クグロフのデモンストレーションをお願いしようと思っていたのですが、なかなか連絡が取れず・・・。その後しばらくしてわかったのですが、なんと私が初めてアルザスを訪れる一年前にクローズしたのだそうです。

老舗だからいつまでもあるだろうと思うのは間違いで、やはりお店も人と同じく一期一会なんだな、とその時強く感じました。


Côté FOUR外観 お店で人気のバゲット

そんな思いをもって訪れたエルムステッター跡地には、モダンなブーランジェリーが後を継いでいました。それが「Côté FOUR(コテ・フール)」です。

シックな黒い外壁に、ガラス張りのお店は、とても都会的でお洒落な雰囲気。
美味しそうなバゲットがガラス越しにお客さんを誘います。
後から聞いたのですが、このバゲット多い日には一日500本も出るのだとか! 朝ごはんを食べた直後でお腹いっぱいでも「食べてみたい!」という友人が早速1本購入。

皮がバリッと香ばしく、粉の旨味がしっかりのバゲットで、飽きのこない美味しさでした。
そのままでも美味しいのですが、今度はハムやチーズなどをサンドしてみたいなぁなんて思っています。もしくは朝市で買ったバターを塗って食べるというのも、いいですね。


シンプルな食事パンがセンスよく並びます もちろんクグロフもあります!

美味しそうな雰囲気につられお店に入りました。
そこにはシンプルな食事パンを中心にアルザスならではのパン、クグロフが並んでいました。
その陳列方法もさりげないけどお洒落で、パリや東京にありそうな都会的な雰囲気。
こんな素敵なブーランジェリーがあるなんて近所の人たちは幸せだろうなぁ!と思いました。


おしゃれな雰囲気のイートインスペース

売り場の奥には細長いカウンターとテーブル席がありました。
詳しくは分からないのですがここは軽食を食べられるカフェなのかな?と思いました。


ブリオッシュを作っている様子
オーブンの前にて

そして、お店の方の好意で厨房を見学させてもらいました。
オーブンにパンを入れる作業や、ブリオッシュの成形をしているところを拝見。
皆、丁寧な仕事ぶりで次々にパンを作っていきます。
やはりパン作りは、スピード勝負ですね。
職人さん達の無駄のない動きに惚れぼれしました。



そして、この奥にはレストランの厨房が続いています。Côté FOURはブーランジェリーの他にブラッスリーがあるのです。
ここでは、日本人の方が1人働いていました。フランスではいろんなお店の厨房で日本人が働いているんだなと改めて感じました。
厨房にあったお肉のピックがカラフルでとてもかわいかったので思わずパチリ。
どんな用途に使うのでしょうね。
フランスに行くとこんなちょっとした小物が気になります。


プティサイズのクグロフ


レーズン入りの定番のスタイル

Côté FOURでは、やっぱりクグロフを買いました。小さなサイズの1〜2人分くらいのクグロフです。ほんのり塩味がきいたレーズン入りのクグロフは甘さ控えめなので、料理にも合いそうな味でした。なんだか陶器で焼くクグロフはむっちり感があっていいですね。


エルムステッターの看板がそのままに

お店の外にでると、エルムステッターの看板がそのままになっていました。
老舗だったエルムステッターに対し敬意を払ってそのままにしているのでしょうか。
とてもかわいらしいプレッツェルとハートの看板に、エルムステッターさんのおおらかなお人柄が想像できたのでした。

老舗エルムステッターの名残を感じつつ、モダンなお店Côté FOURを訪れるのは、複雑な感覚でしたが、Côté FOURもとてもいいお店だったので。次回はブラッスリーで食事と美味しいパンをいただきたいところです。


 Boulangerie Côté FOUR
 Place de la Cathedrale 11-13 rue des serruriers 68000 COLMAR
 http://www.cotecour-cotefour.fr/





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