45歳といえば、不惑の年も超えて、ますます惑いなく潔く、かっこいい大人の気配が漂う歳。例えばレストラン選びなら、あちこち食べ歩くよりもお気に入りの店にじっくりと通うスタイルがふさわしい。そんな粋な大人たちの強い見方になってくれるのが、この「続・職人で選ぶ45歳からのレストラン」です。
 食エッセイストの宮下裕史氏が長年通い続け、厳選した51軒のレストランが紹介されています。レストランといっても、フレンチ、イタリアン、中華や鮨、蕎麦などジャンルは様々。中には「オーボンヴュータン」の河田シェフや「ア・ポワン」の岡田シェフ、「ブノワトン」の高橋シェフなどパナデリアが日ごろお世話になっているシェフの方々も紹介されているのでお見逃しなく!そう、タイトルにもあるように、この本の主役は職人というところがポイント。“料理は人である”と断言する宮下氏が職人にスポットをあて、彼らの人柄や料理にかける想いを愛情溢れる客の立場から綴っています。職人やシェフと聞くと、普段はなかなか接することのない存在ですが、この本を読んでいると親近感がわいてくるから不思議。そうしてページをめくるたびに、職人への想いは増すばかり。そろそろ行きつけの店や自慢できる店を探してみたい・・・そんな人に是非お薦めしたい1冊です!



「オーボンヴュータン」の河田シェフとガトー・ピレネー “目の当たりにすると、周りで踊りたくなるような、祝祭的気分を喚起する力を持つ”と宮下氏。力強い食感、インパクトのある味わいは一度食べたら病みつきです


「ア・ポワン」の岡田シェフと、クグロフ “「ア・ポワン」の獣じみたクグロフはすごい。陰影に富んだ大人のパン菓子である(本文より)”バターの香りまで漂ってきそうな、迫力満点のカメラワークもすごい!


「ブノワトン」の高橋シェフと、“西の香り”のパン・ド・カンパーニュ。 “−噛む、噛む、噛む、そして噛みしめる。心地よい食感をもたらす硬質感の中から、とめどなく滋味があふれる(本文より)”地産池消を夢見て“湘南小麦プロジェクト”を立ち上げた高橋シェフ。シェフの後ろに並ぶのは大型の石臼製粉機。圧巻です!






続・職人で選ぶ45歳からのレストラン

著者:宮下裕史
発行所:文芸春秋
定価:¥1,667(税別)




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