去る9月12日、モダンでエレガント、且つ緻密なスタイルを特徴とした、新しく改装されたブルガリ銀座タワー内にて、『LA CUCINA DI LUCA FANTIN(意味=ルカ・ファンティンの料理)』の出版が発表されました。

ルカ・ファンティン氏


ASSOULINE(アスリーヌ)社より出版された本書は、在日7年目を迎え、ミシュランの星を保持するエグゼクティブシェフ ルカ・ファンティン氏が、日本の食材のみを使い、四季をテーマにした料理32品のレシピと、それぞれの料理のインスピレーションの源が、撮り下ろしたオリジナルフォトと共に、紹介されています。

秋から始まったファンティン氏の日本国内での食材探究の旅は春まで続き、四季の移ろいが感じられる各地の風景を通して、土地の季節の恵みに目を向け、生産者との関係を築き上げ、その食材を用いた季節の料理を創り出しました。
そしてそこには、ファンティン氏ならではの独自の手法が加えられていて、それぞれの季節の恵みを讃えた素晴らしい一皿が生まれたのです。
2年もの歳月をかけて制作された、この洗練された豪華な1冊は、日本や日本の食材へのリスペクトを込めた、これまでのファンティン氏の料理の集大成と言えるでしょう。

本書を手にすれば、四季からのインスピレーションを得て、メニューを創る過程を見ることができます。

「夏」という季節から着想を得たのは“赤ムツ ハーブとタラゴン”というシンプリティを極めた傑作。ハーブとタラゴンを赤ムツとともにオーブンで焼き、野菜の香りや地面の匂いを再現しています。タラゴン、エシャロット、ホワイトバルサミコビネガーで作ったグリーンソースと、タラゴンのピュレ、赤ムツの鱗を揚げて添え、青々とした夏らしさを加えています。

(c)Takao Ikejiri 
(c)Andrea Fazzari 
BRANZINO ROSA AL FORNO CON ERBE E DRAGONCELLO
赤ムツ ハーブとタラゴン



「秋」のメニューとして生まれた“自家製タリアテッレ 伊勢エビ”。素晴らしい日本国産の伊勢エビを主役にした一皿です。この高級な甲殻類の貴重な身はもちろん、殻や頭も余すところなく使って、濃厚でありながらとてもシンプルな出汁を取り、自家製パスタのタリアテッレと合わせました。フレッシュパスタのタリアテッレは脇役として、イタリアの味覚と共に伊勢エビの風味を引き立てています。

(c)Takao Ikejiri 
(c)Takao Ikejiri 
TAGLIATELLE FRESCHE CON ARAGOSTA CRUDA
自家製タリアテッレ 伊勢エビ



最も寒い季節「冬」に登場するのは、“ラディッキオのリゾット 赤ワインソース”。味のしっかりした、濃い色の料理ですが、ルカ・ファンティン氏が幼少時代を過ごしたトレヴィーソを思い起させる一皿です。日本国産のラディッキオとイタリア産の米を使用したこの料理は、国産のラディッキオがイタリア産と変わらぬ苦味を出し、地中海的な料理であるリゾットの繊細な風味が絶妙なコンビネーションになっています。

(c)Takao Ikejiri 
(c)Takao Ikejiri 
RISOTTO AL RADICCHIO CON SALSA AL VINO ROSSO
ラディッキオのリゾット 赤ワインソース



豊かさを告げる「春」のメニューで紹介するのは、沢山の野菜です。冬野菜に代わってアスパラガス、バーベナ、セージ、マリーゴールドのようなハーブが登場します。“グリーンピースのキャヴィア”は大自然へのオマージュ。質感をそのまま残せるように、できる限り自然に近い状態で提供されます。

世界的に著名なフード評論家であるアンドレア・ペトリーニ氏が序論を、コラムニストで「世界ベストレストラン 50」の日本評議委員長である中村孝則氏が前書きを、ブルガリ グループのエグゼクティブ バイス プレジデントであるシルヴィオ・ウルシーニ氏が序文を担当。『LA CUCINA DI LUCA FANTIN』は、日本語・英語で出版され、全世界のブルガリ ホテルズ & リゾーツのホテル、ASSOULINEの書店、世界主要都市の有名書店、ブルガリのオンラインショップで購入することができます。


『LA CUCINA DI LUCA FANTIN』

テキストおよびレシピ  ルカ・ファンティン
写真  アンドレア・ファザーリ、池尻貴重
仕様  ハードカバー、フリップケース
価格  \15,000(税抜)
英語版もあり




エグゼクティブシェフ ルカ・ファンティン
(Luca Fantin)


伊トレヴィーゾのホテル・料理専門学校を2000年に卒業後、イタリア内外の最も著名なレストランで修行を積んだ後、スペインのミシュラン二つ星レストラン「アケラッレ」と「ムガリッツ」でのメイン料理担当を経て、2006年にはローマで唯一ミシュラン三ツ星を獲得しているハインツ・ベック氏の名店、「ラ・ペルゴラ」の副料理長に就任。2009年11月にブルガリ銀座タワー内「イル・リストランテ」のエグゼクティブシェフに就任し、2011年からはミシュラン一つ星を保持しています。2014年11月には、イタリア料理のガイドブック「イデンティタ・ゴローゼ(Identita' Golose)2015」より「最優秀シェフ賞」を受賞。

(c)Andrea Fazzari 





ブルガリ ホテルズ & リゾーツ・東京レストラン
http://www.bulgarihotels.com/ja_JP/