灰の中で焼き上げるクッキー「ヌウル」に、ルイ11世に愛されたお菓子「タルムーズ」 そして、かの有名な天才料理人アントワーヌ・カレームが生んだ冷菓「バシュラン」・・・。 フランスで生まれ、愛しまれてきたお菓子の裏には歴史的な背景が見え隠れします。 |
お菓子のおいしさに加え、そんなもうひとつの楽しみをも味わえてしまうのが、大森由紀子さんによるレシピ集「フランス 伝統的な焼き菓子」。 |
中世、王政期、革命後、そして現代と4つの時代に区切って紹介される約30種のお菓子は、今の日本のパティスリーでは見かけないものもたくさん。 レシピだけでなく、誕生の背景や当時の風習なども書き添えられているので、 "わぁ、こんなお菓子があったんだ" "ふーん、こういう背景で誕生したのか" と、見ているとだけでワクワクしてしまいます。 |
なにより、その味を実際に自分で作ることができるなんて本当に贅沢! 十字軍や、贅を極めた王朝時代に思いをめぐらせて、ゆっくりとお菓子を楽しんでみてはいかがでしょうか? フランス、そしてお菓子を心から愛する人に、ぜひ読んでもらいたい一冊です。 |
フランス伝統的な焼き菓子 著書:大森由紀子 発行所:株式会社角川マガジンズ 定価:¥1,900(税別) |