「リュバン状になるまで泡立てます」「生地をさっくりと混ぜます」
お菓子のレシピ本では、こうした説明を良く見かけます。でも、いざ作ってみると思い通りにいかなかったり、失敗してしまったり・・・なんて経験も多いのでは?
そんな時に、是非手にしてほしいのが、この「科学でわかるお菓子の『なぜ?』」です。



ハンドミキサーで全卵をきめ細かく泡立てるには・・・?高速→中速→低速に変えながら泡立てるのが正解。顕微鏡写真を見れば生地のようすも一目瞭然です!



“科学”と言われても、堅苦しい説明文や記号などが並んでいるわけではないので大丈夫。カラー写真や図を交えながら、Q&A方式で優しく丁寧に解説してくれます。例えば「お菓子 作り方のなぜ?」の「共立てのスポンジ生地」の章だけでも、36ページ!泡立てたり粉を混ぜたりする過程で生地が変化していくようすや、オーブンの中で生地が膨らんでいくようすを詳しく教えてくれたり、ハンドミキサーで泡立てるときの速度によって気泡の大小が変わるようすを顕微鏡写真で見せてくれたり。“なんで最後は低速にするんだろう?”“なぜここまで混ぜるんだろう?”なんて謎もスルスルと解けて、思わず、「なるほど!」と唸ってしまいます。


溶かしバターだって、ただ加えればいいというわけではありません。生地にまんべんなく広げて入れ、正しく混ぜた生地は、焼成後のふくらみが良いことがわかります。



というわけで、初心者はもちろん、お菓子作りに慣れている人や、よく作ると言う人にこそお薦めしたいのが本書。お菓子作りを思い立ったら、まずはこの本をチェックしてみて。スポンジ生地、バター生地、タルト生地、などといった生地別に分かれているので、生地ごとのポイントを確認できるというのも嬉しいところです。また、もっと極めたい人は、「お菓子 材料のなぜ?」の項へ。卵、小麦粉、砂糖などの素材の特徴を知ることで、お菓子の仕上がりが格段に良くなるはず!他にも、例えば、同じ小麦粉でも種類を変えたらどう変わるかなどのアドバイスを参考にすれば、いつかオリジナルのお菓子を作ることだって夢ではないかもしれません。


卵黄と卵白では、固まる温度も、また固さも異なります。ということは、例えばプリンを作るとき、卵黄と卵白の比率を変えれば、味だけでなく食感も変わってくるのです!



テクニックや素材のことなど、知れば知るほど深まるお菓子の世界。お菓子作りに欠かせないこのバイブルを手に、じっくりと向き合ってみてはいかがですか?



科学でわかる お菓子の「なぜ?」
基本の生地と材料のQ&A231


監修:辻製菓専門学校
共著:中山弘典 木村万紀子
発行:柴田書店
定価:¥3,200(税別)




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