神奈川県、新百合ヶ丘にある「リリエンベルグ」。週末のリリエンベルグを訪ねて、その人気ぶりに驚かされた経験のある人は数多いはず。しかもその人気ぶりは、決して一過性のものではなく、もうずっと続いている息の長い人気なのです。そしてどんなに有名になっても、決して支店などを出そうとせず、その名前の通り、ここリリエンベルグ(百合の丘)でしかお店をやろうとしない横溝春雄シェフ。それはリリエンベルグのコンセプトである「地域の人に愛される店になる」ことや「季節感を出して、作りたてのものを並べよう」という姿勢にとって、とても大事なことなのかもしれません。まるでお母さんが作ってくれるような出来立ての、愛情にあふれたお菓子たち、そんなお菓子が並ぶリリエンベルグ。変わらないけど進歩している・・・そんなふうに感じさせてくれる大事な一軒でもあります。そしてこの度、そんな横溝シェフの新しい本が発売されました。
それは、リリエンベルグでも人気の「コンフィチュール」の本なのです。



やさしい色合いの表紙。手にとったときに
その温かさが伝わってくるよう




いつだったか、初めてリリエンベルグのコンフィチュールを口にしたとき、そのみずみずしいおいしさに感動しました。あれは確か、日向夏のコンフィチュールだったかな。それからは、お菓子だけでなく、コンフィチュールもリリエンベルグを訪ねる楽しみのひとつになりました。この本の中には、そんなコンフィチュールたちのつくり方の他、そのコンフィチュールを使ったお菓子のレシピなども載っていて、すごく楽しい一冊に仕上がっています。




柿とパッションのコンフィチュールとそれを使った柿のケーキ。そのコンフィチュールの特徴にあわせたケーキの説明などもわかりやすい



ミルクキャラメルのコンフィチュールとバナナのミルフィーユ。見ているだけでも幸せだけど、自分で作れると思ったら、もっと幸せ




リリエンベルグができるまでに始まって、スタッフの働き方など、そしてコンフィチュールについてはつくり方以外に素材や道具などの話も載っていて、読み物としても楽しめます



この一冊を読むと、コンフィチュールのことだけでなく、リリエンベルグのこと、横溝シェフのこと、いろいろなことがわかります。読み終わったとき、心がほっと温かくなること間違いなし。そしてその時、あなたの指は、もう一度最初のページをめくっているはずです。




リリエンベルグのコンフィチュール
素材を生かした美味しいジャムのつくり方

著者:横溝春雄
発行所:誠文堂新光社
定価:本体2600円+税