江戸に精通した文筆家・漫画家としてつとに有名な杉浦日向子さん。
どの作品からもしっとりと香り立つ懐かしさと情緒が魅力です。


そんな杉浦さんの最新刊が、『4時のオヤツ』。


何故4時なのかというと、午前なら夜明け前、午後なら黄昏時という"中途半端な時間"だから。
そんな半端な、大人にも子供にもなりきれない時間だからこそ、口寂しく、人恋しい。物語のうまれる時間なのです。


鯛焼き、クリームパン、糸きりだんご、かき氷、大学芋、シベリア・・・ 懐かしい東京のおやつたちと、そこから始まるショートストーリーたち。

お菓子の写真は杉浦さんの実兄・鈴木雅也さんが担当。
荒木経惟さん撮影の艶めいた杉浦さんの写真も必見です。


『4時のオヤツ』

新潮社
205頁
定価 1,300円(税別)







こちらは、『4時のオヤツ』のすこし前に発行された、姉妹編ともいえる本。
「小説新潮」に6年間連載されていたものをまとめた作品です。
"ちんみ"を切り口にした、ちょっぴり大人風味のショートストーリーが68篇、収められています。
杉浦さん直筆のイラストが独特の奥行きと味わいを添えています。
"ちんみ"のお取り寄せリストつき。


『ごくらくちんみ』

新潮社
221頁
定価 1,200円(税別)