昨年秋から改装が始まった、伊勢丹新宿店の食品フロア。6月13日のグランドオープンを前に、お披露目のプレスパーティーが開催されました。パーティーのスタートは、閉店後の20:30から。まるで閉園後の遊園地に忍び込むようなドキドキ感と、期待に胸を膨らませながら受付を済ませ、いざ館内へ。外が暗かったせいか、オフホワイトを基調とした明るいフロアが突如目の前に開け、まるで別空間に舞い込んだようでした。
今回のリフレッシュオープンにあたり、国内外のシェフ・パティシエが約17名来店していることもあり、会場内は、詰め掛けた取材陣の熱気で高まっていました。新しく生まれ変わった伊勢丹食品フロアを、スウィーツを中心にご紹介いたします。

シャンパンや、ワインも振舞われ、ゲストはグラス片手に各ショップをリサーチ


『食を作る、食べる、愉しむ』をコンセプトに、 “食”の魅力を伝えるフロアに生まれ変わった新宿伊勢丹。
各ショップゾーンには、テイスティングカウンターを開設して、ワインなどと共に美味をその場で興じることができたり、人気シェフのレシピを使って実演するキッチンステージでは作り方も学ぶことができ、まさに“食のテーマパーク”状態!


キッチンステージで実演される料理は、その場で味わえるだけでなく、使用した食材をすべて買って自宅で再現することが可能。写真は三國清三シェフのレシピ






キャビアからコンフィチュールまで、世界ナンバーワンのブランドが揃い踏みする、編集ショップ「プラドエピスリー」。棚には、美しい瓶に閉じ込められたコンフィチュールやクーリ、蜂蜜やシロップなどが並べられ、その輝きに思わずうっとり・・・。いままでは旅行先でしか手に入らなかったような貴重なアイテムがずらりと並び、クラクラしてしまいます。カルラや、ブイエが伊勢丹の為に考案されたオンリーアイ商品もあります。す・すごい!

カルラの「TOKYO」や、フェルベールのコンフィチュールなどを試食させていただきました






老舗店の伊勢丹限定ブランドから、世界的パティシエのショップまで勢ぞろい。その光景は、まさにスウィーツのギャラリーのよう。ブティックを思わせるショウケースに、美しく並べられたスウィーツ達は見ているだけでうっとりしてしまいます。「マ・パティスリー」も、さらに進化して、スウィーツファン垂涎の世界の名品をセレクト。憧れのあのショコラが、バウムクーヘンが、目の前に・・・しかも日本で手に入るだなんて、夢のよう。たっぷり買い込んで、レシートを見てからハッと現実に引き戻される・・・これ、まさに“伊勢丹マジック”?



◆セバスチャン・ブイエ

「ルレ・デセール」の最年少会員である、“若き天才パティシエ”セバスチャン・ブイエ氏。代表作である、マカロンをチョコレートコーティングした「マカリヨン」は、フランスでは2種類のところを、伊勢丹では6種類での展開。ブイエ氏も、今回の出店にあたって『素材や味の違いはあるが、日本にはいいものがたくさんある。それらを利用し、なるべく時差の無い商品を提供したい』と、意欲的。得意のマカロンは、ポップコーンを混ぜ込んだものや、綿あめ風味のクリームを使用したものなど、楽しさがあふれています。生ケーキも、ビビッドな色使いとちょっとした遊び心がブイエ風。今後の展開にも、期待が膨らみます。

『日本の市場をみながら、他店にないようなお菓子を出していきたい』と、ブイエ氏

試食させていただいたのは、オリジナルマカロン。味も見た目も遊び心たっぷりです



◆アンリ・ルルー

早くも伊勢丹食品フロアの顔となりつつある、「アンリ・ルルー」。大人気のC.B.Sキャラメルや、焼き菓子に加え、6月から新しくラインナップに仲間入りしたデザートについて、『発売してまだ間もないですが、大変ご好評いただいているようです。これからもオリジナリティのある商品を日本のお客様に提供していきたい』と語ってくださったのは、奥様のロレーヌ夫人。いつも仲の良いお二人の温かな気持ちが、お菓子のひとつひとつにも行き渡っているよう。夫妻の愛情が注ぎこまれたお菓子達は、これからますますファンを増やしていきそうです。

当日は多数の取材に応じていたルルー氏。パナデリアの最新の会報を手に

6月12日より発売開始のグラスデザート「クレミュー」



◆マ・パティスリー

期間限定で人気パティスリーを紹介する、スウィーツファンならチェック必須の「Ma Pattisserie」。今回のリフレッシュオープンで、世界の逸品スウィーツを集めたコーナーも加わり、さらにワールドワイドに進化しました。イタリア・ドイツ・フランス、そしてスペイン・・・と国境を越え、さらには時空をも越えて伝統菓子から、ヨーロッパ最新の味わいまで堪能することができます。伊勢丹にて開催されたサロン・ド・ショコラで注目を集めた「ベルナシオン」のパレドールや、ジェノバの老舗コンフィズリー「ピエトロ・ロマネンゴ」の砂糖漬けフルーツ〈フルッタ・カンディータ〉に、ドイツの名品「ラビーン」のバウムクーヘンなど、珠玉のスウィーツがパスポート無しで手に入るだなんて、本当に夢のようです。

マダムも来店していた、ピエトロ・ロマネンゴ。宝石を散りばめたような、美しいコンフィズリーにうっとり


また、ユーハイムの新ブランド「マイスターユーハイム」ではドイツ菓子チャンピオンのベルント・ジーフェルト氏が来店。「若さ・野生味・新しさへの挑戦」をテーマに、新しいドイツ菓子を展開します。他にも、メリーチョコレートからフルーツガナッシュやグラスデザートなど新感覚のショコラを提案する〈デクリュ〉、東京風月堂からは、旬の国産果実を使ったスウィーツの〈ゼフィール〉が新ブランドとして軒を連ねます。海外ブランドに負けず劣らず、日本の老舗ブランドからも目が離せません!





工芸品のような美しい上生菓子を揃えた老舗から、和菓子の今を伝えるコーナー〔今め菓子〕、全国の粋を集めた〔名匠銘菓〕まで、古今の和菓子を網羅した充実の売り場。和菓子の奥の深さと懐の広さを、あらためて認識させられます。実は、和菓子にも目がないパナデリア一行。ここでも、試食に次ぐ試食で、お口の中は一向に休む暇がありません・・・。

◆ とらや

都内百貨店初の、生菓子を提供する「とらや」。店に入ると、明るい店内から一変し、黒で統一された空間は、シックで重厚な雰囲気。磨きこまれた大きなショウケースと、寸分の狂いも無く陳列された菓子に、伝統と格式を重んじる「とらや」の誇りと美学が感じられます。店内でおいしい冷茶と共に、生菓子を試食させていただきました。

黒で統一された店内。“デパ地下”の中にいるのを一瞬忘れるような、独特の雰囲気

薯蕷饅頭はつくね芋のきめ細かな皮と、ねっとりとした餡が絶妙のおいしさ



◆ 文明堂

日本人なら知らない人はいない、文明堂の〈三笠山〉。今回、新ブランド〈御笠山〉として、新たに展開するのが、「餡を食す」をコンセプトに開発された新しい味わい。口に広がる餡と生地の調和を取るため、なんと北海小豆・鳴門金時など各種の餡には、それぞれ別の生地を使用しています。口の中に入れると、きめ細かな生地が餡と絡み合い、やさしくほどけていく・・・“どらやき”をはるかに超越した美味に、驚きを隠せませんでした。今回のリニューアルにあわせ、伊勢丹オリジナルの「能登大納言小豆(¥525)」も発売。一日限定150個という希少性の高い商品ですが、予約しても買いたいおいしさです。

目にも美しい、〈御笠山〉。とろけるような食感は、一度食べたら忘れられない

伊勢丹オリジナルの「能登大納言小豆」。1個525円だから、この一口で・・・





あっという間に過ぎ去った、夢と魔法の(?)伊勢丹フード王国で過ごした2時間。魔法から解き放たれた帰り道、両手にぶらさがったたくさんのお土産の袋を見て、『ああ、これは夢では無かった・・・』なんて。
―――夢の続きは、いつでも新宿伊勢丹の地下で。現在進行形の、食のエンターテイメントを体感しに、みなさんも是非、新宿伊勢丹食品フロアにでかけてみてはいかがですか?