2009年5月3日から6日まで、軽井沢に和泉光一シェフの限定パティスリーがオープンしました。和泉シェフといえば、2年に一度アメリカで開催されるWPTC(ワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップ)で、2006年には日本代表キャプテンとして、日本チームを総合準優勝に導いた経歴や、その後2008年のWPTCでも、味覚部門担当として活躍、日本チームは、また準優勝という栄誉に輝きました。もちろん、それ以前にも、数々のコンクールなどでの華やかな活躍で有名な和泉シェフが、「サロン・ド・テ・スリジェ」を、この4月に辞めて、今はご自身の新しいお店オープンに向けて充電中。その第一歩として、ゴールデンウィーク中の軽井沢で、限定パティスリーをオープンしたというわけです。主催は株式会社クーカルとスイーツ大好き委員会。
クーカルは軽井沢の夏のイベントとして2006年からスタート。有名シェフを招いての食の祭典は、いまや軽井沢の夏には欠かせないイベントになりつつあります。もちろん、今年の夏もクーカルは、魅力的なシェフを揃えて、開催されます。そのクーカルが、この連休にスイーツの総合サイト、スイーツ大好き委員会と組んで企画したのが、今回のこの和泉シェフとの限定パティスリーです。

案内のポストカードに書かれた

「日常から離れた空間、シェフとの会話
この日のためだけに用意された皿盛りデザート。
あなたの休日を素敵に演出します。
特別な時間をお楽しみください。」

という言葉どおり、カウンター越しに和泉シェフがアシェットデセールを作ってくれる姿を、見ることができます。しかも、ちょっとお皿の飾りにと、シェフがパパパッと飴細工の花なんかを作ってくれるのだから、贅沢そのもの。
大好きなアーティストのステージをかぶりつきで見ている観客のようなもので、客席の皆さんの目からは、ハートマークが飛び交っているような気がしました。



そばにある瓶を使ったり、身近なものを道具に、
手早くきれいな作業はさすがです




今回のメニューは、
  1. フォンダンショコラ グリオットとさくらんぼのソース グラスバニーユ ショコラテ添え
  2. 巨峰のタルトレットムラング仕立て フローズンヨーグルトソルベにふわふわ綿アメ苺のアメとクーリーを添えて
  3. バシュランフレーズバルサミック (ムラングココ、バルサミコフレーズソルベ、ソースアングレーズ)
  4. ベリーヌフレーズパッション (コンポートフレーズ、クレームレジェールフレーズ、クレームレジェールパッション
  5. マチェドニア (巨峰、さくらんぼ、苺などを使ったフルーツカクテル)
その他にも、ミルクレープや苺のロールケーキなど、数量限定のものも。
そして、今回2日間通ったパナデリアがいただいたのは、フォンダンショコラ、バシュラン、ベリーヌ、マチェドニア、そしてミルクレープ。ところが、1日目にカメラを忘れるという失態をおかしたため、写真が3つしかありません。ごめんなさい。
それでは、写真のあるものだけ、ご紹介します。


フォンダンショコラ

ナイフを入れると中からとろりと流れ出すチョコレートソース。これこそ、その場で食べるアシェットデセールでなくちゃできない!そのとろり加減は思い出すだけでうっとり。そしてカップの中には、ひんやりと冷たいショコラフロワが。オレンジのつぶつぶが爽やかで、夏にぴったりのチョコレートの楽しみ方です。グリオットのソースのきりりとした酸味とグラスバニーユの冷たさ、フォンダンショコラから流れ出す温かいチョコレート、味の面でも温度の面でも、とてもバランスがとれた、贅沢な一皿です。



バシュラン

サックサクの軽いムラングココは、それだけでも、何本でも食べたくなるおいしさ。実はこのさっくり感は、和泉シェフが研究に研究を重ね、湿気にくいメレンゲを作り上げたから。小さなパーツのひとつひとつにも、実はみんなが気づかない努力が秘められていると思うと、感動。苺のソルベと、ほんのりと効いたバルサミコが深みを感じる苺のソース、そしてアングレーズソースのやさしさ、そこにバジルの爽やかさがちょっぴり加わって、とてもおいしい! さくらんぼや巨峰、そして朝摘みの苺は、軽井沢の良さを伝えてくれるよう。すっと食べてしまう軽さが魅力です。



マチェドニア

こちらもこれからの季節にぴったりのフルーツポンチといった爽やかさ。大きなさくらんぼや苺、巨峰、それからうん?バナナやグレープフルーツやキウイも入っているぞ。さすがにバナナとかは信州では採れないけど、さくらんぼや巨峰など信州産のフルーツの良さがたっぷり楽しめるマチェドニア。ほんのりとシナモンの香りとお酒も感じられるので、大人のフルーツカクテルという感じ。真夏のパーティにさくっとこれが出たら、すごくお洒落だなって思います。添えられた長いS字型のムラングココも食感のアクセントに。



ミルクレープ
この日、特別に登場したのがミルクレープ。ふんわりとやわらかいミルクレープに、バニラアイスクリーム、苺、巨峰、さくらんぼとアングレーズソースを添えて。誰もが好きなやさしい味わい。こんな一皿を簡単に作っちゃうところが、アシェットデセール、そしてカウンターでの魅力です。

実はこのほかにも、そこにあるもので、パパッと和泉シェフが作ってくれた一皿もあり、和泉シェフ、こういうシチュエーション、完璧に楽しんでる!っていう感じ。もちろん、客席もすごく楽しい。おいしくて楽しいデセール、ごちそうさまでした!

さて、和泉シェフ、これから、どこにどんなお店をオープンさせるのか楽しみです。シェフの希望は、今回のようなアシェットデセールが出せるお店にしたいとのこと。オープンしたら、また至福の時間を過ごしに行きたいです。今から、カウンター席、予約できないかな!?  (2009.05)








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