カリフォルニア・くるみ
テクニカルセミナー 2001
2001.5.18

講師 エリザベス・フォークナー
サンフランシスコにある「シチズンケーキ」のケーキショップとカフェのオーナーシェフ。1999年に、「ペストリー・シェフ・オブ・ザ・イヤー」の称号を与えられ、またシェフはサンフランシスコ芸術大学でアートの学士号を取得している芸術家でもある。

5月18日に「日本菓子専門学校」で開催された、カリフォルニアくるみ協会主催の「カリフォルニアくるみ」を使った最新のレシピと実演などをふまえた講習会に参加してきました。

講習会は、午前中が6種類あるレシピのシェフの実演、午後はその中から3品のお菓子をシェフと一緒に実際に作るという内容でした。講師のシェフ・エリザベスは今回が初めての来日、その中でシェフのお気に入りの一つになったものが「ほうじ茶」。フランスでの修業時代には日本人女性がシェフを務める『こばやしまさ』のレストランで季節のフルーツを使うこと、盛り付けの美しさなど学んだそうです。その後、都ホテル『エルカ』ではあずきをつかうことにこだわっていたなど、和の素材、盛りつけには興味がある話をしてくれました。また日本の懐石料理などを参考にして、今後の自分のお菓子作りなどにもその繊細さを取り上げていきたいということでした。シェフ曰く、日本の食べ物には甘さと辛さが(たとえば煮物?かしらなんて思ったのですが…)一緒になっているものが多いように感じていて、そのため今回のレシピの中にも甘さと塩味が微妙に加減されたお菓子が紹介されていたりしました。

お菓子についてシェフは、「やはりお菓子はおいしく食べ、繊細であり美しいもの、加えて健康的に食べる」という考えを持っているそうです。そのために様々なスパイスやフレッシュハーブを使用したレシピなども考案されています。

この講習会は、カリフォルニアくるみを素材として使ったお菓子を紹介する講習会だったのですが、シェフはくるみはさまざまなフレーバーと相性が良いとのことで、どのレシピにも少しづつバニラやラベンダーなどの香りの良い素材との組み合わせを紹介してくれました。

アメリカでのお菓子作りの中で地元の良い素材のものをどんどん取り入れてお菓子の幅を広げているというお話もあり、実際にアメリカのお店で使用しているくるみのオイルなどを持参して紹介してくれました。使っている素材の中では「塩」にこだわり、他の素材をじゃまぜす、良さを引き出すものとして「コーシャー塩」という塩を選び様々なレシピに使っているということでした。また、芸術家でもあるシェフは自分の作り出すお菓子に近代画家の名前をつけることもあり、今回紹介されているチョコレートにもやはりその画家の画風と味わいが一致したイメージのチョコレートのレシピがありました。

午後の実習では3人1組になり、私たちパナデリアも日ごろお店でお菓子などを作っている方に混じり、シェフとともにお菓子を作りました。その際、シェフが各テーブルを周り途中経過やお菓子の出来上がりをみて注意すべき点を指導してくれました。もちろん時間の関係ですべて最初から最後まですべてのお菓子を作ったわけではありませんが、デモンストレーションだけでは体験できない参加者の人たちのとコミニュケーションをとることができ、いろいろなことを学ぶ事ができた充実した講習会でした。