パナデリアが行く 藤生シェフ

カリフォルニア・ザンテ・カランツを使った
ベーカリー・洋菓子新製品開発テクニカルセミナー

「カリフォルニアレーズン協会による新製品開発セミナー」の洋菓子部門が去る9月19日(火)に東京製菓学校で行われました。今回は、洋菓子部門が19日、ベーカリー部門が22日(金)と2日に分けて開催されました。パナデリアでは、洋菓子部門の講師が高幡不動にある「パティスリー・ドゥ・シェフ フジウ」の藤生義治氏と聞いて、久しぶりに藤生シェフのお顔を拝見したく参加させていただきました。ちなみにベーカリー部門の講師は埼玉県川口市にある「デイジー」のオーナーシェフ倉田和博氏でした。本当はこちらも喉から手が出るほど(?)参加したかったのですが…。でもそのかわり藤生シェフの洋菓子講習会で、レーズンのお菓子を味覚と脳みそ(誰ですか?私達の脳みその量を疑っているのは?)で、たっぷり味合わせていただきました。

まずカリフォルニアレーズン協会の方からのご挨拶でセミナーは始まりました。その後20分ほどカリフォルニア・レーズンについてのビデオを鑑賞し、基礎知識を勉強します。その後、いよいよ実技講演に入ります。今回の講習会のお菓子は「カリフォルニア・ザンテ・カランツ」という品種を使ったもの。皆さん「ザンテ・カランツ」といってもどんなものなのか、想像がつかないと思いますので、ちょっとご説明を…。「ザンテ・カランツ」はギリシアで生まれたレーズンで、カリフォルニアでも移植して栽培を始め、栽培が拡大し我々消費者にも提供されるほど栽培量が増えたのです。このレーズンは、名前に付いているようにカレンツのようなレーズンで外観は小粒、茶褐色をしていて、酸味が少しあり、濃厚なとてもめりはりのあるレーズン。確かにパンやお菓子との相性が良さそう。

そこでその「ザンテ・カランツ」を使って、藤生シェフが考案したお菓子は「ガトー・ノワ」「サラエボ」「ウィークエンド」「サンマルク」「トゥティ・フルッティ」「ショコラ・ドゥ」「ガトー・ア・ラ・ビエール」「ソシソン・オ・パン・ブリュ」の8品。それぞれのお菓子に合わせてレーズンを洋酒などに漬け込んでおいたものを使ったり、そのままのものを使用したりと個性に応じた作り方をしているのはさすが!!どれもレーズンが主張しすぎることはなく、アクセントとなるような効果的な味わいを生み出しています。

お菓子が美味しくて感動したのはもちろんですが、この手の込んだ8品目を、試食を含めての約3時間の講習で作り上げた藤生シェフの手際の良さにも感動!でした。
試食の方もけっこう大きめなカットで8品目いただけるので、大満足。参加者の皆さんもおなかがいっぱい、脳みそがいっぱい(しつこい!!パナデリア!)で大満足でお帰りになったのではないでしょうか。

レーズン一つとってもこんなに豊富なお菓子のバリエーションが生まれるんだなぁー・・とあらためて感じました。そして逆にもっともっとたくさんのレシピが考えられるだろうな…と、レーズンの奥の深さも感じました。それにレーズンは優良食品。ミネラルやビタミンなどを多く含み、エネルギー源としても注目を浴びています。そして、化学薬品や食品添加物は一切使用されておらず、安全性にも優れているのです。
食べて美味しく、そして身体にも良いレーズン。皆さんもこの秋に何かレーズンを使ったお菓子やパンを考案されてみてはいかがでしょうか。



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