カリフォルニア・レーズン

フランスを中心とする
ヨーロッパの伝統的な
パン・菓子テクニカルセミナー

2001.4.19
講師 ドミニク・ドゥーセ氏
1961年フランス生まれ。14歳でパン職人になり、18歳で洋菓子とパンの両方の技術者としてフランスの国家試験に合格。1986年に来日。鈴鹿サーキット内のフラワーガーデンホテルにベーカリーのシェフとして勤務。1992年、鈴鹿市内にフランスパンと洋菓子の「ドミニクドゥーセの店」を開店。現在、三重・愛知・静岡県に直営店とFC店をあわせて10店舗を経営。TV番組「TVチャンピオン」にてパン職人選手権のチャンピオンを2連続獲得。

 カリフォルニア・レーズン協会が主催する、カリフォルニアレーズンを使った洋菓子とパンの新商品開発のための講習会が、4月19日(木)東京・4月24日(火)大阪で開催されました。そこでパナデリアは、19日に行われた東京会場『東京製菓学校』での講習会に参加させていただきました。

 講師がドミニク・ドゥーセ氏と知って、おそらく講習会中はフランス語が飛び交い、通訳付きの講習会…となるのではと思いきや、なんのなんのとても上手な日本語で、冗談を交えながらの講習会となりました。
講習時間は13:00〜17:00(予定)と限られていて、その中で14品目を紹介するのはかなりの難題!もちろんデニッシュ生地やタルト生地、パイ生地などあらかじめ前段階で仕込めるものは、すでに仕込んでありましたが、それでもやはり限られた時間内に14品というのは、どう考えても大変そう!…などと人ごとながら心配!。でも、さすがです。シェフは手馴れた手つきで次々と14品の仕事をこなしていきました。そして、そういうプロの手際の良さを目の当たりにできるのも、この講習の醍醐味かな?…なんて、思ったりもします。

さて、その手際の良さの中でも、更にひときわ目を引いたのが、クロワッサンの成形の見事さ!!。二等辺三角形の頂点を引っ張り、両辺を外側に力を向けてクルクルとまいていき一つ、二つ…少し目を離したら天板一枚分のクロワッサンがあっというまに出来あがっていました。

 ドミニク・ドゥーセ氏は数日前にフランスから日本に帰ってきたばかりとのこと。「フランスではレーズンを使ってお菓子を作ることは、あんまりないんです。フランスでレーズン…ぶどうというとやはり"ワイン"になりますねぇ。でも、考えてみました。」ということで、今回全部で14品目、パン7品、お菓子7品を考えたそうです。

その中で、「来年のバレンタインデー用に、うちでも考えている商品なんで真似しないでね!」なんてセリフを交えて、その秘密の味わいを教えてくれたのが「レーズンの葉巻」。このチョコレートはとても美味しかったです。でも、他のパンやお菓子のレシピはしっかりと数値が記載されていたのに、その葉巻チョコのレシピには、素材の分量が"適量"と書かれているだけ……。やはり極秘か!(笑)。残念! 皆さんにもレシピをご紹介できれば良かったのですが…。でもきっと、来年のバレンタインデーには「ドミニク・ドゥーセの店」の店頭に並ぶはずなので、興味のある方はその頃、お店へどうぞ!








〜 今回教えていただいたパンとお菓子 〜

〜 パン 〜
ガレットりんごとレーズン、カルヴァドス風
カットしたものを家に持ち帰りましたが、1日たって食べたほうが美味しいのではないかと思いました。確かにパイ生地のサクサク感は、初日よりも失われてはいましたが、一層一層のハラハラとした薄い層は残っていて、全体の味がなじんでいて、こちらのほうが美味しいような気がします。
レーズンとあんずのパイ
フィリングのレーズンとあんずの甘酸っぱさが生きていて、サクサクの香ばしいパイ生地との相性がとても良い。
レーズンとココナッツのクロワッサン
センターに巻き込まれているレーズンとオレンジのジャムが、クロワッサンの生地と良く合っていてとても美味しい。上にはココナッツとグラニュー糖がトッピングされていて味をひきしめています。
シノワオレーズン
クロワッサン生地に塗られているカスタードが、生地のコクをいっそう深めている。レーズンの甘みや酸味が程よいアクセントになっています。
パンオレーズン
クロワッサン生地の甘みとレーズンの甘みが濃厚な美味しさを生み出しています。レーズンが少し固めなので食感が良い。

レーズンのフレンチトースト
全体的にまったりした味わいが、レーズンを入れることによって引き締まる感じがします。オーブンで焼いたものとフライパンで焼いたものを食べ比べてみたが、フライパンの方が美味しかった!


タブレのキッシュ
残念ながら試食はありませんでした。


〜 お菓子〜
イタリア風ビスケット
粉の香ばしさとアーモンド、レーズンの相性が良く美味しいビスコッティ。砂糖に黒糖が使っているのでコクがあります。
ウイスキーのビスケット
普通のパウンドケーキよりも生地のきめは粗めだけど、生地のポソっとした感じとウイスキーの風味、レーズンが合っていて美味しい。
ガストンのノルマンディー風タルト
タルトタタンに似た味わい。レーズンがリンゴの美味しさを引き立てています。
リンザーのタルト
リンツァートルテというとフランボワーズのジャムを想像してしまうが、これはレーズンのジャムで作られています。コクがあって酸味も生きていて美味しい。
カリフォルニア
タルトの中のダマンド生地にレーズンがまるごと入り、さらに上にはレーズンのババロアがのっている。ババロアの表面にはエアスプレーでチョコレートが吹きかけてある。レーズンの味わいが意外とあっさり感じられ、美味しい生ケーキでした。
レーズンの葉巻
お勧め!レーズンのはいった葉巻型のチョコレート。来年のバレンタインにはお店で販売されるということなので皆さん、是非買って食べてみてくださいね。
レーズンのトルグール
残念ながら試食はありませんでした。