カリフォルニア・レーズン

菓子・デザート 新製品開発
テクニカルセミナー

2001.7.17

恒例のカリフォルニア・レーズン協会主催のセミナーが、東京高田馬場にある「東京製菓学校」で開催されました。今回のセミナーはこの会場の他、大阪会場でも開催されました。講師は東京世田谷の『パティスリーナオキ』オーナーシェフの長谷部直生氏と、同じく世田谷の『コンディトライ・ニシキヤ』オーナーシェフの西田喜孝氏です。真夏日の続く東京、食欲がなくなるのが、普通の正しい(?)人間のはずですが、ここに集まったのは、全員が夏バテなんか関係ない!・・という人達ばかり(勝手に決めてごめんなさい)。みなさん、一生懸命シェフのデモンストレーションを見、大切な話は聞き漏らさず、質問もどんどん出て、そしてもちろん試食も片っ端からたいらげ…(下品な言い方でごめんなさい)…とにかく、活気あふれる講習会となりました。


西田喜孝シェフ
さて、肝心な講習会の内容ですが、これまた恒例「レーズンのできるまで」のビデオを見た後、まず西田シェフの講習会からスタートしました。「こう暑いとやはり店はだめですねー。」と、先ほどの私の発言を裏づけるようなお言葉。そして、「講習会はあまりやらないので緊張します。」とのこと。とは言いながら、てきぱきと手を動かす姿はやはり職人。「ジュマロフ」という変わった名前のお菓子の名前の由来はなんと、使われている素材のフロマージュをさかさに読んだだけ…などという茶目っ気のあるお話を伺いながら、講習はどんどん進んでいきます。素材の話、たとえば夏場と冬場のたまごの違いとか、やはり生クリームについてのこととか、作り方のポイント以外のお話を間に挟みながらの講習は、参加者の皆さんからの積極的な質問とともに、けっこう時間をオーバーしそうになるくらいの充実ぶり。試食なども交え、本当に時間がオーバーしそうになったところで、いったんお休みを入れ、次は長谷部シェフの講習です。


長谷部直生シェフ
長谷部シェフは本当に職人さん・・という感じで、必要なこと、大切なことをポツポツと話してくださる・・という感じでした。もちろん、手のほうはすばやく動いているので、手元からは目が離せません。どんなお菓子を作るときでも使う大切な動作「まぜる」。それについて、だまが出来ないような混ぜ方、口溶けが良い混ぜ方などの説明を加えながら講習は進んでいきます。その他、「マドレーヌの生地を普通は一晩寝かすと落ち着くところを、篩で漉すことによって、適当に空気が抜ける」とか、「コーヒーを使ったお菓子では、レーズンの味を殺さないようにコーヒーの味を控えめに」・・などというポイントを聞き逃さないようにと、こちらも真剣そのもの。(あっ、西田シェフのときも真剣でしたよ。念のため)…ということで、手際よく終わった長谷部シェフの講習。もちろん試食もしました。教えていただいたお菓子、試食のコメントなどは、下でご紹介しますので、ご覧になってください。講習会を終え、おなかもいっぱいになって東京製菓学校を出ると、夕方とは言いえやはり外はまだまだ暑い。「あーーぁ、夏バテしたいなー。」などとつぶやきながら、駅までの道を歩くパナデリアでした。



チョコレートのブラウニー
とても軽い食感。口溶けの良い少し変わった感じのブラウニー。
(西田喜孝シェフ)

チョコレートのブラウニー

ジュマロフ

ジュマロフ
クリームチーズの酸味の中にレーズン、アプリコットの甘酸っぱさがアクセントになっている。アーモンドなどのナッツ類の食感も楽しいお菓子。
(西田喜孝シェフ)
お米のタルト
上のフレッシュな生クリームが、コクのあるタルトの味わいをマイルドにしている。タルトがサクサクしていて美味しい。
(西田喜孝シェフ)
お米のタルト

キャフェ オ レザン


キャフェ オ レザン
ラム酒のきいたレーズンのムースとコーヒーのムースとの相性がよいお菓子。ジェノワーズの味、食感ともにしっかりとしているが、全体的に口溶けが良い。
(長谷部直生シェフ)
レーズンとくるみの焼き菓子
目の詰まったしっとりとした重めの生地。甘さもしっかりとあるので、とても深い味わいにいなっています。
(長谷部直生シェフ)
レーズンとくるみの焼き菓子

レーズン風味のマドレーヌ
レーズン風味のマドレーヌ
しっとり感のある生地でレーズンの旨みが凝縮されたマドレーヌです。
(長谷部直生シェフ)