パナデリアでもずっとお世話になっている紅茶のお店、吉祥寺の「ティーブレイク」が、同じ吉祥寺に、紅茶とスイーツをいただけるお店をオープンしました。その名も「チャイブレイク」。先日、新しいお店で行われたオープニングパーティーには、お祝いのお花がいっぱい。改めて、ファンの多さを感じました。当日の様子をレポートします。


エントランスには、待望のオープンを祝うたくさんの花が


「いつかは、紅茶をその場で気軽に飲んでいただけるお店を出したいと思っていたんです」と、嬉しそうな笑顔で語るのは、オーナーの水野さん。念願かなったこのお店、物件に巡り合った時から、深い縁を感じたそうです。


オーナーの水野学さんと奥様


「いろいろな物件を見て、もう諦めかけていた時に巡り合ったのがここなんです。聞けば、もともと45年も続いていたコーヒー専門店があったというではないですか。まだ美味しいコーヒー豆が簡単には手に入らなかった頃から、真剣にコーヒーに取り組んでいた店で、私は存じ上げなかったのですが、業界ではとても有名だったとのこと。そんな、ものを追求する気持ちにも通じるものを感じましたし、それがコーヒーと紅茶というのも、なんだか縁があると思わされました。さらに、建物のできた年月を聞いたら、昭和43年の10月。僕の生まれと同じだったんですよ(笑)」


紅茶を楽しむのはもちろん、本を読んだり、おしゃべりをしたりと、
思い思いにくつろげる、落ち着きの空間。奥にはテーブル席もあります



ダークブラウンで、シックにまとまった新しい店内に、そのコーヒー店“モカ”時代、入口のドアにあったという、店のマークを描いたすりガラスがインテリアとして残されていました。この粋な発想に、オープニングパーティーに来てくれたという、かつてモカを経営していた方も、感慨深い表情をしていたそうです。


静かに店内を見守る“モカ”のすりガラス


あちこちに、水野さんがスリランカで入手したアン
ティークが。これは、スパイスを挽くための道具



さて、そんなストーリーのある素敵なお店でのパーティーでは、まず到着すると、スパークリングワインとアイスティーが振る舞われました。さすが、アイスティーは香りがよくてとてもおいしい! 到着したての体を、すっと心地よく潤してくれました。テーブルの上には、小さなロールケーキや、シフォンケーキ、クスクスやサーモンサラダ、キッシュなどの軽食も並びます。それをサーブしてくれたのは、なんと“オーブンミトン”の小嶋ルミさん。
聞けば、小嶋さんのところで働いていた方が、このお店の厨房に入るのだとか! 通常営業が始まると、スイーツを中心に、軽食もとれるスタイルになるそうです。
この日に登場したすべては、喫茶店レベルをはるかに凌駕した味。どれも文句なくおいしく、紅茶を飲みつつ、欲張って、あれもこれもとパクパク食べてしまった私たち。オープンしてからのスイーツと食事に、ますます期待が含みました。


ダージリンの水出しアイスティー。
驚くほど豊かで華やかな香りが楽しめます



2番目に出てきた温かい紅茶は、ダージリンのセカンドフラッシュ。セリンボン農園という、品質の良さで名を馳せるところのものです。そんな品質の高いものを、さらにきちんとした手法で入れてくださると、やっぱりずば抜けておいしいんですね。さすがだなあと感心してしまいました。バニラの香る生姜のプリン、イチジクのタルトと、次から次へとおいしいものも登場。


“新生姜のキャトルキャー”や“スパイスボール”など。チャイとの相性も抜群


そして3番目の紅茶は、煮出したミルクティーでした。ほんのりスパイシーで、体がリラックスするような、温かさとまろやかさ。そういえば、店名は"チャイブレイク"。こういう紅茶を中心に据えているのかしら? と、聞いてみると、 「"チャイ"とつけたのは、気軽に紅茶を飲んでもらいたいという気持ちをこめてのものなんです。紅茶はまだまだ敷居が高いと思っている方が多いのが現状。インドの日常にチャイがあるように、もっと紅茶が普段の生活にとりこまれるといい。そんな想いなんです」


おうちでもおいしいチャイを、という方には“マサラチャイ
セット”もおすすめ。スパイスの香りの良さが違います!



紅茶のメニューを見せてもらうと、1ページ目には、こうしたミルクティーがありました。そのあとには、スタンダードな紅茶が、種類を絞って、並んでいます。 「どれを選んでいいか分からない、というようなリストにはしたくなかったんです。たとえば、ワインリストも、あまりぶ厚いと、よく知らない人は選ぶのに困ってしまいますよね。赤白それぞれ2種類くらいで、"軽いのと重いのです"というくらいなら、慣れていない方だって、今日の自分の気分で選べますよね。それくらいの敷居の低さにして、おいしいケーキなどとともに、まずは難しいことを言わず、楽しんでもらいたい」


ずらりと並ぶ紅茶。おうち使いはもちろん、
ちょっと気の利いた手土産にもぴったり



とはいえ、ティーブレイクがはじめたお店と聞けば、ストイックに紅茶を追求したり、この店らしいセレクトの珍しいものを飲みたいという人もやってくるのでは?
「確かにそうなんです(笑)。そんな方のためには、最後のページに、ディープなリストがあります」

店内では、もちろん紅茶の販売もあります。カウンター席とテーブル席があって、友達とおしゃべりしながら時間を過ごす場にも、そして一人で訪れ、ゆったり時間を過ごしたい時にも良さそうです。
吉祥寺を訪れたら、是非、足を踏み入れてみてください。きっとあなたの癒しの空間になりそう!


(2009.11) 



 チャイブレイク
 東京都武蔵野市御殿山1-3-2
 TEL: 0422-79-9071
 11: 00 - 20: 00 (土日祝 10: 00 - 20: 00)
 カウンター/テーブル21席(全席禁煙)
 定休: 火曜 (火曜が祝祭日の場合は水曜に振替)
 JR中央線・総武線、京王井の頭線、吉祥寺駅から徒歩3分
 http://www.chai-break.com/






※このページの情報は掲載当時のものです。現時点の情報とは
 異なる可能性がございますのでご了承ください。