パリの名ショコラティエ『ラ・メゾン・デュ・ショコラ』。日本で唯一のブティックが、表参道ハナエモリビルの1階にあるのはご存知の通り。 去る11月19日(火)、このビルの5階にあるレストラン「ル・パピヨン・ド・パリ」で、ラ・メゾン・デュ・ショコラの新作発表会が行なわれた。創始者であるロベール・ランクス氏も来日し、新作の試食とともに氏自らがその場で作ったガナッシュとショコラショーが振る舞われたのである。


新作『グアラナコ』は最高級カカオと極上ワインを組み合わせたショコラの詰め合わせ。ソーテルヌ(白ワイン)風味のミルクガナッシュ、ベネズエラ産とジャマイカ産カカオのプレーンなビターガナッシュ、ポイヤック(赤ワイン)風味のビターガナッシュの3種類だ。
それぞれの相乗効果でより美味しくなるため、今紹介した通りの順番で食べるというお約束がある。最初の一粒は、ハチミツのような柔らかい甘さと柑橘系のほのかな風味。その余韻を楽しみつつ次の一粒を口に入れれば、プレーンのガナッシュの力強さが広がる。どこまでもピュアな味だ。最後の一粒は赤いフルーツの風味がまるで香水のよう。しっかりコクがありながら上品な味わいで、最後はカカオのナチュラルな余韻で締めくくられる。 素晴らしく上質な3粒、なんとも幸福の数分!


ランクス氏は、「ワインと組み合わせるなら世界最高級のものを」と、ドメーヌ・バロン・ド・ロッチルド社のものを選んだそうだ。ドメーヌ・バロン・ド・ロッチルド社とは、かの有名なムートンやラフィットを作っているところ。だが、この最高級の組あわせ、最初から上手く行ったわけではないらしい。「ワインの酸味がクリームを分離させ、一粒のチョコレートになるまでは苦労の連続だった」という。それを乗り越えて「今ではとっても満足のいくものとなった」と自信に満ちた笑顔で語る。
そして今回、ワインと合わせるクーベルチュールにはエクアドル産とトリニダート産、プレーンにはベネズエラ産とジャマイカ産のカカオを使ったことについては、「合わせるものでカカオの持つパワーを考えた」結果とのこと。こだわり抜いた末の組あわせと味なのである。

この商品は11月25日から発売中。気になった人は今すぐブティックへ。そして一世を風靡したあのチョコレートドリンクもリニューアルされ販売を再開したので、こちらも店頭でチェックしたい。

そうそう、ランクス氏自らが鍋を握って作ってくれたガナッシュとショコラショー。美味しくないわけがない。出来立てのガナッシュは本当に風味豊か。素材の持つ力と味がこれでもかというほど伝わってきた。

それにしてもこんなにチョコレートを食べてちゃってカロリーが心配とも思ったが、スリムなランクス氏の「余分な油脂や糖分は入っていないから大丈夫です」という言葉を信じ、お土産にいただいたグアラナコも翌日と翌々日でぺろりと食べてしまった。15粒ほどあったのだが、当然のように3粒1セットで食べていたらあっという間になくなってしまったというわけだ。