アイスワインってご存知ですか?もしかして凍ったワイン?シャーベット状のもの?と思った方、いえいえ、違います。“アイス”のわけは、ワインの作り方にあるのです。一般的なワイン用葡萄の収穫時期が秋であるのに対して、アイスワイン用葡萄のそれは冬の寒い季節。冬を過ごす葡萄は凍結と解凍を何度も繰り返すことで水分が少なくなり、旨みが凝縮されていきます。そしてマイナス7℃という寒さの中、凍ったままの状態で収穫、その後すぐに圧搾されます。こうすることで甘みや香りが凝縮された独特の味わいが生まれるのです。このアイスワイン、生まれ故郷のドイツでは高級なデザートワインとしてよく知られた存在ですが、日本ではまだまだそこまで浸透していないのが現状のよう。そこで、ドイツアイスワインの楽しみ方を知ってもらおう、との想いから今回の試飲会が開かれました。仕掛け人はドイツワイン基金駐日代表部。なんでも、アイスワインと共に“高貴なフィンガーサイズのデザートなど”も供されるのだとか。デザートと聞いたら、お酒が弱い?パナデリアだって黙ってはいられません。早速、会場となったドイツ大使館に行ってきました!


(写真左)駐日ドイツ連邦共和国大使のハンス=ヨアヒム・デア氏 / (写真右)ドイツワイン基金駐日代表部代表の大島愼子さん


ドイツ大使館があるのは、閑静な高級住宅街として知られる広尾。受付で挨拶を済ませると、早速ゲストひとりひとりに乾杯用のゼクト(スパークリングワイン)が振舞われます。

「アイスワインはドイツで発明されたもの。ドイツでは最高級のワインとして高く評価されています。今日は最高品質のものをご用意しておりますので、どうぞ特別な飲み心地をお楽しみ下さい」

と駐日ドイツ連邦共和国大使のハンス=ヨアヒム・デア氏。

ボトルも味わいもさまざまなワインが並びます

オーガニックアイスワインもお目見え

グラスを片手に気になるワインをチェック


続けてドイツワイン基金駐日代表部の代表、大島愼子さんからの乾杯の挨拶と共に、いよいよ試飲会がスタート。20社のワイン輸入商社が一同に介し、合計30種類に及ぶ自慢のアイスワインが披露される中、パナデリアもワイングラスを片手にいざ出陣!収穫量が少なく、希少価値の高いドイツアイスワインは一般のワインに比べて高級なものが多く、中には3万円!もするという高価なものも並んでいます。もちろん、しっかり堪能させていただきました。これまではアイスワインというと甘いデザートワインという漠然としたイメージしかありませんでしたが、これがなかなか奥深いもの。甘さの中にも、フレッシュで爽やかなものからコクのあるまったりとした深みのあるものまでとてもバリエーション豊か。

「数種類の葡萄から作られるドイツのアイスワインは種類も豊富で個性豊か。食後に良く冷やして、ブランデー感覚で楽しめるんですよ」

とある輸入業者さんのお話。食後のデザート代わりにいろいろ飲み比べて見るのも面白そうです。


アイスワインに合わせて作られたフィンガースイーツ。気軽に手でつまんで、ひと口飲んで・・・なんて危険な組み合わせ?!


でも、ちょっと待って!デザートと言われたらパナデリア的にどうしても気になってしまうのがスイーツの存在。アイスワインとスイーツとの相性はどうなんでしょう?

「アイスワインのとろけるような甘さはスイーツやチーズにもぴったり。スイーツの味わいや香りに近いワインを組み合わせていただくのがお薦めですね。例えば「リンゴとアプリコットのシュテュルーデル」にはピーチやアプリコット、アカシアの花などの果実香が漂う「04Alzeyer Wartberg Silvaner Eisweinアルツェイヤ ウォルツベルク シルヴァーナ アイスヴァイン」を、それから焼き栗のタルトには深みとまろみの中にスパイシーな香りが複雑に織り成す「02Koenigschaffhauser Hassenberg Gewuurztraminer Eisweinケーニッヒシャフホイザー ハッセンベルク ゲヴュルツトラミナー アイスヴァイン」というように」

なるほど。甘いスイーツに甘いワインってなんだかくどそう・・・なんて先入観は、いただいた途端に吹き飛んでしまいました。ワインのふくよかな香り、そしてとろーりとした甘さの中に潜むすっきり感がデザートのおいしさをいっそう引き立ててくれます。他にもプラリネやチョコレートなどもお薦めなのだそう。これは危険な楽しみを知ってしまった!

ユーハイムからは魅惑的なワインバウムクーヘンが登場(伊勢丹限定)


更に、ドイツのアイスワインを使ったという贅沢なスイーツまで発見!その名も、「ワインバウムクーヘン」。しっとりやわらかな生地から甘く芳醇なアイスワインの香りがふわっと漂う逸品。これならワイン好きにも喜ばれそうです。

フランスの貴腐ワイン、ソーテルヌに漬け込んだレーズンをチョコレートでコーティングした「ショコラ・ド・ソーテルヌ」。アイスワインとも好相性。


ワインを飲んでスイーツを食べて、それからワインをもうひと口・・・なんて続けている間にすっかりほろ酔い状態になってしまったパナデリア。おかげさまでワインとスイーツのマリアージュをたっぷり堪能させていただきました。皆さんも、お気に入りの組み合わせを見つけてみてはいかがですか?(2007.01)



ドイツワイン基金駐日代表部
http://www.dwfjp.com