"憧れのパティシエが、自分のためにデセールを作ってくれたら・・・"
スイーツ好きなら、誰もが夢見るであろうそんな願いをかなえてくれる、素晴らしいイベントが開催されています!
そんな飛び切りのデセールを作ってくれるのは、《パティスリー パリセヴェイユ》の金子美明シェフと《パティスリー デフェール》の安食雄二シェフ!言うまでもなく、実力、人気さらにはその人柄も含め、日本を代表する素晴らしいパティシエです。

"8日(木)だけは2人のシェフがコラボレーションで作るデセールが食べられる"
このビックニュースが耳に入ってきてからというもの、パナデリアスタッフは皆ソワソワしていました。それもそのはず、取材となれば行けるのはせいぜいひとりかふたり。取材の担当になれない=食べられない・・・(涙)!いったいどうなることかと、気が気ではなかったのです。

そして当日。
パナデリアの出した答えとはいったい・・・?!


特大ポスターが立てかけられていました!

そうです、行ってしまいました。なんと、スタッフ全員で!(ちゃんと仕事はしているんですよ!)
スタートの11時ちょっと前に到着すると、なんとそこには、すでに30人ほどの行列ができていました!




限定100食限り!お昼にはすでに午後の部に並ぶ人の姿も


数日前、取材の申し込みをした時には担当者の方が、
「大丈夫です。さすがに平日の午前中ですから、それほどは並ばないと思いますよ」
と、おっしゃっていたのですが、やっぱりスイーツファンの熱意はすごかった。改めて、金子シェフと安食シェフの人気を実感!

「すみません〜!昨年はここまで混まなかったものですから。申し訳ないですが、並んでいただけますか?」
と、東急百貨店 バイヤーの藪崎さんに言われて、列の最後尾へ。
すると、見慣れた顔があっちにもこっちにも! さすがはパナデリア会員、偉いぞっ!



期待と緊張の高まる、贅沢なカウンター席


饗宴の舞台となるのは、わずか6席だけのカウンター。目の前で、金子シェフ、安食シェフがデセールを盛り付けてくれるという至福のひと時です!
いち早く食べ終わったパナデリア会員に感想を聞いてみると・・・
「おいしかった〜!もう一回並びたいくらい!!」
「シェフがデセールの1つ1つを丁寧に説明してくれて、感動でした!」
と、そのおいしさと感動に、頬がほんのり紅潮しているのが印象的でした。

うーん、早く食べたい!!
そして、待つこと2時間。時計の針は1時を指し、すでに空腹感も麻痺し始めてきたそのとき、順番が回ってきました。



手際よく作業を進める安食シェフ。笑顔が決まってます!


「お待たせしました」
キビキビと手を動かしながら、こちらを見て微笑む2人。朝から作り続けてお疲れだろうと思いきや、活気に溢れた楽しさに満ちた空気がそこにはありました。




冷たいものは冷たく、温かいものは温かく
うーん、贅沢!


「このイチゴはちょっと面白いんですよ。まず、イチゴに砂糖をかけてラップをして湯煎します。そのジュ(果汁)で別に作っておいたキャラメルをデグラッセ※するんです。そこにバルサミコ酢を加え、フレッシュバジルとイチゴを加えて一晩なじませたものなんです」
と金子シェフ。ほどよくマリネされた小粒のイチゴが、グラス・バニーユの上に盛り付けられていきます。
※ デグラッセ:水、酒類で鍋の底についた焦げ汁をかき取りながら薄めること




細部まで丁寧に。プロの手つきには見とれるばかり!


「これは、アーモンド、ヘーゼルナッツ、そしてピスタチオの3種類のナッツを混ぜたソースです」
と安食さん。ピスタチオのグリーンのせいか、少し黄みがかった茶色の艶やかなソースを、ビスキュイ・ショコラ・ザマンドの上に飾ります。
寡黙な印象の金子シェフと、笑顔のまぶしい安食シェフ。どこか対照的でありながら、息がぴったりと合っている様子がこちらにも伝わってきます。
「僕は金子さんのファンなんですよ。金子さんのケーキは全種類、たぶん4回ずつは食べているんじゃないかな?だから、とても嬉しいんです」
自宅も近く、プライベートでも仲の良い2人。夏には、一緒にバーベキューをする話も出ているとか。「デセールの構成ですか?はい、2人で考えました。9割は雑談でしたけどね(笑)。僕がフルーツ、安食さんがチョコレートとテーマを決めています」
と金子シェフ。



休む間もなく、作業を続けます


そうこうするうちに、お2人に作っていただいた一皿が完成しました。
「どうぞ、お待たせしました!」
差し出された白いお皿の上には、ため息のでるような美しいデセールが4種。アイスクリームや温かいものなど、通常は絶対に食べられないものばかりです。




「お待たせしました!」
シェフ自らサーブしてもらう幸せ!






アシェット ドゥ フュジィオン
\2,100(税込)


現代風バシュラングラッセ
黒胡椒風味 赤いフルーツとバルサミコ酢のソース(中央奥)
〜 金子シェフ 〜

「メレンゲは、少し色付くようにしっかり焼き、固めに仕上げました」
表面を飾るエレガントな細身のメレンゲには黒胡椒の隠し味が。そして、スプーンを進めると生クリームの下からは、バジルがフワッと香るイチゴとバニラアイスクリームが現れます。そして、もうひとつの隠し味が別に添えられたシロップ。イチゴのフルーティな酸味とコクのある甘みが加わると、パフェのやさしい味わいがキュッと引き締まり、甘・辛・酸が複雑に絡み合った大人の味わいに変身します!やさしい味わいながら、メリハリのある力強い味わいは金子シェフならでは!


ライム風味のチュロス(左手前)
〜 金子シェフ 〜

気軽な食べ物というイメージを一新してくれたのがこのライム風味のチュロス。揚げたてのサクッと軽い食感の後に、なんとも清々しいライムの風味が広がります!パティシエならではの繊細な技が光るチュロスは、卵の香りたっぷりで、ふんわりジューシー。ライムの香りを組み合わせた金子シェフのセンスに脱帽です。



チョコレートとバナナのヴィッション アマレットとエスプレッソの香り(右手前)
〜安食シェフ〜

艶やかなショコラと層をなしたフォルムが美しい。フォークを口に運ぶと、ガツンと苦味の効いたエスプレッソの風味、そして力強いアマレットの香りが広がります。この強い味わいをやわらげてくれるのが、間に忍ばせた丸秘アイテムの冷凍バナナ!甘ったるくなりがちなバナナですが、きっちりと冷やすことで、スッキリと風味がよく、さらに食感も楽しめます。さらに、3種類のナッツのペーストが全体にまろやかなコクを与えています。安食シェフらしい、アイデアたっぷりの作品!


チョコレートのフォンダン(右奥)
〜安食シェフ〜

フォンダンにフォークを入れると、フワッと温かく、しっとりやわらかなチョコレートの生地が現れます。濃厚そうに見える生地は、チョコレートの酸味と苦味がしっかりとあり、キレのある味わい。
「サオトボとは、チョコレートの配合も変えているんですよ」
との言葉通り、フォルテッシマとジバラを使った生地には、今までにない力強い香りとやさしさが共存しています。
「アイスクリームは、パスティス(アニスのお酒)を加えています。アングレーズソースではなく牛乳をベースにしているので、ジェラートのようにサラッとしていると思いますよ」
サラッとはかない口どけに加え、フワッと香るアニスの風味。ベースの力強さに、コリコリと歯応えの良いナッツのコク、そして上のアイスクリームとの出会い。風味が幾重にも広がっていく、この場所でしか味わえない贅沢な一品です。




残念ながら、2人のコラボレーションはこの日限り。でも、金子シェフ、安食シェフ、それぞれがこの企画のために造り上げた特別なデセールは来週水曜日まで楽しめます。
スイーツ好きならずとも、興奮してしまいそうなこの企画。この贅沢は、絶対に一度味わう必要ありですよ!



《イベントの詳細》

「パティスリー パリセヴェイユ」金子美明シェフによるデモンストレーション
期間:2006年6月9日(金)〜11日(日)
「パリセヴェイユ 2006年チョコレートの皿| 税込み\1,200(各日50点限り)
キャラメル風味のチョコレートドーム、キャラメルサレのアイスクリーム、チョコレート風味のミネラルウォーター

期間中は全3種類のメニューが登場します。
「最初はバナナで、そのあとココナッツが香り、最後はライムの風味になる、そんなソルベも登場する予定です」と金子シェフ。土日は特に混み合いそうなので、お早めに!

「パティスリー デフェール」 安食雄二シェフによるデモンストレーション
期間:6月12日(月)・13日(火)
「ハニーハント」| 税込み\1,050(各日50点限り)
グラスヴァニーユとはちみつのムース、フルーツのコンポート、メープルシュガーをしみこませたブリオッシュ
期間中は全3種類のメニューが登場します。
「発酵生地で作るワッフルを考えているんです。ハチミツのムースを添える予定なんですよ」と安食シェフ。平日2日間のみなので、仕事のある人はこっそりお休みするしかないかも!?



どうしても行けない!という方に嬉しいお知らせです。
フードショー内のジス・ウイーク1に、通常のケーキ類を扱う「パティスリー パリセヴェイユ」と「パティスリー デフェール」が登場しています。
詳しくは、フードショーのサイトをご覧下さい。
http://www.tokyu-dept.co.jp/foodshow/t/sp_event/index.html