ジャパン・ケーキショー東京

東京都立産業貿易センター浜松町館
2000年10月5日〜7日

昨年までは「東日本洋菓子展」としてご紹介していた、パティシエや製菓学校の方達が日ごろの技を競った展示会が、今年からは「ジャパン・ケーキショー東京」と名を改め、10月5日から7日までの3日間にわたり開催されました。場所は去年と同じく東京都立産業貿易センター浜松町館で、3階と4階の二つのフロアで開催されました。新しく付けられた名前からもわかるように、今年からは東日本だけでなく、全国規模の参加者を集めた展示会になりました。そして、もう一つ昨年と違うところは、「シュガークラフト工芸菓子」が独立してブースが設けられていたことです。

2000年度「ジャパン・ケーキショー東京」でゴールデングランプリを受賞したのは、「味と技のピエスモンテ」で、大阪リーガロイヤルホテルの若林繁シェフの作品。飴の色使いや艶が見事な、芸術的でとても上品な作品でした。
「マジパン仕上げデコレーションケーキ」や「バタークリーム仕上げデコレーションケーキ」の作品はそれぞれ個性豊かで、これが規格どおり全部食べられる素材で作られているということに、改めてびっくり!!。今回、特に印象的だったのが、「歌舞伎」や「ねぶた」など日本の文化をテーマにしたものがわりと多かったこと。どれもが表情が豊かで、食欲の秋・・というより芸術の秋を感じさせる作品ばかりでした。

 その他にも、工芸菓子として、「大型工芸菓子」「小型工芸菓子」「チョコレート工芸菓子」では、見事な作品の数々、「コンフィズリー&クッキー」では、ちょっとつまんでみたい・・という欲求を抑えるのに苦労するほど美味しそうな作品が・・、そして、「ジュニア部門」においては、これからの日本の洋菓子界を担う未来の名パティシエの卵たちの作品にただただ感心するばかり。会場内には、製菓学校の学生さん達の姿もたくさん見かけ、なんとなくうれしくなってしまいました。
 そして、こんな言い方はすごく生意気ですが、それこそ名前も知らない(単なるパナデリアの勉強不足の感はありますが。)お店のパティシエの方たちが、たくさんのすごい!!作品を作っているのを見て、「本当はみんなすごいんだ。これくらいできないとお菓子屋さんで働くことはできないんだ。」と、変に納得したり、自信喪失したりするパナデリアでした。

同じ4階のフロアの情報発信コーナーでは、「マンダリン・ナポレオン・コンクール2000」国内1位及び、「ジャパン・ケーキ・グランプリ2000」国内1位受賞者によるデモンストレーションが行われました。パナデリアが取材に行った6日は、「マルメゾン」の大山シェフの司会によりグランプリ・インターナショナル・マンダリン・ナポレオンコンクールに出場し第1位を受賞した潟Nールアースの山本誠児シェフによる飴細工が披露されました。

さて4階を堪能した私たち、次は3階へ。ここは、製菓材料業者を中心としたフロアになっていました。今年、中沢乳業から出された商品で面白いものがあったのでご紹介しましょう。ホイップするとヨーグルトクリームができるという「ヤオルトシャンティ」という発酵乳製品。クリームとヨーグルトの特徴を合わせ持ち、味はクリームのコクとヨーグルトの酸味が感じられるもの。なんといってもホイップするだけでヨーグルトクリームになるというのは簡単でうれしい。ただし業務用のミキサーなどで強くホイップする必要があるので、まだまだ業務用ルートでのみ発売とのこと。ちょっと残念ですね。

そして3階には、洋菓子協会の技術指導部のシェフたちによって厳選されたケーキが食べられる喫茶室が設けられていました。そのケーキのルセットが掲載された「洋菓子最先端2000」という本も入り口で発売されていましたが、なんとその本の後ろには何人かの有名シェフのお姿が…。この展示会の会場案内に「超一流のパティシエが洋菓子に関することなら何でもご相談にのります。」・・と書いてありましたが、あまりに一流シェフすぎて、こちらも超一流の知識がないと聞けないよね・・なんて思ってしまったのは、私たちだけでしょうか。

今年はシドニーオリンピックでも女性の活躍が目立ちましたが、やはり今回の展示会でも昨年、一昨年に比べ女性のパティシエの方の入賞が目立っていたように思います。今後はさらに女性の進出、活躍が期待できるのではないでしょうか。

今回から全国規模での展示会ということで、日本全国、北から南までたくさんの洋菓子店、ホテル、学校などで活躍されている方の作品を拝見しました。毎年、皆さんの技術の高さには感動させていただいていますが、さらに来年はもっと充実したレベルの展示会になるのでは・・と今から来年が楽しみになっています。

それでは、作品をいくつかご紹介させていただきます。

ジャパン・ケーキショー東京
の作品