秋晴れが清々しい季節がやってきました。この季節の楽しみのひとつが『パナデリアが行く』でも毎年恒例となっている『ジャパン・ケーキショー』。
今年の開催期間は10月7日〜9日の3日間、パナデリアは最終日の9日にお邪魔しました。



エレベーターを降りると、さっそく アトリエ・ドゥ・テテの崎 享シェフとパリ・セヴェイユの金子 美明シェフの姿を発見!
普段お忙しいシェフにとっては、様々な新素材に一度に出会えるチャンスとあって 色々なシェフが足を運ばれるそうです。

有名シェフによる
ガレットの数々


最終日と言うこともあってか、会場はものすごい活気!ケーキショーの目玉、作品展示のコーナーでは専門学生が先生や友人の作品を熱心に鑑賞する姿が多く見受けられました。 特にプティ・ガトーの入賞作品を集めたコーナーでは黒山の人だかりが出来ていて、ショーケースの中のケーキがのぞけないほど。Nyusho.jpg やっと見られた作品は、非常にシンプル!差し色となる1、2色をのぞき、ベースになる色は白や茶など非常にシック。形も非常にシンプルなものに、モダンな形のチョコを飾るなど洗練された印象の作品でした。最近の流行を反映しているように感じます。



連合会会長賞受賞作品

金賞受賞作品


また、創意工夫が楽しいピエスモンテですが、受賞作品に関して感じたのはなんといっても飴のツヤ!透明感のある色使いと、ツヤの美しさはまるでガラス細工のよう。特にグランプリ受賞作の、センスの良い色使いと光沢のあるツヤにはため息が出るほどでした。

チョコレート工芸菓子でひときわ目立っていたのが、馬をモチーフにした金賞受賞作品。本物のブロンズの蹄鉄風オブジェと合わせたブロンズ仕上げの馬は、そのテクスチャーの表現力、ダイナミックな構成が見事。チョコレートで出来ているとは思えない、ツヤのあるキラキラとした姿にはしばらくその場を離れられないほどの魅力を感じました。



ツヤとシルエットの
美しいグランプリ、
連合会会長賞受賞作品


ミツバチが驚くほど
リアルな、金賞受賞作品

力強さのある
金賞受賞作品


3Fの製菓材料や機械を紹介する企業ブースで印象的だったのは、産地限定のチョコレートに沢山の人が集まっていたこと。"カカオのパーセンテージで風味が違う"、そんな知識が世間に広まったのが最近のことと思っていたのに、産地による風味の違いによる個性を使い分けるとは日本人のチョコレート感覚も本当にレベルアップしましたよね。これからは、単なるチョコレートケーキでなく 素材と香りの組合せを楽しめる新しいチョコレートケーキやボンボンが出てくるのではないかと非常に楽しみです。




産地別の味の違いは表現できるか?


ヒエと粟の加工素材


今回、飴やチョコレートで作品を上手に作るという域をはるかに超え、このような表現力豊かな作品がたくさん登場していることには嬉しい驚きを感じました。フランスで培われた製菓技術を習得し、本当に自分のものとして表現できるレベルに来ている日本のパティシエ達!クープ・ドゥ・モンドでの成績を見ても日本のレベルの高さは実証済みですが、今回改めてそれを感じました。 会場に来ていた沢山のパティシエの卵たちが、これからどんな活躍をするのか本当に楽しみです。