東京都洋菓子協会が主催する「ジャパンケーキショー東京」。この年に一度のビッグイベントに今年も参加してきました!10月4日(火)から6日(木)まで合わせて3日間の中で、パナデリアがお邪魔した最終日の模様をご報告します。
(「ジャパンケーキショー」の基礎知識はこちら

午前11時。会場となっている東京都立産業貿易センター浜松町館を訪れると、入り口は既に長蛇の列ができていました。その顔ぶれを見ると、多数を占めているのが製菓学校の学生や若いパティシエらしき面々。女性も多く見られ、女性の製菓業界への進出は年々勢いを増しているようです。

会場内はどこに行っても人、人、人!



まず初めにメイン会場の4階へ。ここはコンクールに出展された作品を展示しているフロア。大型工芸菓子、味と技のピエスモンテ、チョコレート工芸菓子など、合計11部門もの作品がずらりと顔をそろえている様は圧巻です。その数なんと2200点ほどもあるというからすごい!

あまりの多さに何処から回ろうかと考えあぐねていると、パナデリアのすぐ目の前にオーボンヴュータンの河田シェフの姿を発見!そう、憧れのシェフを間近に感じられるのもこのイベントの魅力なのです。
「年々、活気付いてきているので嬉しいですね。それから、最近のパティシエを目指す人たちは、まず製菓学校で基礎を学んでからと考える人が多いようです。うちの店でも学校出身者が大半を占めています」河田シェフ


受付で見学者の方々の応対をしているのはリリエンベルグの横溝シェフ。その丁寧で熱心な仕事振りには本当に頭が下がります。




早速、横溝シェフにもお話を伺ってみました。
「今年は応募者がとても多く、2000点以上も展示してあるんですよ。会員申込者が多いことにも驚いています」



 会場に姿を見せていたサロン・ド・テ スリジェの和泉シェフは、今回のコンクールで審査員を務めた方。飴やチョコレートのピエスモンテの受賞作品について、解説付で紹介してくださいました。


「チョコはチョコらしく、飴は飴らしく、
それぞれの良さを活かして作っているものがいいですね。また、テーマがはっきりしていること、基本的なテクニックをきちんと身に付けていることなども大切なんです」



もちろん、受賞作品はどれも素敵なものばかり。でも、他の作品にも興味津々。凝ったつくりのものや派手な色使いのもの、テーマが面白いものなど個性的な作品もたくさんあります。テクニックなどの難しい話を抜きにしても十分楽しめるのも魅力なのです。


味と技のピエスモンテ部門。
とても繊細な飴使いにうっとり。
まるで本物の羽のような薄さ!


アジサイとカタツムリ。
季節感のある綺麗な色使いが印象的。
しずくが見事に表現されています。

チョコレート工芸菓子部門。
カマキリ、枯葉などが写実的に作られた作品。
動きや表情などがリアルです。
もちろん全部チョコレート。

指紋1つなく、艶々でとても綺麗な仕上がり。
極薄の花びらや球など、
テクニックの高さがうかがえます。

鮮やかな色使いで一際目立っていました。
毛並みや翼の美しいこと!
暫く見入ってしまうほど。



マジパン仕上げデコレーション部門。
こんな夢のあるケーキをもらってみたい!


ラッピング部門。
見せ方で印象ががらりと変わります。


シュガークラフト工芸菓子部門。
和のテイストでまとめあげた作品。


プティ・ガトー部門。
モンサンクレールのスタッフのもの。是非お店に並べて欲しい!


コンフィズリー&クッキー部門。
思わずつまみたくなる可愛らしさ。


作品を堪能した後は3階へ。ここは製菓に関わる企業、70社以上ものブースが設けられている「協賛企業の出展コーナー」。お酒、フルーツやナッツ、チョコレート、乳製品などの材料メーカーからオーブン、ショーケースなどの機械メーカーまでさまざまなものが展示されています。こちらも見学者で溢れていました。新製品や注目を集めている素材、機械などを見て回るのも楽しみの一つ。特に年々進化している砂糖や粉などの素材には目が離せません。

真っ赤な姿が一際印象的な
バッケンの窯


トマトのお酒。
フレッシュで爽やかなトマトの香り


合同酒精の試飲コーナー


伊那食品工業の寒天製剤「種助」。
粉に1%加えると生地がしっとり。


ナリヅカコーポレーションの「ジュペ」。
フルーツなどを高濃縮したペースト。


タカナシ乳業の「クレームエペス」。
まろやかな酸味とコクのある風味が特徴。


ミヨシ油脂の粉末油脂「マジカルケーキ」。
しっとりふんわりとした生地に。


群馬製粉の「リ・スフレ」。
原料はお米。
香ばしい風味でカリッとした歯ざわり。


先に紹介した4階のコンクール作品展示会場、3階の企業ブース以外にも、「ケーキ販売コーナー」があったり、有名シェフによるデモンストレーションが行われたりと、興味深い催しが盛りだくさん。パティシエやその卵たち以外の人でも、お菓子愛好家ならきっと満足すること間違いなしです!



2階の受け付けには
パリセヴェイユの金子シェフと
アテスウェイの川村シェフの姿が。
年々盛り上がりを見せている製菓業界。展示会場に並んでいる2200点の作品の中には、普段パナデリアがお世話になっているパティスリーの名前もたくさんありました。優秀なシェフの下で、新しい才能がどんどん育まれている証ですね。この中から未来のシェフが誕生することを楽しみにしています!





毎年恒例のジャパンケーキショーですが、そもそもどんなイベントなの?という方もいるかもしれません。そこで概要をまとめてみました。

歩み: 始まりは1979年に開催された「東京現代洋菓子作品展」。その後「東日本洋菓子作品展東京大会」に名称変更、更に2000年から「ジャパンケーキショー東京」として現在のような全国規模のコンテストになりました。
主催: 社団法人 東京都洋菓子協会
共催: 東京都/北海道・東北・関東甲信越静・北陸・中部・近畿・中国・四国・九州(各ブロック協議会)
後援: 社団法人 日本洋菓子協会連合会/日本洋菓子工業協同組合
協賛: 関連商社・報道機関
内容:

2005年の内容は次の通り

1.作品展
第1部 デコレーションケーキ
1類 マジパン仕上げ
2類 バタークリーム仕上げ
第2部 工芸菓子
1類 大型工芸菓子
2類 小型工芸菓子
3類 チョコレート工芸菓子
4類 シュガークラフト工芸菓子
第3部 プティ・ガトー
第4部 コンフィズリー&クッキー
第5部 ジュニア部門
第6部 味と技のピエスモンテ
第7部 ラッピング部門
※各部門・部類ごとに連合会会長賞(1位)、大会会長賞(2位)、金賞、銀賞、銅賞が授与されます。更に連合会会長賞の中から1点ずつ、グランプリと準グランプリが選ばれます。
      2.デモンストレーション
      3. 技術指導部の作品展示と教本の販売と技術相談コーナー
      4. 洋菓子原材料・機械・器具・包材の展示及び各専門学校案内
      5. 喫茶室開設


参考資料:社団法人東京都洋菓子協会ウェブサイト http://www.yogashi.net