バウムクーヘンで有名なユーハイムですが、現在ではパリの老舗パティスリーである「ペルティエ」を傘下に収め、ドイツ菓子の新しいブランドである「ユーハイム・ディー・マイスター」を展開するなど「原点を大切にしながら現代的な要素を取り入れていくこと」に対してとても意欲的です。毎回楽しみにしている新作コレクションですが、今回発表された新作は、まずその彩やかな色使いに圧倒!華やかな雰囲気の会場に、わくわくと胸が躍ります。 









2001年のフィリップ・コンティシーニ氏味覚ディレクター就任から3年を迎え、新しいイメージもすっかり定着したペルティエ。今回のテーマは「CUT’S COLLECTION」。カットした断面からのC*a fond(溶ける)、C*a coule(流れる)、C*a croustille(サクサクする) ・・・(C*はフランス語のセディーユを表します)を楽しむというもの。ケーキ自体にも斜めのカットが施され、食感のコントラストを持たせるなど数々の驚きが隠されています。また表参道本店のみで提供されていたお米のミルク煮を使ったデザートが、今回はグラスデザートの新作として登場。そして秋冬のお菓子の中で忘れてならないショコラの新作は「デセール・ショコラ」。チョコレートはヴァローナ社のグアナラとジバララクテを使い、香りと口溶けにこだわったなめらかなデザートです。



<<ヴェレ・カフェ>>
ヴァニラをふんだんに使ったお米のミルク煮と、コーヒーのジュレ、ブランデーがきいた栗のソースの組み合わせ。ほろ苦いコーヒーのジュレが口の中にすっと溶け、ブランデーの風味とお米の食感がアクセントになっています。和素材をフランス菓子に使うのではなく、フランスに昔からあるお菓子の中から日本人に馴染み深いお米を使ったものをクローズアップさせる。この辺りがフランスの老舗パティスリーであるペルティエらしさなのかもしれません。




<<デセール ショコラ>>
ゼリーの口溶けの良さとムースの滑らかさを併せ持ち、水羊羹にも近いような食感。控えめな甘さのなかにチョコレートの豊かな香りとほろ苦さを感じ、シンプルで誰からも季節を問わず好まれる味に仕上がっています。贈答用ゼリーのようなパッケージで、賞味期限が長いところも特徴です。







(マイスター 安藤明氏)

毎回私達の目を楽しませてくれるコラボレーションケーキ コレクション。ドイツ人デザイナーのペーター・シュミット氏とユーハイムの製菓マイスター安藤明氏が作り上げるデザイナーズケーキです。今回のテーマは、最も有名なグリム童話のひとつ「いばら姫」。童話を読むように、ストーリー展開にあわせてケーキを仕上げています。
またギフト需要の高い焼き菓子は、原点を見つめなおしドイツの伝統菓子をアレンジ。ドイツの焼き菓子は素材の味が楽しめる素朴な味わいが特徴で、今回はそれをリッチな配合にアレンジしたそう。新しい分野に目を向けつつも、原点を忘れないユーハイムの姿勢を感じます。





(いばら姫)
薔薇のお花畑の中に飾られた今回のコレクション。より一層華やかで、手が込んでいます。「いばら姫」の象徴的なアイテムのイメージを膨らませて作られたケーキは、童話を読むようにストーリー展開にあわせて作られています。




(絵本)
全国のディー・マイスターの店舗でこれらのフレッシュケーキを2,000円以上購入すると、先着20,000名に小さな絵本がもらえます。物語の世界とケーキを同時に味わうために作成されたこの絵本。「さらにメルヘンの世界を味わって欲しい」というユーハイムの思いが詰まっています。




(眠りの塔)
バウムクーヘンを塔に見立て、その中はミルクとスイートの2種のムースとチョコレートのビスキュイ。バウムクーヘンの生地はこのケーキのためのもので、チョコレートの濃厚さとのバランスが考えて作られています。




(糸つむぎのモンブラン)
 「今回の新作で、ご苦労はありましたか?」と伺うと、「この筋をつけるのか難しくってねぇ。」と”糸つむぎのモンブラン”について語ってくださった安藤マイスター。「細かい細工物も時間がかかって大変だけど、こういうシンプルな部分の方がイメージに近づけることが難しいんですよ。」とのことでした。








現在、高島屋玉川店と新宿店でのみ展開されているカール・ユーハイム。ドイツの製法や生地の配合を大切に、出来る限り日本人の味覚に合うように改良されたユーハイムの新しいバウムクーヘンのブランドです。マジパンを加えアーモンド独特のコクと香りを引き出し、優しくふんわりとした口当たり。添加物も可能な限り使わず作られています。今回の新作は細い筒型のタイプの「バウムクーヘン トゥルム」。店舗イメージと同じくスタイリッシュな雰囲気です。  この新しいブランドの反響を担当者に伺うと「以前からのあるバウムクーヘンの方が好きだというお客さんもいらっしゃるので、どっちもどっち。お好みで選んで頂きたいです。」とのこと。全国展開が待ち遠しいブランドです。


会場となった「ユーハイム・ディー・マイスター 丸の内テラス」は、新作を楽しみにしていた関係者で大賑わい。ユーハイムスタッフの方はとてもお忙しそうでしたが、にこやかな笑顔で対応してくださいました。お菓子は進化しても、アットホームな雰囲気を忘れないところがユーハイムの良いところ。「お菓子を囲む幸せ」って大事ですよね。