1998年に、表参道のハナエモリビルの1階にオープンして、早11年。この9月、同じ表参道の中で移転オープンすることになった「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」の、移転オープン レセプションパーティーに行ってきました。




青山通りに移転オープン。カフェスペースを併設した新しい表参道店は、パリの高級チョコレート専門店らしい上品な佇まい



場所は、青山通りに面した角地。大きな面積はありませんが、ラ・メゾン・デュ・ショコラらしい、知的でシックな店構えです。ドアを入ってすぐの一階部分が販売スペース。ショーケースには、ボンボンをはじめとしたショコラ、マカロンやキャラメル、ジャムやはちみつが並んだ棚もあります。
奥の階段から2階へ上がると、ここがカフェスペース。キッチンも併設したここで、今回のパーティーは行われました。



落ち着いたチョコレートカラーを基調にした店内。1Fのブティックには、美しいボンボン・ドゥ・ショコラが並ぶ



到着して、まず振る舞われたのが、小さなカップに入ったショコラショオ。カカオ分66%、キャラメルとバニラ風味のオーソドックスで上品な味わいが、到着したばかりの、ほっと一息つきたい体には最高のおもてなし。香り高く、濃厚すぎず、われわれパナデリアスタッフはみんな、あっという間にさらりと飲みほしてしまいました。
テーブルに並ぶボンボン・ドゥ・ショコラを「これが新作かしら?」などと、わくわくしながら見つつ、しばしパーティーのスタートを待ちます。

クリエイティブディレクターの、ジル・マルシャル氏の登場で会はスタート。
移転にあたり、アートやファッションの最先端、パリのサンジェルマン通りにも似た表参道という場所にこだわったことを語り、
「2年前にクリエイティブディレクターに就任してからは、新しい食材、新しい世界を常に求めてまい進してきた」とも話してくれました。このカフェスペースもまた、新たな挑戦の一つであるようです。世界で21店舗あるラ・メゾン・デュ・ショコラ。8つはパリに、2つは東京にあり、東京の丸の内ではカウンターを、今回の表参道には落ち着けるテーブル席を併設。ここで実験的にやったのちは、もっと広いカフェスペースを得たいという夢もあるようです。



合計17席の2Fのカフェスペース。表参道散策のとき、ぜひここでゆったりと贅沢な時間を過ごしたい



「子供時代や、自分の体験してきたことを大切にしながら、新しいものを生み出しています」とも。それが見事に反映されたのが、この後紹介してくれた、クリスマスとバレンタインの限定商品でした。

クリスマス限定商品のまず一つは、こちらのキューブ型のもの。
「フランスでは、12月になると、クリスマスまでの日に、毎日ちょっとずつお菓子を食べられるようなカレンダーが登場します。だけどキューブ型は珍しい。1日から24日まで、その数字の書いた蓋を開けると、そこにボンボン・ドゥ・ショコラが入っています。もちろん、毎日違う味。一粒ずつ食べ、24日のところには何粒かが入っているんです」
とにかくかわいいこのショコラ・カレンダー。数も限定と聞くと、周りからは「限定数はいくつなんだろう、買えるかなあ」という声が早速上がっていたほど。大人が子供心にかえって楽しめそうで、チョコ好きのプレゼントには絶対に喜ばれそうです。



ショコラ・カレンダー 
(11月下旬発売予定)

24個の窓があるキュービックカレンダー。12月に入ったら、一日ひとつづつ、ワクワクした気分で開けてみたい。そして24日のイブの日には・・・





もう一つのクリスマス限定のボックス「コフレ・ニュイ・デトワール〜星空の夜」は、箱に描かれた絵が魅力的。
「自分の生まれ故郷、フランス東部のロレーヌでは、12月6日の聖ニコラの日にお菓子をもらえる慣習が。そんな思い出とともに、チョコをたっぷり詰めてみました。箱には、子供の時、窓から眺めていた冬の風景を描きました。箱をさかさまにしてみてください。ロレーヌにあるボージュ山脈が現れますよ」
入るショコラにも、思い出が詰まります。子供のころ、おばあさんが作っていたというミラベル酒風味のガナッシュ、東フランスのクリスマスには欠かせないパンデピス風味のガナッシュ……。これひと箱あれば、冬の夜の楽しみが広がることは間違いなし!



コフレ・ニュイ・デトワール〜星空の夜〜 
(11月中旬 発売予定)

クリスマス限定のギフトボックス。ジル・マルシャル氏の幼い頃の楽しいクリスマスの思い出が詰まっている





ビュッシュ・ド・ノエル 「ニュイ・デトワール」 
(12月10日より、丸の内店でのみ予約開始。
商品の引渡しは12月22日〜25日)

クリスマスの代表的なケーキ、ビュッシュ・ド・ノエル。星型チョコレートのデコレーションが施されたニュイ・デトワールは、キャラメル風味のダークチョコレートムース、ナッツやドライフルーツ入りのビスキュイ、キャラメルムース、塩キャラメルの組み合わせ





そして、少し気の早いバレンタインコフレのテーマは、「禁断の果実」。
「バレンタインデーには女性からチョコレートをもらえる日本の男性は果報者です。フランスでは、相変わらず、男性が女性にプレゼントをする日(笑)」
ジル・マルシャル氏自身の様々な恋の思い出を、このボックスに詰めたそう。5種類のボンボンから成り立っていて、それぞれは、こんな名前と味なのです。



愛の木に実る「禁断の果実」
〜恋人たちが頬張る “禁断の果実”は甘い恋の味〜
(2010年1月19日発売予定)

来年のバレンタインに世界の恋人たちに向けて届けられるのは、禁断の果実をテーマにしたコフレボックス。情熱的な赤い箱に詰められたショコラは、どれも魅惑的


(1)  果実の誘惑〜青リンゴのコンポートをミルクチョコレートが包む。
(2)  出会い〜ガーナ産カカオを使用したプレーンなガナッシュ。
(3)  惹かれあう〜マルドン産の塩をほんのり利かせたへーゼルナッツ入りプラリネをミルクチョコが包む。
(4)  誘惑〜ジンジャーのピリッとした辛みがきいた、爽やかなパッション風味のガナッシュ。
(5)  マリアージュ〜ハート型のチョコレート。ブルボン産とタヒチ産のバニラで風味づけした、とろりとしたキャラメルソース入りのダークチョコ。


二人が出会って惹かれあい、刺激的なシーンを経て、カップルに。そんな流れを味で表現。箱にはハートの実がなった木の絵が描かれています。
「木は繁栄と生命力の源。恋する二人が愛を刻むシンボルでもある。昔、木のふもとで時間も忘れて好きな人と語りあった思い出がきっとみんなあるのでは」
それぞれを実際に食べてみると、特に面白い味わいは、一粒目のボンボン。青リンゴの甘酸っぱいコンポートが、ガナッシュの代わりにたっぷりと、薄いミルクチョコレートの中に入っています。今までのラ・メゾン・デュ・ショコラにはなかったタイプ。最後の「マリアージュ」も、その名にふさわしく、見事にバニラとキャラメルが調和した、完成度の高い一粒でした。

この後パーティーでは、ジル氏がその場で作った、山椒風味のガナッシュが配られました。山椒は、以前日本に来たときに出会った刺激的な食材だそう。
「柑橘系のフルーツにも通じる、フレッシュさを感じ、是非使ってみたいと思いました」
仕上げに、おろした新生姜をたっぷり添えるというユニークな演出もあって、日本の食材に興味を持っていることが強く伝わってくる一品です。
「こうした、その場で作る、その場限りの味も大切にしたい」
とのことなので、今後、カフェのメニューにも期待がもてそう!



ジル・マルシャル氏が目の前で作ってくれた山椒風味のガナッシュ。カカオと山椒の絶妙なコンビネーションに、後から生姜がふわっと効いてくる



さらにその後は、シャンパーニュも振る舞われ、みんなすっかりいい気分に。
「こんな日は、仕事に戻ろうなんて思わずに、大切な人と待ち合わせでもして……」
と、ジル氏はフランス人らしいことを! なかなかそうもいかないのは残念でしたが(なにしろまだ昼の12時過ぎでした。日本人的には仕事をさぼれません)、甘い香りに包まれた、新しいラ・メゾン・デュ・ショコラでのひと時でした。








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