冷たい秋風が吹くと、なぜか無性に恋しくなるのがショコラ。
バリンッと豪快に割ったタブレットでホッとひと息つくもよし、ボンボンのとろけるような余韻に浸るのもよし・・・ですが、最近増えているのがお酒との組み合わせ。
シングルモルトを使用したショコラやケーキ、それから、食後にブランデーやウィスキーに合わせてショコラを・・・、なんて食べ方もだんだんと浸透してきたのではないでしょうか?

そんな中、あのフランス・パリ6区に店を構える「ジャン=シャルル・ロシュー」が、「メーカーズマーク」バーボンを使った新作ボンボンを発表するという情報が。
シングルモルト流行の次は、もしかしてバーボン?!
というわけで、「メーカーズマーク」のプレスセミナーに伺ってきました。


こだわりのバーボンとして人気の「メーカーズマーク」


会場となったのは、半蔵門のモダン・フレンチレストラン「ARGO」。
照明を落とした店内には洋書がずらりと並び、モダンながらシックな雰囲気。ゆったりとした窓辺の席からはキラキラと瞬く夜景が望め、大人の雰囲気満点です。


千冊の洋書が並ぶ店内。女性アーティストの手によるガラス彫刻や照明などのインテリアも見事


ウェルカムドリンクのオリジナルカクテルは、「メーカーズマーク」にアップルタイザーを合わせ、チェリーを添えたもの。バーボンの風味はしっかりとありますが、甘くフルーティな香りが加わり、非常に飲みやすい味わいに。これなら、普段バーボンを飲まない方でもおいしくいただけそうです。


やわらかい樽の香りにリンゴの爽やかさが加わり、飲み口も爽やか


ところで、バーボンとはどんなものかご存知ですか?
バーボンとは、アメリカ・ケンタッキー州バーボン郡を中心に生産されるウィスキーのこと。「ワイルド ターキー」や「フォア ローゼズ」など様々なメーカーがありますが、「メーカーズマーク」は伝統的なハンドメイドの手法を守って、少量生産を続けているのだそうです。

そしてこの職人魂に惹かれ、ぜひボンボンにしたい!と名乗りをあげたのが、ジャン=シャルル・ロシュー氏。
「私にとって、クラフトマンシップ(職人的仕事)とは、質の良さの証明です。メーカーズマークは、唯一、本当に職人の手仕事によるバーボンだと思います」
と絶賛しています。


職人の証がこのディッピング。溶かした赤いワックスシールにビンを逆さまに入れ、封をします。簡単なようですが、味のある“したたり具合”を作るのはなかなかの技術。これによってどの職人が作ったかもわかるのだそうです

会場ではディッピングのトライアルも。エプロンにゴム手袋で挑戦しましたが、やっぱり難しい!


とはいえ、よほどのお酒好きでないと、バーボンの味の違いまでは分かりにくいいもの。
そこで、今回は「メーカーズマーク」のマスター・ディスティラー(蒸留所責任者)である、ケビン・スミス氏によるレクチャーのもと、テイスティングをさせていただきました。

「普通、バーボンの原料は51%のトウモロコシをベースに、ライ麦、大麦麦芽を加えたものですが、『メーカーズマーク』ではライ麦の代わりに冬小麦を使います。独特の強い甘みはこれによるものなんです」
とケビン氏。
伝統的なレシピで作ったものは、“耳がちぎれそうなほど”酸っぱいため、創始者のサミュエル氏はレシピを改革。以来、冬小麦16%、トウモロコシ70%、大麦麦芽14%という配合を守って作り続けているのだそうです。


約20年に渡りバーボン事業に情熱を注いできたケビン・スミス氏。現在は、メーカーズマーク・マスター・ディズティラーとして活躍中


まずは、蒸留機から出てきたばかりのもの。ところで、ちょっと面白いのがこの呼び名。無色透明なので、“ホワイト ドッグ”と呼ばれているのだそうです。
続いて2年、6年と樽で熟成させたもの、さらに熟成オーバーのものをテイスティングします。


【テイスティング】

写真左上:アルコール度数は65%と他より低め。とがったアルコール臭が強く、旨みや甘みは感じません。ピリピリと刺すような刺激があります
写真中央上:2年熟成。明るい琥珀色でホワイトドッグで感じたトゲのある味はなくなっています。甘みとコクがありますが、味が平坦で深みがない感じ
写真右上:6年間寝かせて完全熟成したもの。バニラを思わせる濃厚な甘〜い香りが漂います。今までとは全く別の深い味わいで、甘みと丸みのバランスも取れています
写真左下:9年間熟成させたもの。過熟成しているため甘みはなく、ツンとした酸味が気になります



「私は『メーカーズマーク』で仕事をする以前に、他のバーボン会社にいた経験もあるんです。といっても、ライバルというよりは仲間のようなもの。それぞれに特徴があっておもしろいですよ」
と、ケビン氏。そこで、他社のバーボンとも比較してみました。


写真中央下:ハーパー12年。馴染みのあるウィスキーの味。酵母のような刺激的な香りは、ライ麦によるものなのだそうです
写真右下:ジャック・ダニエル。甘みが少なく、さっぱりとした印象。酸味と苦みがあります



好みはそれぞれですが、甘みの強い「メーカーズマーク」は確かにカクテルやスイーツ、料理との相性が良さそうです。

テイスティングを終えて会場に戻ると、美しい料理の数々がテーブルにずらり!


「メーカーズマーク」で風味付けしたフォアグラや、パテ・ド・カンパーニュなども登場


「ピエール・ガニエール」を始め数々の星付きレストランで修業を積み、2006年「ARGO」の総料理長に就任した山下敦史氏の力作が並びます。


“三色とうふ”はモダンなスタイルで

“若鶏もも肉の煮込み ケンタッキーシャンパン風味” はリンゴを添えて


そして、注目はスイーツとメーカーズマークの組み合わせ。バーボンはかなり風味が強いので、パティシエールなどに使うとかなり個性的な味わいに。特徴付けをするのに向いているようです。


シュークリームやモンブラン、マカロンなど10種類のプティフールが並びました


ほろ酔い気分の中、満を持して登場したのが「ジャン=シャルル・ロシュー」のボンボン。 あのボトルを思わせる赤いロウで封をした箱を開けると、中のボンボンにも同じデザインが!さすが、細工の得意なロシュ-氏。遊び心満点です。


これも手作業の証。開けてしまうのがもったいない!


「メーカーズマークは質の高いバーボン。口当たりがまろやかで、価値が高く、独自のガナッシュを作り出すのに完璧な原料です。最も気難しいショコラ愛好家の口も喜ばすでしょう」
というロシュー氏の言葉どおり、目にも舌にも特別な一品になりそうです。


ベースになっているのは、スモーキーで酸味のある力強いカカオ。甘みとコクのあるバーボンの風味が加わり、インパクトがありながら、丸みのある味わいになっています


この“メーカーズマーク・バーボン・ショコラ”は、今回のサロン・ド・ショコラで販売予定。
バーボンの甘美な香りと、濃厚なショコラのマリアージュを試してみてはいがかですか?


メーカーズマーク・バーボン・ショコラ

発売場所:新宿伊勢丹「サロン・ド・ショコラ」(予定)
発売期間:2009年1月21日〜26日







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