フランス勢が次々と日本に進出するなか、最後の砦とも言われていたあの「ラデュレ」がついにオープンしました。
1862年、パリのブーランジェリーからスタートした「ラデュレ」は、今や、世界中が憧れる老舗パティスリー。そのおいしさはもちろんですが、フランスの王朝時代を思わせる優雅なサロン、伝統と現代のエスプリが融合したケーキ、そしてそのすべてを象徴するような美しいディスプレイ・・・。一言では語り尽くせないその魅力が、「ラデュレ」を特別な存在へと高めているのです。
そんな特別な存在だけに、“日本で買えるなんて嬉しい!”という声も、“パリで買うのが良かったのに・・・”という声も聞こえてきそうですが、パリの雰囲気を優雅にまとったマカロンを口にすれば、誰もが幸せを感じてしまうことでしょう。

(c)radurée
繊細で華やか。微妙な発色が美しいマカロン用の箱は、限定ボックスも多数登場



「私にとって、東京は世界で最も美しい街の一つであり、モダンとクラシックが完璧に調和し得た街です」
そう語る、ラデュレ社長のダヴィッド・オルデー氏が選んだ場所は、今も変わらぬ魅力を秘めた銀座。
ここで、いったいどんな「パリ」が繰り広げられていくのでしょうか。
それでは、オープン前日に開催されたレセプションの様子をご紹介します。


場所は、銀座四丁目交差点を臨む銀座三越の2階。エスカレーターを降りて奥に進むと、淡いグリーンのエントランスが見えてきます。
はやる気持ちを抑え、いざ中へ。最初に出迎えてくれたのはマカロン!ケーキが並ぶブティックは、白い大理石の床と漆喰の飾り天井に真鍮のポールというデザインで、新しさの中にもラデュレらしい趣が感じられます。

この日は招待者のみ。皆さんごめんなさい!


この日は関係者だけのレセプションとはいえ、中は人で溢れ、先に進むのもやっとという状況。そして、外には「明日並びたいので下見に来ました」という一般のお客様もチラホラいらっしゃったようです。後日談では、初日に5時間並んだ人もいるそうですから、「ラデュレ」のパワーは偉大です。

エントランス脇を飾るマカロンのオブジェ。ルリジューズのバッグもかわいい!


ラデュレといったら、やっぱり気になるのがマカロン。ショーケースをのぞくと・・・。ありました!ローズやピスタチオ、レモンなど色合いの美しいマカロンが並んでいます。マカロンは、定番の10種類に加え、“フリュイ・ルージュ”や“プラリネ”、“ココナッツ”など季節の味も登場する予定。味はもちろん、色のカラーパレットにまで気を配っているそう。


全種類制覇したいマカロン。箱はピンクや水色など淡い色のほか、シックな黒も。季節限定の箱も登場するので要チェックです


ちなみに、このマカロンはラデュレの創始者ルイ=エルネスト・ラデュレ氏の従弟、ピエール・デフォンテーヌ氏のアイデアによるもの。20世紀半ば、それまで生地だけで食べていたマカロンにガナッシュを挟むことを思いついたのが始まりだとか。サクッと繊細な生地の食感に、なめらかなクリーム。当時の人々にとってその味わいは、きっと衝撃的だったことでしょう。以来、食感や大きさを変えて様々なマカロンが登場していますが、ラデュレでは当時の製法を忠実に守って作り続けているのだそうです。
その製法のなかでも興味深いのが“マカロンを寝かせる”という工程。繊細なマカロン生地は焼き立てが命、のように思いがちですが、実はクリームを挟んだあとに48時間寝かせて売り場に出すのだそうです。


お菓子をモチーフにしたバッグのほか、パフュームやキャンドルなどの「スクレ・ラデュレ」シリーズも販売。昨年パリに登場した「ラデュレ・ボーテ」シリーズは近々日本でも発売予定




さっそく、大好きなキャラメルをいただいてみると・・・。
“サクッ、トロ〜ッ“
マカロン生地の表面部分はサクサク、そして中はしっとり。それがサクッと口の中で崩れ、アーモンドとキャラメルクリームの香りがフワッと広がります。甘さとほろ苦さ、やわらかさと力強さ、が見事に融合した深い味わいにしばしうっとり。
「うーん、おいしい!」
この味が日本で味わえるなんて、やっぱり幸せです。


レセプションはマカロン尽くし!パーティ用のプティフールも

伝統と古典が見事に融合した華やかなケーキ




そして、隣に並んでいるのがアントルメとプティガトー。淡い色合いがロマンティックな「ルリジューズ ぺタル・ド・ローズ」や、赤と緑が華やかな「サントノレ フレーズ・ピスタッシュ」など、クラシックな姿に現代のテイストを加えたケーキは「ラデュレ」の得意とするところ。現在のシェフ・パティシエ、フィリップ・アンドリュー氏が、伝統的であると同時にクリエイティブという「ラデュレ」らしいケーキを生み出しています。


ルリジューズ ぺタル・ド・ローズ

サントノレ ピスタッシュ ¥740



ラデュレオリジナルのシャンパン。ロゼもあります




さて、ラデュレオリジナルのシャンパンを手に奥へ。サロン・ド・テは、「サロン・マリー・アントワネット」、「サロン・アルトゥルラ」、「サロン・オ・ペール」という3つの部屋が一続きになっており、80席という広い空間ながら、ぐっと落ち着いた雰囲気。ルイ16世様式に着想を得たという豪奢なインテリアは、壁紙はもちろん、窓の周りや天井に至るまで精緻な装飾が施され、まるでアントワネットのいた時代にタイムスリップしたかのよう。ここが銀座の真ん中ということを忘れてしまうほどです。


(c)Lyu Hanabusa
サロン・マリー・アントワネット
シックなブルーグレーを基調にした室内は、壁一面にほどこされた装飾が見事。ルイ16世様式のテーブルと椅子も優雅





サロンでは、パリ同様、本格的な料理が味わえるのもラデュレならでは。サンドイッチやサラダなどの軽食のほか、「鴨のフォアグ ラのソテー、フリュイ・ルージュ・マカロンとラデュレ・クグロフ添え」といった前菜から「仔牛のモモ肉のアサイソース、ペッシュロティ添え」などの肉・魚料理までと、フレンチレストラン顔負けの品揃えが楽しめます。
もちろん、ケーキやマカロンをいただくことも可能。ちょっと優雅な午後を過ごしたいときには、サンドイッチ4個、マドレーヌとフィナンシェ(各2個)、マカロン4個、パティスリー2個、フルーツジュース、ホットドリンク(カフェ,ティー,ショコラショー) がセットになった「アフタヌーンティー(\7,000・2名分)」もおすすめです。それから、パナデリアがパリで感動した、あの「クープ イスパハン」もありました。


(c)Lyu Hanabusa
サロン・アルトゥルラ
さわやかなエメラルドグリーンにスワロフスキーのミニ・シャンデリアが輝く、サロン・アルトゥルラ。“組合せ模様“を意味するこの部屋のために特別にオーダーされた絨毯も必見





パーティの喧騒を逃れ、ふと目をやると、窓の外に見えるのは銀座のまばゆい光・・・。
「都会の光の中にたたずむ外界から仕切られた宝石箱であり、パティスリーのパラダイス。ここはラデュレという名の小さな邸宅なのです。」
そんなダヴィッド・オルデー氏の言葉通り、ここは非日常の中で“美”なる味わいを楽しめる宝石箱になりそうです。


23:30までオープンしているのも嬉しい!シチュエーションに合わせて使い分けられる貴重な一軒になりそうです




“食”、“美”、あらゆるものに贅をつくしたマリーアントワネット。
そのエスプリに現代の息吹を与えた「ラデュレ」で、夢のようなひと時を過ごしてみてはいかがですか。








ラデュレ 銀座店
住所 銀座三越 2F (中央区銀座4-6-16)
Tel03-3563-2120
営業時間ブティック 10:00-20:00/サロン 10:00-23:30 (お食事 22:30、ドリンク 23:00 L.O)
定休日無休(元旦を除く)
URL www.laduree.com



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