カリフォルニアレーズン主催
菓子デザート新製品開発
テクニカルセミナー



今年も、カリフォルニア・レーズン協会主催の「菓子・デザート新製品開発テクニカルセミナー」が開催されました。東京会場では5月29日に、大阪会場では6月4日に行なわれた講習会。パナデリアでは、東京製菓学校で行なわれた講習会に参加してきました。今年、講師を務めたのは『ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ』の土屋公二シェフ。
教えていただいたのは、「ショコラオーレザン」「トリュフオーレザン」「チョコレートレーズンサンド」「ダクワーズオーレザン」「アマンドカカオレザン」「マカロンレザン」「ブラマンジェレザン」「クラフティーオーフリュイ」で、流通菓子としてレーズンを使ったものという内容。レシピを見ると、チョコレート、カカオ豆を使ったものも多く、土屋シェフならでは・・という感じ。それぞれのチョコレートの種類と特徴をふまえ、それによってレーズンの味わいをどう引き立てていくかなど、主役でもあり名脇役でもあるレーズンの存在価値を充分に引き出したものばかり。
また、流通菓子と一般の小売り店の菓子との違いや、「今までは、流通菓子はショートニングを中心に作られていたけれど、これからは本物嗜好ということでバターを使ったものを取り入れていったらどうでしょう。」など、これからの流通菓子の進むべき姿なども示しながらの講習は、どれも面白く充実したものでした。
バタークリーム作業風景



今回紹介されたお菓子の中で「チョコレートレーズンサンド」は、間にバタークリーム、レーズンやナッツ類などをサンドしたお菓子。土屋シェフは「バタークリームというと、どうしてもショートニングが使われがち、だから本物の美味しいバタークリームの味を知ってもらいたい」とバタークリームの作り方を丁寧に説明してくれました。「全卵と砂糖を泡立てた中に、124℃まで熱したシロップを入れていく時、一気に入れることが大切です。ゆっくり入れているとアメとして冷えて再結晶してしまうので、口溶けも変わってきます。」「ホイップがうまくされていれば軽いバタークリームになります。」という大切なポイントを説明しながら作業を進め、そして最後には、論より証拠という感じで、本当に軽い口溶けのバタークリームを試食させてくれました。

「美味しいものは、鼻から抜ける香りがいいということも大事。」というのは、なるほど自らをチョコレートおじさんと呼ぶ土屋シェフらしいセリフ。その他、「よく他のお菓子さんでやっているものを自分の店のもののようにやる人はいるけど、そういうのって、あまり好きじゃありません。やはりオリジナルの味作りで勝負したいですね。」「失敗をしても、そこから意味を見出して次につなげればいいんです。」
そして、最後には「別に今日教えたお菓子が美味しくないと思っても、それはそれでいいんです。何かそこから"これ"というヒントを得てもらえればいいと思っています。」

レシピはもちろんですが、何故か"土屋シェフ語録"の方も、しっかり充実してしまった講習会だったような気がしたのは、パナデリアだけでしょうか(笑)

13:00からスタートした講習会も、たっぷりと土屋シェフのお菓子と話術にはまった、あっという間の4時間でした。




クラフティ オー フリュイ



ブラマンジェレザン


ショコラ オー レザン


アマンド カカオ レザン


チョコレート レーズン サンド


ダクワーズ オー レザン


マカロン レザン


トリュフ オー レザン