2005年8月27日(土曜) 新宿の日本製粉技術センターでリスドオルミツ主催Webパン教室 講習会が行われました。
日本製粉様の協力のもと、会場、スタッフ、新製品ジャパネスク(国産小麦)などご提供いただき実現しました。

今回の講習は、リスドオルミツの廣瀬社長の発案で始められた日本でも始めての取り組みである「WEBパン教室」
のスクーリングということで開催されました。この教室の特徴を以下にまとめました。

1.インターネットを通して受講生が自分で種起こしから始め、粉を選び、 道具をそろえ、しかも美味しい、安全な
  パン作りができる。
2.動画配信を使うので初心者でも簡単に始められる。
3.1年間で廣瀬社長のパン作りへのすべてがわかる。(情熱、無添加とは、 美味しいパンとは)

このほか、ご興味のある方は  http://www.webpan.jp/  を訪ねてみてください。



廣瀬社長の教えを受けた生徒30名が一同に集まり、普段伝えられない匂いとか、生地の感触、指使い、プロとの
違いなど、一気に体験できる貴重な場となりました。会場は熱気であふれかえり、全員が真剣な表情で「無添加パン」
作りへ参加しました。内容も盛りだくさんで、生地づくり、成形、種起こしの方法、飾りパン、普通では3日ぐらいかかる
構成の内容です。

朝9:00から参加した組と11:00からの組とにわかれ、9:00からの組は生地の仕込み、食パンの成形などを最初に
、11:00から全員で中種法による、バターを配合する生地作りを勉強。手の使い方、生地の見方、Webで見られ
ない技を廣瀬社長から直伝で学ぶという、またとない時間となりました。次に、あんぱん、クリームパンの成形へ、
廣瀬社長の大きな手の中であっという間に、パンが出来上がる。餡やクリームの入れ方、生地の扱いなどポイントが
的確に伝えられ、参加者全員がアンパン、クリームパン作りを体験しました。

途中12:30から廣瀬社長の奥様手作りのホットドッグ、サンドイッチがランチで振舞われ、一息。その間も廣瀬社長
は、生徒の質問に応えたり、午後の準備をしたりと大変忙しそうでした。午後は13:30から開始。食パンの成形、
窯入れ、など奥専務、武藤チーフの神業を拝見、その後午前中仕込んだ生地の本捏ねが始まる、廣瀬社長の
デモンストレーションはとても手さばきよく、参加の生徒の目はその一挙一動に釘付けでした。各自小分けされた
材料を受け取り、テーブルで実習が始まる。バターが入る生地は扱いが難しく、大変な作業でした。

窯からは、焼きたてのパンが出てきます。食パン、ブリオッシュ生地のパン、焼きたての大きなパンを惜しげもなくカットする
廣瀬社長。その断面からはふわっと湯気が立ち上り、全員が鼻を近づけ香りを確認しました。皮の部分の感触、内層、焼き色
など確認しながら、さらに試食へ。全員が「おいしい!」の声。幸せのひとときとなりました。
15:00からは飾りパンの名手である奥専務の妙技が紹介されました。マリオネット人形、30cmはあるメダル。生地をカット、
編みパン、バラの花を組み合わせ、どんどん見てる前で作られていく。廣瀬社長の解説付で会場は全員満足した
表情に包まれました。

最後に出来たパンが袋詰めされ、日本製粉からのお土産の袋、太っ腹の廣瀬社長、お土産も半端でなく盛りだくさん
でした。各生徒さんは、廣瀬社長のパンにかける情熱、たくさんのスタッフの苦労など、もっと大きなお土産もいただ
いて家路につきました。




実は、この講習の本当の目玉はもっと違うところにあります。Web講習を受けている生徒さんたちにはさりげなく
紹介された、パン生地、酵母、製法ですが、これがどんなに画期的なことであるかは、あえて紹介されませんでした。
ここで簡単に技術面でのことについて触れておきます。

1.冷凍耐性の天然酵母。
  詳細は企業機密ということもあり、全貌はお伝えできませんが、ある菌が作用し、酵母
  乳酸菌プラスアルファの働きで、生地種が30日以上冷凍保存できるということ。
2.ホイロ後冷凍に対応
  国産小麦、天然酵母のみで生成した生地、ホイロ完了後(成形後、焼成直前状態)
  緩慢冷凍で72時間の保存が可能。添加物は一切混入しないものです。
3.中種でも冷凍耐性
  フロア後(一次発酵、成形前)生地を冷凍。72時間保存可能。

これが、リーン(バターや卵を含まない)、リッチな生地両方対応可能です。焼成は常温解凍後直ぐに、可能ということです。
これは本当に画期的なことで、当日、これらの現実をまのあたりにし、本当に驚きました。焼成における窯のび、焼き上がり、
冷凍生地の表皮のダメージはほとんどなく、きれいな内層の状況、味などすべて完璧な仕上がりでした。これから、この技術が
全国そして世界へ広がっていくことを期待しています。




−− 以下、教室の模様を時系列でお伝えします −− 


廣瀬社長挨拶 パン作り40年のプロ 奥専務登場  韓国からいらした廣瀬社長の教え子、
 カン様の挨拶 



生徒さんの熱いまなざしの中、講習会は進んでいく 日本製粉 三嶋様からご挨拶   日本製粉のスタッフの手で、
次々に材料を計量



人数分に計量された材料 冷凍の食パン生地の計量  使用粉 ジャパネスク


廣瀬社長と奥専務のデモンストレーション。手もとに注目!



ギュ 猫の手 優しく わかりますか?
生徒さんの手つき、チョット危ない
 
奥専務の指導!


   廣瀬社長登場、
   まるでパンのようにやわらかい手



解凍後の温度測定 21度 奥専務のデモ さあ 生徒さん頑張って



この後 型へいれ二次醗酵 ホイロへ 真剣な表情でクープをいれる武藤チーフ



窯入れです こんがりと焼かれ、
あたりは幸せのバターの香り
やっぱりちょっと食べよう。
食べたい人、 ハーイ


   これが旨いのなんのって。
   しびれる旨さ





廣瀬社長のチーズ大盤振る舞い
貴重なシーン!




オランダの王室御用達の某生産者の
オーガニックチーズ
惜しげもなくカット
なんと一台6万円もする
カット面は滑らかな生地 クリーミィ
思わずかぶりつきたくなる



カットしたそばから試食タイム どうぞ! 日本製粉スタッフも思わず笑顔



(マリオネット人形パン製作シーン) 





まずは生地を伸ばす あっという間に人形の頭が



焼くと膨らむことを前提に成形、
とても難しい技
焼き上がりはぷっくり膨らみ


(メダル製作) 





まずは編みパンの仕込み



台を作る いよいよ組み立て ・・さあ、これを焼きます


(飾りパンシリーズ) 





かにパンに イカパン 亀パン でっせ イカパンには するめイカが出現





餡パンの成形



クリームパンの成形出来上がり 廣瀬社長の作品



生徒さんもがんばって きれいに出来上がり



ニ次醗酵後 塗り卵をして飾りつけ







さあ、窯いれ



こんなに美しくできました





冷凍された中種を解凍、
ミキサーにかける
材料が状況をみながら
加えられていく
きれいな生地


    オーガニックのオリーブオイルを惜しげもなく加える 
    このオリーブオイル イタリアダヴィンチ村産で 樹齢600年のもの
    社長自らイタリアへ出向きリットル3600円もするもの


(このあと、ホイロへ入れ 一次醗酵へ) 




プロの手さばき拝見



食パンの生地分割




プロの使う機械、モールダ 一発で成形丸めが



二次醗酵へ きれいにふっくらしました



さあ窯へ



焼けた焼けた どうだ!
 いい香りがします
カット面の美味そうなこと ヨダレもの





材料で塩は特別なヒマラヤ岩塩を使う
生徒さんも味見
材料の確認



まずボールの粉の真ん中にくぼみを 牛乳、卵を



指先でかき混ぜましょう ほら これだけしか汚れてない



そばやでいう水回しが終わったら
台の上へ




しっかりこねます



湯だねをいれます さらにしっかりこねます 猫の手



はい 出来上がり 触ってみてください、
こんなに柔肌ですよ


(生徒さんが各自 生地を仕込みます) 




材料の確認 これ いいぞー




ありゃ こんなにボロボロ




こうやるとあっという間 女性にはあくまでも優しく


( 一次醗酵へ、2時間半の時間をとりいよいよ本捏ねへ。
この生地は成形焼成せず、
冷凍し各自家庭へ持ち帰り、焼成 することに。) 




台の上に生地を広げ、追加の材料を加えていく。



しっかりとこねます




時々、手粉をふり まとめていきます







生地をひろげ、いよいよバターを入れます きちっと 上に塗りますが、
手で温度を上げてしまうと
バターが溶けるので注意



さらにしっかりと合わせます。ぐにゅ、ぎゅー、ずりー です。



額に汗してこねる これで、まとまりました。
柔肌ですよ。


( デモをみるのと、自分でやるのとでは大違い、
わかっていても どこか違う) 




材料の確認 さあ 作業開始


   先生が個人指導、ありがたや。 



  ホイロ後冷凍生地の焼成の紹介
  国産小麦、天然酵母、無添加で ここまでできるとは!


   まずは、リッチな配合のテーブルロール 



常温解凍後、天板へそっと移します  さあ 窯入れです



出来上がりは完璧、クラストもいい焼け具合



内層は若干目がつまり気味だが、ふっくらおいしい



つぎに、カンパーニュ
 廣瀬社長のアイデア 
100円均一商品のかごが活きる
このまま冷凍して、
30日間保存可能です。
芯温でマイナス6.5度でした。



室温で解凍後、焼成へ



粉を振って クープを入れます



230度45分 美しく焼きあがりました


味わいは、まったく冷凍ということがわからないほど、ナチュラル
冷凍耐性、熟成度合いここまで完成されていることに、驚愕です。
今までの、ヨーロッパからくる、いわゆる冷凍生地、焼成途中のパンなど
とは比べ物にならないもの。ホテル、レストラン業界でも注目の製法になる
ことは間違いなく。さらに天然酵母で、しっかりとしたパンを作っている
パン屋さんにとっても、これは、朗報というより快挙に違いない。
この製法が広く普及することを願う。