最近では、すっかり身近な存在になった“オーガニック”。
その先進国であるイギリスからやってきた〈デイルズフォード・オーガニック青山店〉は、“リアルフード(本物の食材)”にこだわったパンや料理、食材などが幅広く楽しめる一軒です。



昨年オープンした〈デイルズフォード・オーガニック青山店〉があるのは、青山通り沿い。スイーツ好きにはお馴染みの〈ピエール・エルメ・パリ 青山〉のすぐ後ろです。
白をベースにしたナチュラルな雰囲気の店内は、右にオーガニックのグローサリー、左にベーカリーとデリ、そしてカフェスペースという充実した造り。さらに、階段を上がると、開放的なレストランになっていて、オーガニックの野菜をたっぷり使った料理がいただけるようになっています。

パンはもちろん、飲料や調味料、そして石鹸類なども充実。見ているだけで楽しくなります


今でこそ、広く受け入れられるようになったオーガニックの考え方ですが〈デイルズフォード〉の創業者、レディー・キャロル・バンフォードが、オーガニック農法に目覚めたのは、今から25年以上も前のこと。1970年代初頭に遡ります。当時のイギリスでは、農薬や化学肥料などをたくさん使った農業が盛んでした。そんな中、彼女はある有機栽培農家の考えに感銘を受け、「子どもたちに、安全でおいしいものを食べてもらいたい。豊かな実りが未来にも続くように、大地を守らなければいけない」と一念発起。一族の持つ農場をすべてオーガニックへと切り替えることから始め、農場を拡大していきました。その規模と種類はどんどん増えていき、2005年に、ロンドン・チェルシーに第1号店を構えた時には、すでに鶏や乳牛までも自家農場で育てるまでになっていたそうです。

オーガニックのトマトケチャップも。
鮮やかな赤が、いかにもおいしそう!


安全や安心はもちろんですが、デイルズフォードがうたっているのは、おいしさ。
というのも、農薬や化学肥料を使わず、手間隙かけて作られたものは、それだけで非常においしいから。健やかな大地が生み出す“リアルフード(本物の食材)”の持ち味を最大限にいかすべく、青山店をオープンするに当っては、〈オー・ミラドー〉〈レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ〉などで経験を積んだ掛川哲司さんをヘッドシェフに抜擢するなど、料理としての完成度にもこだわりが伺えます。

パンはハード系をメインに種類も充実。
デリと一緒にカフェでいただくこともできます


ではさっそく、2Fのレストランでいただいたメニューと、1Fベーカリーのパンをご紹介したいと思います。

レストランへと続く階段。ガラス越しに
差し込む光が白に映え、爽やかな雰囲気です



〜レストラン〜



ランチメニューから
オーガニック ランチ プレート
¥1,800


大皿にサラダやクスクスなどを盛り合わせた、おすすめのランチメニューです。
内容は、オーガニックポーク&チキンのクスクス、生野菜、ディップ、半熟のリアルオーガニック卵、2つの季節のサラダ、オーガニックブレッドともりだくさんで、彩りも鮮やか!日本ではオーガニックの肉類がほとんどなく、鶏肉は日本で唯一オーガニックチキンを育てている共栄ファームから届いたもの。どれも、素材本来の持ち味がシンプルにいかされた、透明感のあるおいしさです。中でも、印象的だったのは、生なのに、まったく苦みやクセがないピーマン! 臭みのまったくない半熟卵にも目からウロコでした。


ランチメニューから
オーガニック ベジタブル プレート
¥1,800


同じくランチメニューから、野菜尽くしの一皿。全粒粉ニョッキ・里芋・玄麦と菜の花のスープ、3つの季節のサラダ、生野菜、ピクルス、ディップに、こんがり直火焼きしたオーガニックブレッドが添えられています。里芋のネットリとした食感が新鮮なスープはパンを浸していただいても○。野菜のみずみずしさと、力強い味わいを発見できます。


アラカルトメニューから
2種のオーガニック ブレッド オリーブオイル添え
¥300


国産のオーガニック短角牛のビーフシチューやオーガニックチキンのソテーなどが楽しめるアラカルトメニューもありますが、その場合にオススメなのが、2種のパンのメニュー。この日は、パン・ド・ミとカンパーニュの2種が盛り合わせになっていました。
ほとんどのランチメニューにはパンがついていますが、それとは別のパンをお願いすることも可能。パン好きの方は追加してもいいですね。




〜ベーカリー〜



カンパーニュ
¥498 (1コ) ※1/2 \249あり


しっかり焼き込んだクラストは、適度な厚みがあってカリッと香ばしい味わい。一方、クラムは、しっとりとして弾力のある食感です。レーズンや梅を思わせるしっかりとした酸味があり、ゆっくりと噛みしめていくと旨みがじんわりと広がっていきます。国産オーガニック小麦とライ麦を使用。


パン・ド・ミ
¥525 (1斤) ※半斤\263あり


オーガニックだから酸味が強いかな・・・と思いきや、広がるのは甘くてミルキーな香り。ほのかな酸味も隠れているので、リッチさを感じながらも、あくまですっきりとした印象です。適度にモチッと引きのある生地は、やわらかさと口どけの良さも魅力です。


デーツ
¥648 (1コ) ※1/2 \324あり


デーツ(ナツメヤシ)を使った、ちょっと珍しい一品です。アラブ諸国でポピュラーなデーツは、ビタミンCや食物繊維が豊富で、栄養価も高いフルーツ。パンに入っているのは数粒なのですが、干し柿を思わせるしっかりとした甘みと、独特のサクッネチッとした食感があり、酸味のある生地に負けていません。


クロワッサン
¥347


贅沢にもエシレバターを折り込んだクロワッサン。ハラハラ、サクサク・・・とした繊細な食感と、そのあとにじんわり広がるバターのミルキーさが絶品です。バターの風味が濃いのに、しつこくなく、余韻にミルキーな甘みが残るのは、やはりエシレのなせる技でしょうか?


クロッカン
¥279


繊細なクロワッサンとは違う、ザクザクッ、カリカリッとした力強い食感。しっかりと焼き込むことで、キャラメル化した砂糖の甘みがバターの風味を引き立てているのか、とても濃い味に感じます。おやつにぴったりですが、ついつい食べ過ぎてしまうのでご注意を!


食べ物には、体調を整えてくれる力があるといいます。
疲れを感じたり、ストレスが溜まっているなという時に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
おいしく力強い食べ物が、体と心に元気を与えてくれるかもしれませんよ。

(2011.05) 


デイルズフォード・オーガニック青山店
住所: 東京都渋谷区神宮前5丁目51-8ラ・ポルト青山 1F, 2F
Tel: 03-3486-0080
(レストラン予約専用ダイヤル 03-3486-0012)
営業時間: ベーカリー・デリカテッセン 11:00〜21:00
カフェ(1F) 8:00〜21:00(土日祝11:00〜)
レストラン(2F) 11:30〜22:30(土日祝11:00〜)(L.O 21:30)
ショップ 8:00〜21:00(土日祝 11:00〜)
定休日: 無休
アクセス: 東京メトロ 銀座線・半蔵門線・千代田線 表参道駅(B2出口)より徒歩4分
URL: http://www.daylesford.jp/



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