シャラントゥ地方といえば、大西洋を望む、港町・ラ・ロッシェル。ここから見えるイルドレ(レ島)は、全長25kmほどの小さな島。毎年夏になると、バカンスを過ごしにフランス人たちがおしよせる島で、リュクスな別荘地として有名です。10数年前からラ・ロッシェルより橋がかかり、車で気軽にわたることができるようになりました。遠浅の海岸沿いは、かきの養殖や塩作りがさかん、内陸はこの地方特有のぶどうの木がなり、お酒「ピノーシャラントゥ」やコニャックの産地としても有名です。
そんなレ島には、島の中心部の St.Martinの港町をはじめ、10のコミューンがあり、その町並みは、シャラントゥ地方特有の水色の戸や木枠と白い壁に、海岸沿いの地域らしい、上品なストライプの布や石づかいが涼しげな「イルドレ・スタイル」とよばれて、人々に愛されています。
中でも、橋を渡ってすぐに続く、海岸線の道ぞいに続く集落Rivedoux Plageは、地元の人にも観光客にも愛される町。その町で見つけた「Fred la Boulangerie」は、そんな穏やかな海を臨む海岸線にたつブーランジェリー。パンやお菓子のならぶショーウインドゥから見えるのは、大きなアトリエで、ここですべての商品を作っているそう。地元で古くから親しまれている「ガレットシャランテーズ」という、大きなガレットや、塩の効いたキャラメルなどの特産品も扱うお店です。
(2010.02)




バゲット(La Baguette de Fred)
1.25ユーロ(220g)

グレーを帯びた生地は、粉の風味がしっかりした力強い味わい。塩もしっかり利いているので最初はちょっと塩辛いように感じますが、噛みしめるごとに生まれる甘みとともに、濃い旨みへと変わり、じんわりと口の中に広がっていきます。食感はソフトながら、引きの強いタイプ。海の風を感じるバゲットです。
クロワッサン
(値段不明)

ふっくら丸みのある生地にかぶりつくと、甘くてミルキーなバターがふわり。風味も香りも力強いのにキレの良いその味わいは、さすがはポワトゥー・シャラント地方!と大きくうなずいてしまいます。しっとり、やさしい食感は口どけもよく、どこかブリオッシュを思わるおいしさです。
パルミエ
1.30ユーロ

日本で多いのはパリパリに焼き込んだお菓子のようなパルミエですが、これはパンを思わせるソフトな食感のパルミエ。といっても、バターの風味は濃厚!噛みしめると、ゆっくり溶けていくような食感も独特で、病み付きになりそうなおいしさです。
ガトー バスク
6.50ユーロ

パンに隣り合う、お菓子のショーケースの中で一際おいしそうなオーラを放っていたのがこれ。ホロホロッとした食感はどこかビスキュイにも似て、卵っぽくリッチな味わい。なかのクレームパティシエールはカヌレの中心を思わせる、濃度のあるムチッとした食感です。フルーティで丸みのあるラムの芳香、そして生地の塩気が旨みをぐぐーっと引き出しています!
ガレット アンジェリック
6.00ユーロ

じゃじゃーん!顔の2倍はありそうな大きなサブレ。これは、ポワトゥー・シャラント地方につたわる伝統菓子“ブロワイエ”、フランス語で“砕く”という意味があります。
そこで、おそるおそる手で割ってみると、意外にもソフトで焼き込んだジェノワーズ生地のような食感。きめ細かい生地はとても口どけが良く、卵とバターの風味がやさしく広がっていきます。
ところで、特筆すべきは中に入っているアンジェリカのおいしさ。表面はサクッと中はみずみずしい、フレッシュ感のある味わいは、アンジェリカのイメージを180℃変えてしまうことでしょう。




Fred la Boulangerie
フレド・ラ・ブーランジェリー

住所 126 Avenue Gustave Perreau 17940 Rivedoux Plage
TEL 05 46 09 80 85



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