オー・デリス・ドゥ・ケンジは昨年の12月にオープンしました。お店があるのは、東京・墨田区のキラキラ橘商店街。一歩足を踏み入れたとたん、その光景にびっくり! “昭和3〜40年代にタイムスリップしちゃった?!”と思ってしまうほどの見事なレトロぶりなのです。狭い通りに古い洋品屋さんや惣菜屋さんが立ち並ぶ中、ここ、オー・デリス・ドゥ・ケンジもさりげなくお店を構えています。派手な看板や凝ったインテリアなどは無し!という潔さですが、そんな素朴さもこの商店街の中にあれば納得。店内では、ショーケースのすぐ奥に1人で作業している職人さんの姿が見えます。ということは、もしかして・・・? 「はい、全て私が作っています」と堀 健志シェフ。1人で仕込んでいるため種類は少ないものの、シンプルでクラシックなフランス菓子は、どれも一本筋が通ったものばかり。いかにも丁寧に作っている様子が伝わってきます。バタークリームを使った「ガトーモカ」や「ロールケーキ」、飴がけしたシュークリーム「サランボ」などが小さなショーケースの中で、文字通り“キラキラ”と輝いているのでした。
(2010.05) 


ショートケーキ
¥380

キメが細かくてしっかりとした生地に、コクのある生クリームと酸味の効いたイチゴをサンド。卵の風味は控えめだから、クリームとイチゴの味わいが際立ちます。生地に打ったイチゴシロップの量が程よいのもポイント。全体をうまくまとめています。懐かしい感じがありつつ、どこか洗練された印象も。

ガトーモカ
¥380

シェフお勧めの一品は、フランスの古典菓子には欠かせないガトーモカ。コーヒーバタークリームとコーヒーシロップを打ったジェノワーズという、直球勝負のケーキです。濃厚なコーヒーの香りやたっぷりのバタークリームなどいかにもレトロなイメージですが、食べると重さはなくてすっきり。生地もクリームも口溶けがよく、スッと溶けていきます。

マカロン(グレープフルーツ)
¥320

ケーキのひとつとして楽しめそうな、大きめサイズのマカロン。表面は薄くサックリ、中はしっとりじんわりの食感が魅力です。間にはなめらかなバタークリームとグレープフルーツのコンフィ入り。グレープフルーツのほろ苦さが全体を引き締めます。

パタット
¥320

まるでジャガイモ?!と見間違えてしまいそうなこちらも、れっきとした古典菓子。しっとりとした生地をマジパンで包んでジャガイモをかたどったお菓子です。ビスキュイなどの生地やドライフルーツ、ラム酒などが渾然一体となって複雑なおいしさを作り出しています。日本ではなかなか見かけることが少ない貴重なお菓子です。

モンブラン
¥420

薄いベージュ色のマロンクリームはなめらかで軽い質感。合わせた生クリームもふんわりと軽く、マロンクリームと共に心地よい口溶けです。対して、土台のメレンゲは粗めでザックリ。中までキャラメル色に焼けて香ばしく、食感と味わいのアクセントになっています。







オー・デリス・ドゥ・ケンジ
住所 東京都墨田区京島3-19-4キラキラ橘商店街
TEL03-3612-4679
営業時間11:00〜18:30
定休日水曜
アクセス 京成電鉄押上線京成曳舟駅から徒歩6分



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