+ Les tablettes +

タブレットとはフランス語で板を意味します。そして、ショコラティエでタブレットといったら、「板チョコ」のこと。ショコラティエに行くとショーケースにずらっと並んだボンボンに気をとられがちですが、ショコラの味をダイレクトに味わえ、かつ価格もお手頃なタブレットも密かに人気上昇中。単一品種のカカオ豆を使用したものや、カカオ豆の原産地を指定したものなどもあり、食べ比べをしてみるとその違いに様々な発見があります。

フランスのショコラティエ、ジャン=ポール・エヴァンで扱うタブレットは、計18種類。産地別やカカオ含有量の違い、またアーモンドや砕いたカカオ豆が混ぜてあるものなど、バラエティ豊かなラインナップです。迷いに迷って選んだのが以下の3種類。新作のエキタブルとマダガスカルは、カカオの含有量が近いにもかかわらず味の違いは歴然。なんとカカオ含有量の高いエキタブルの方が甘く感じました。ショコラとは、本当に奥深い食べ物のようです。言葉ではなかなか伝えにくい微妙な味わい、ぜひ実際に味わって確かめてみてください。 (2004.11)




Equitable
エキタブル 80%
  

ベースにある上品な甘さのなかに、フルーツ系の力強い酸味と土を感じる独特の風味がある。はっきりとした複数の主張ある味わいが絶妙なバランスで組み合わされ、通好みの味。
Madagascar
マダガスカル 75%
  

薫り高い野性的な味わいで、苦みと酸味のインパクトがとても強く印象に残る。甘さもほとんど感じないほどシャープな仕上がり。
Lait Nature
レ ナチュール 46%
  

キャラメルの優しい甘みが口の中にふわっと広がるミルクチョコレート。甘さのキレが良く、さっと口の中で消えていくショコラの味に、ついつい食べ過ぎてしまいそう。
価格は全て\800。



Jean-Paul Hevin
住所東京都新宿区新宿3-14-1 新宿伊勢丹B1F
TEL03-3351-7882
営業時間・定休日新宿伊勢丹に準ずる
備考他店の情報は、公式ウェブサイトをご覧ください。
http://www.jph-japon.co.jp/









「朝起きて、まずタブレットを一列食べる。それが何ともいえない幸せなんです」

と語るパリ在住のライター加納雪乃さんからお土産に頂いたタブレットは、なかなか日本で見かけない大胆なもの。ホワイトチョコレートをベースに、まるでムースのように風味をつけたり、表面がゴツゴツするほど多くの混ぜものをしたり。その発想と味作りは、私たち日本人にはとても新鮮。また、包装はビニールに包んだだけのラフなもので、タブレット1枚の重さもその時々でまちまちだとか。そのラフな感じから、フランス人の日常に根ざしているものなのだと改めて実感しました。




(写真右)
抹茶の風味がふんわり香るホワイトチョコレートに、砕いたアーモンドがゴロゴロと入ったもの。抹茶は香りのみをチョコレートに移した感じで、苦みをはじめとした抹茶自体の味はあまりしません。ホワイトチョコレートはとても口溶けが良く、練乳のようなミルキーな味。日本人の考える抹茶チョコレートとは少し違いますが、日本人にも馴染みやすいものです。

(写真左)
ホワイトチョコレートにフリーズドライの赤いフルーツを混ぜたもの。ベリーの量がとても多く、まるでロッシェを食べているようなサクサクとした食感があります。口の中でミルキーなチョコレートの風味がふわっと広がり、あとからくるフルーツのキュっとした酸味がアクセントに。いちごに練乳をかけたものを想像する味わいです。

(お土産としていただいたので、正式な名称や価格はわかりません。)



Sucre Cacao
住所89 Ave.Gambetta 75020 paris
TEL01 46 36 87 11