にぎやかな小町通りを抜け、建長寺など史跡の多く残る北鎌倉へ。その通り沿いに佇む瀟洒な建物が｢歐林洞｣です。 重厚なエントランスを抜けると、待ち受けているのは、どこかの洋館を訪れたかのような優雅な空間。左はテイクアウト用のケーキやお菓子が並ぶ販売スペースになっており、右手には、豪奢な調度品に、アンティークの磁器やオブジェが並ぶ、落ち着きのあるサロンが広がります。中でも、圧巻はサロン中央で輝きを放つ銅製のエスプレッソマシーン。フランスから持ち込んだアンティークの逸品で、現在はこれで淹れた紅茶を店内でいただくことができます。 百貨店などでも焼き菓子を販売する歐林洞ですが、本店ではゆったりとした雰囲気の中、生ケーキや紅茶のほか、キッシュなどの軽食も楽しめるのが魅力。散策の折り、そしてちょっと優雅なひと時を過ごしたいときにぜひおすすめしたい一軒です。 都の香りを今に残す鎌倉。現代風のケーキとはひと味違う、丁寧な味作りに、いつまでも色あせることのない古都の良さをしみじみと実感できることでしょう。（2008.5）

広々と落ち着いた雰囲気のサロン
歴史を感じさせる銅製のエスプレッソマシーン	さりげなく飾られた調度品も必見

	苺のショート \520 表面を粉糖で薄化粧。きっちり角がとれた美しい姿は、まるでショートケーキのお手本のようです。やや厚みのあるジェノワーズは、想像以上に軽い食感。口の中でスルスルと溶け、ほのかにバターの香りを残します。生クリームの量はやや控えめながら、コクがあるもの。シンプルさの中に苺の酸味がキュッと効いた上品な味わいです。
	モンブランジャポネ \530 細めに絞られた和栗のペーストは、どこかホッとする懐かしい味わい。甘みはしっかりとしていて、その下に生クリームとパティシエール、渋皮付きの栗が隠れています。土台には、メレンゲでなく、サクッと歯切れの良いシュクセ生地を使用。全体がすっと馴染む柔らかな食感が印象的です。
	タルトオランジェ \480 表面いっぱいにオレンジを敷きつめたつややかなタルト。しっとり感のあるアーモンドクリームにも刻んだオレンジピールがたっぷり入っていて、皮の部分のホロ苦さと、果肉の甘みが心地よく広がります。ひと口でオレンジの香りに包まれるような、爽やかな味わい。
	グラッサージュショコラ \530 一見、ごく普通のチョコレートケーキのようですが、ひと口食べるとその違いは歴然。驚くほどしっとりとした口どけの正体は、合計12層にもなるその構成にあります。つややかなグラッサージュの下には、約2mmほどの薄いココア生地とラム酒を効かせたガナッシュが11層を織り成し、さらに、その上にはチョコレートムースが。ココアの苦みとラム酒の香りがどこか懐かしい、まるでやわらかいオペラのようなケーキです。
	パトロン ショコラ オレ （ショコラ ノワもあり） ※基本的にギフト用として販売しています 4個入り \1,300, 6個入り \1,900, 10個入り \3,100 高級感のある贈答品が評判の歐林洞で、根強い人気を誇るチョコレート菓子。マロンペーストとバター、生クリームで焼き上げた濃厚な生地を、まったりとしたミルクチョコレートでコーティングした、小さいながら贅沢感を感じる一品です。生地のしっとりとやわらかい食感は、どこかスイートポテトや和菓子を思わせるもの。素材の良さと、どこかに和を感じる味作りが、人気の秘密なのかもしれません。

鎌倉 歐林洞
住所	神奈川県鎌倉市雪ノ下2-12-18
TEL	0467-23-8838
営業時間	11：00〜18：00
定休日	無休（年末年始をのぞく）
アクセス	JR横須賀線、鎌倉駅下車、八幡口徒歩12分
その他	駐車場あり ※ キッシュのランチは11：30〜14：30

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