惜しまれつつ閉店した赤坂「エートル・オ・ザンジュ」の飯坂憲一さんが、待望のオープンを果たしました。場所は、文京区小石川。ご自宅を兼ねたという新店舗は、緑豊かな閑静な住宅街の中にあり、ゆっくりとケーキを楽しめるサロンも併設されています。
「時間的にも余裕ができました。素材も今までより上質なものを使っているんですよ」と飯坂さん。決して種類は多くありませんが、素材を厳選し、丁寧に作り上げたことがうかがえるケーキや焼き菓子がショーケースに並ぶほか、新たにパンも仲間入りしていました。
ちなみに、以前からファンの多い焼き菓子ですが、「作りたてを味わっていただきたい」との思いから基本的に予約注文制。“サン・ベルナール”やサブレ類など一部の焼き菓子は常時あるそうですが、お出かけの際には一度お電話で確認してみることをおすすめします。
昔ながらの街並みや史跡が残る小石川は、ぶらりと散歩するのにもぴったりの場所。 今度の休日は、「サン ポワン」を訪れて、心も舌も喜ぶ上質な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか? (2007.7)


シュークリーム
\378

薄くてサクッとしたシュー生地の中には、黄色味の強いバターと卵の香りが濃厚なクリームがたっぷり。バターが多いせいか食感は少し重ためですが、口の中に入れるとスッと溶けて、しつこさを全く感じさせません。生地とクリームの相性も良く、満足感の高いシュークリーム。

クレーム・キャラメル
\420

ほどよい食感を残したプリン生地は、卵のコクがしっかりと主張した力強い味わい。それをバニラがやさしく包みこみ、シンプルながら深い味わいになっています。下のキャラメルはかなり苦味が強いので、少しずつ調整しながら食べるのがおすすめです。

杏のムース
\525

キュンと眼のさめるような酸味と爽やかな香り。力強い杏を、フワッと軽いバターのムースと、ホロッとした食感のビスキュイがやさしくまとめ上げています。ちなみに、杏はフランス・ローヌ地方のもの。杏がこんなにおいしいものだったなんて!と目から鱗の一品です。

トロピック
\525

軽くマリネされたパイナップルは、フレッシュ感のある食感と香りの良さが際立っています。それをさらに引き立てるのは、フワッと口どけの良い生地と、やわらかく仕上げたパイナップルとココナッツのババロア。濃厚な味わいなのに、後味はあくまで軽くて爽やかな印象。それぞれのパーツが丁寧に作りこまれているのが良くわかります。

サン・ベルナール
\1050(直径9cmのブリオッシュ型)※直径12cm(\1,995)、直径16cm(\3,990)もあり

薄くカリッとしたグラスに包まれているのはしっとり重厚な生地。口に入れると思いがけずフワッと軽い食感で、バターとアーモンドの芳醇な香りが広がります。そして、最後に香るのはオレンジの清々しさ。「エートル・オ・ザンジュ」時代から作っていますが、さらにアーモンドプードルをグレードアップしたとのこと。プレゼントにもぜひ!





サン・ポワン
住所東京都文京区小石川5-39-7
Tel&Fax03-5800-2238
営業時間11:00〜19:00
定休日月曜、火曜
アクセス東京メトロ 丸の内線「茗荷谷」駅より徒歩8分