ビストロ・ラ・ココット時代に、横山さんにとって忘れられない出会いが訪れました。それは作曲家の故菅原明朗氏との出会いでした。菅原さんは日本放送交響楽団などの指揮者として活躍し、作家の永井荷風とも交遊のあった方。横山さんが作るフレンチに感銘を受け、横山さんは菅原氏のお抱え料理人を務めるようになったそうです。

「菅原先生が交友のある財界人を連れてくるんです。20代の僕にとってはすごい刺激でしたね。彼らの期待に応えたいと必死でメニューを考えて作りました。「君の料理はパリの味がする」といってもらえたときは本当に嬉しかったですね」

菅原氏の舌を感動させたのはどんな料理だったのでしょうか。