井出さんを尊敬するわけ。


パン業界のカリスマとして知られる井出さんだが、田中さんは、パン以外の部分でも尊敬しているのだそう。
田中さんが、しっかり続けられるか心配する気持があったのだろう。3年半後に電話をする、と言って「デュヌラルテ」を去っていったという。
「本当に、ちょうど3年半後に井出さんから電話がかかってきたんです。ちゃんと自分ことを気にしてくれているんだなと、嬉しくなりました」
パンに対する情熱だけでなく、そんな温かい部分にも影響されているのだそうです。


淺野さんの意外な(?!)一面


その卓越したセンスで、パンの世界に新しい風を吹き込んだ淺野さん。でも、意外に古風な一面があるのだとか。
「例えば、電車の場合。淺野さんは、姿が見えなくなるまで、ずーーっとお辞儀をしているんです。だから、私も頭を下げたままで。淺野さんが先に降りてしまう場合は、動いていく電車の中で1人お辞儀をしているから、結構怪しかったと思います(笑)。古風といったら変ですけど、そういうところをすごく大切にする人でした」
古いものを大切にする淺野さん。新しいものを作るには、古いものを知らないとダメ、と言うポリシーのもと、フロイン堂やイエンセンといった昔からのお店にはちゃんと行くように、と教えてくれたそうです。


理論派田中さんの意外な(?!)一面


海外を旅するのが好き、という田中さん。若い頃、着の身着のまま、イタリアへ飛び立った経験があるのだそう。もちろん、イタリア語の学力もゼロ!
「八百屋のおじちゃんと仲良くなって、市場の店番をしたりしたこともあるんですよ。でも、話せないから、買い物客が来ても何も売れなくて(笑)」
と、理論先行型の田中さんとは思えない意外な一面が。
「言葉がわからなくても、ちょっとしたことでニコッと笑ってくれる。そういう感動をまた味わえたら、と思います」


アンチオタク宣言!


冗談で言っているのかと思ったら、その顔は、かなり真剣。確かに、パン職人は自分の世界に閉じこもりがち、しかも、元々マニアックで突き詰めることが好きな性質だけに、もしかしたら…?!
「そうならないように、時間があると洋服を見に行ったり、音楽を聴いたり、ボクシングを観に行ったり…しているんですよ」
と田中さん。ちなみに洋服は、素材やデザインなど、どこか違ったところのあるものに惹かれるそうです。