パティスリー シュシュ

黒川 正男 氏


 出身は名古屋です。もともと家が駄菓子の製造をやっていたんです。自分が物心ついたときには既に製造はやめていてケーキやパンの小売店でした。何でも良かったんですが、店がやりたいと思っていましたね。いざ考えたら、やっぱり身近だったケーキ屋の道に進みたいなと菓子の専門学校に行きました。

東京のフレンチレストランに併設されたケーキショップを担当したり、名古屋に戻って杉野さん(イデミスギノの)といっしょに働いたこともあります。最後は銀座のル・ショワにいました。そのころからどこかで自分の店をと真剣に考え始めたんです。横浜近辺で、地域に根付いた郊外型の店というのが理想でした。今店のあるこの場所はね、テイクアウトのお鮨屋さんだったんです。それがどうやら閉店するらしいという情報を女房が聞きつけてきて。実際に足を運んで聞いてみたら、それが事実で、そこからとんとんと話が進みました。

オープンしてみたら、お子さん連れで来られる方も多いですね。でも、都心でないからとか、お子さんが多いからということで自分の味を変えることはなかったですね。作りたいものを作っていますよ。開店当初はあまり出なかったお誕生日ケーキも、今では土日だったら30台くらいずつでています。地元の方々に信頼されてきたのかと思うと嬉しいですね。

ケーキは、あまり複雑な組み合わせをしないようにしています。5種類も6種類もの素材を組み合わせると、一体としての美味しさはあっても、それぞれの素材の味がわからなくなってしまうことが多いと思うんです。2種類くらいが一番いいのではと思って作っているので、店に並ぶケーキはわかりやすい味なんじゃないかな。

それから、なるべくゴミを出さないことを気遣っているんです。ケーキの下に敷くのは紙。プラスチック製容器はやめて、リサイクルできるものを。例えばブリュレのココットは、5つ持ってきてもらえばブリュレ1個と交換します。これをやり始めて、回収率の多さに驚いているんですよ。3分の1くらいは戻ってくるんですから。
将来は、一軒家の店ができたらいいですよね。ビエノワズリを置いたりサロンを併設したり。希望としては2階建てじゃなくて平屋。やっぱり地元の人に愛される郊外型の店にしたいですよね。
取材日 2001年4月

パティスリー シュシュ
神奈川県横浜市神奈川区片倉町551−1
TEL:045−413−0413


黒川さんの秘密