フォルトゥーナ 前田 崇さん  

   





店名の『フォルトゥーナ』は、ラテン語から取りました。
イタリア関係の本を読んでいる時に、ヨーロッパ言語の始祖であるラテン語の魅力に気付き"幸運"を意味するこの言葉を選びました。
幸運を運ぶといわれるテントウ虫をマークにしているのですが『フォルトゥーナ』という名前が少し覚えにくいので『テントウ虫のパン屋さん』で覚えてもらえば、という先輩のアドバイスからマークを少し大きめにして目立つようにしているんです。
オープンは今年の10月22日です。 2年前までは柏店、上野店、最後は青山店と7年間ドンクでパンを作っていました。 正直を言えば、やっぱりハード系のパン屋というのはパン屋の夢ですよね。でも、先輩達から自分で店をやるのはそんなに甘くない、と教えられていたので、最初からそこまで無理にやろうとは思っていませんでした。ただ、菓子屋をやるなら、しっかりこだわって自分のめざすイメージのパンを作ろう、とは考えていました。

以前、どんな菓子パンが人気なのか?そんなことを仲間で話していた時に、実は『山崎のあんぱんがおいしい』という意見が多かったんです。その理由はふんわりとやわらかいパン生地。それを添加物などを加えずに作れれば、安心して食べられるおいしい菓子パンができるんじゃないか?と逆の発想をしたんです。菓子パンの生地には黄身を入れるなど、やわらかさを重視した作り方をしています。その結果、原価率は確かに上がるんですが利益が全く出ない訳ではない。僕は自分で高いパンというのが好きじゃないんですよね、だから価格を上げずに頑張ってみたいんです。

小麦はリスドオルをメインに使っています。妻の実家が甲斐小麦の生産者なので、それをいかしたパンを考えています。やはり甲斐小麦100%の生地だと扱いづらく、コンスタントに良い商品を作るのは難しいです。それに、焼立てじゃないと逆に風味が悪くなってしまうので、他の粉と合わせるなどブレンドして使っています。そうすると思っていたよりも扱いやすく、味に深みと旨みがでておいしいです。


今年は7月に結婚をし、落ち着く暇もなく店がオープンしたのでバタバタと忙しく過ぎました。現在はおかげさまで、土日は午前中にパンがなくなったり、1日に2回も来て下さるお客さまがいたり・・・。 自分と妻とスタッフの楠原さんと3人でやっていますが、お客さんとの会話を大切にすることを大切にやっていこうと思います。ちょっと疲れて気を抜くと良いパンが焼けないこともありまだまだ未熟ですが、頑張っていきたいと思います。
楠原さん


袋やカードのテントウ虫マークの下にある文字"ede,bide,lude"は"食う、飲む、遊ぶ"という意味のヨーロッパのことわざです。食べること、そして生きることを楽しむ、それを手助けするようなパン屋になれればいいと思います。


フォルトゥーナ

東京都世田谷区世田谷1-10-19コーポオオバ101
03-3706-1977