レジオン
藤巻正夫(フジマキマサオ) 氏

Clickすると藤巻さんの声が…

1958年、新潟生まれ。
'85年渡欧し、「レストラン・ムーラン・ド・ムージャン」
「レストラン・ラ・コート・ドール」「パティスリー・
ジョルジュ・ベーニュ」などで修業。
'90年より小田原「ブリアン・アブニール」のシェフに。
'97年12月「レジオン」を開店。


昨年の12月にオープンしたばかりのレジオン。オレンジ色のドアが駅前の街並みの中でひと際映えていました。午後の日差しいっぱいの明るいカフェに座り、エスプレッソを頂きながら藤巻シェフのお話を伺いました。


今年でお菓子の世界に入って21年になる藤巻シェフ。高校で食品科学を3年間学び、卒業後、お菓子の世界に進むことを決心。就職先のマロングラッセの味が、シェフのお菓子に対する強い想いへのきっかけになったそうです。様々な洋菓子との出会いを重ねていくうちに、シェフのお菓子作りに対するイメージは、現在に至るまで毎年少しずつ変化し成長してきたと感じていらっしゃるそうです。21年目の藤巻シェフの食に対する考えを、いただいたレジオン通信からご紹介します。




────以下はレジオン通信、創刊号より


◎食(菓子、パン、料理)に対する私の志
@創る心
★ナチュラル(自然と共に素材を活かす)
★ユニーク(独創的に)
★ユーモア(楽しく心はいつも笑顔で)
A理念
★お菓子、パン、料理は心意気(意識と意志と元気)
★体を癒し、心をハッピーにする食を成長させ続けます。
B役割と使命
★食品添加物(保存料、着色料、人工香料、起泡材、その
他すべての添加物)は一切使用せず、できるだけ無(低)農
薬の日本の素材を使ってフランスの伝統、文化、技法を
活かして安全とおいしさで社会に貢献いたします。



なんだか難しそうに感じますが、たとえば気泡材、お菓子を作る時にはよく登場するベーキングパウダー。それを藤巻シェフは一切使わないで作る工夫をされているそうです。中にはベーキングパウダーがないと作るのが難しいお菓子もあるはずですが、「ものすごく重たい生地でも大丈夫です。ただちょっと工夫して配合を変えたりしないとだめですけどね。失敗の繰り返しで何とか出来るようになったんです。」とシェフ。食に対するこだわり、そして食べる人達への思いやりが感じられました。
またお話の中での「体を癒し、心をハッピーにする食」についてのシェフのエピソードは特に印象的でした。それはフランスでの修行時代、疲れた時立ち寄るカフェでひとり、コーヒーと甘いケーキを口にすると心がホッと和み、ご自身が助けられ元気になれたという経験から生まれた考えなのです。そんな想いからできたカフェ。レジオンのケーキとコーヒーで過ごすひとときは、訪れた人達を元気にそしてハッピーにしてくれるでしょう。

取材日 1998年

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