「コンディトライ カフェ コンツエルト」


宮本 雅巳 氏


大阪府クリスマスケーキコンテスト最優秀賞1988〜1996年連続受賞
大阪府バレンタイン作品コンテスト最優秀賞1994・1996年度受賞
大阪府知事賞・神戸市市長賞 日本洋菓子協会連合会会長賞受賞
1992年度全国洋菓子技術コンテスト銀賞受賞
1993年度食博関西経団連会長賞受賞
TVチャンピオン1995年6月15日放送・第6回ケーキ職人選手権チャンピオン


大阪狭山市にある「コンツエルト」はあのTVチャンピオン「ケーキ職人選手権」で優勝した宮本雅巳シェフのお店。道路沿いに面したお店は黄色い壁のドイツ風建物で、この辺りで知らない人はいない、有名なケーキ屋さんです。
お客さんが絶えることなく、ショーケースに並んでいたケーキがみるみるうちに売り切れていきます。キッチンから出てきた宮川さんは、第一印象「厳しい菓子職人」といった感じ... いろいろお話してくださるかな?と一瞬不安がよぎったのですが、お話をうかがっているうちにそんな心配もどこかへ消えてしまいました。

宮本さんは奈良にある「ゲベック」というお菓子屋さんで修行後、平成3年12月に現在のお店から少し離れた所に最初のお店をオープン、そして昨年10月、現在の場所にお店をリニューアルオープンされました。エントランスを入ると、すぐ正面に大きなショーケースがあり、バラエティー豊かな生菓子がずらりと並んでいます。どれも手がこんでいるのに、ほとんどのケーキが200円代! 奥はオープンキッチンになっていて、職人さん達のケーキを作る姿がお客さんから良く見える造りになっています。

ケーキは、生が28種類、焼き菓子はなんと40種類以上にもなります。春〜夏と秋〜冬には、それぞれの季節の素材を使ったケーキを7,8種類ほど用意されるそうです。カフェではお店で販売しているケーキに加え、1ヶ月毎に内容がかわるオリジナルデセール3種類もいただけます。注目しなければいけないのは、店内に飾られた数々のトロフィー。宮本さんはじめ、お店の職人さんがコンテストで獲得したものです。もちろんTVチャンピオンのトロフィーもありました!


宮本さんがこだわっているのは、お客さんに喜んでもらえる菓子づくり。「職人たちが常にやりがいをもって楽しく仕事にのぞむことができなければ、よい商品は生まれてこないし、お客さんにも喜んでもらえない。」そう考える宮本さんは、職人さん達をお菓子コンクール等に積極的に参加させています。そして仕事の終わった後、練習のためにキッチンを開放し、設備、材料も惜しみなく提供されています。職人さん達はコンクール前、どんなに仕事が遅くなっても、深夜1時頃まで練習をつづけるそうです。店内をオープンキッチンにし、お客さんの声が職人さん達に直接伝わるようにしたのも、常にお客さんの気持ちを大切にして仕事をしてもらいたいという宮本さんの配慮からなのです。

ゲベック時代、自分も育ててもらって、現在こうして独立する事ができたとおっしゃる宮本さん。そんな宮本さんのもとで働きたいと集まる職人さん達は将来独立を考えている人がほどんど。自分の下でがんばっている職人たちに自信をもって独立してほしい・・・と宮本さんの懐の深さを感じました。
今後はDMなどを利用して、焼き菓子の通販も展開していきたいとのこと。宮本さんのお菓子が手軽に味わえる日が早くきて欲しいですね!

取材日 1998年