ブーランジュリー ル・フルラージュ
奥田和幸シェフ
 
<経歴>
高校卒業後、パン屋モンタボー、ケーキ屋で修業。
その後ブノワトン高橋シェフのもとで1ヶ月修行し、2002年3月20日に店をオープン。

   


大きな窓からは土手沿いの桜並木が見える。 桜の季節はとってもきれいなんですよ。そこから店の名前をつけました。 窓際のカウンターで買ったばかりのパンを食べる人や、散歩の途中に寄ってくれる人も多いですね。最近は郊外から車で来てくれるお客様も増えたみたいです。

この場所を見つけてきてくれたのは母親なんです。妻と一緒に販売をやってもらっています。パン屋を始めるようになって、父親も仕事を辞めて手伝ってくれるようになりました。 仕込みから焼きまで全て自分一人、住まいは店の上なので、パンづくりだけの日々ですが、「今日はつらいなあ。休みたいなあ。」と思ったことはまだ一度もないんです。パンが思うようにできなかった時は機嫌が悪くなってしまうこともありますが。

店を持つようになって感じたのは、自分が作りたいものとお客様のニーズにギャップがあったということ。
はじめハード系を多く置いていたんですが、ソフトなタイプのものや菓子パンが人気だったので、いまハード系は50アイテム中30アイテムくらいにしています。
それでも、土日にはちょっとクセのあるようなハード系のパンも売れるようになりましたね。お客様の方から、ライ麦や全粒粉を使ったものを作って欲しいとリクエストが出るようにもなったんです。

人気の商品は食パンです。醗酵を長めにとり、ミミをあまり厚くしたくないので焼き上がりギリギリのところで釜から出すようにしています。お勧めはパン・ド・ミ。2日がかりで作ります。
粉は国産のものをメインに使っています。江別製粉のホクシンブレンドです。値段が高くなってしまうので国産だけで全商品を作るというわけにはいかないんですが。
天然酵母を使ったものもあります。レーズン種とサワー種を仕込んでいるんですが、サワー種は特に温度管理が大変ですね。
バゲットだけでも天然酵母を使ったバゲット・ルヴァンやカナダ産小麦と天然酵母を使ったバゲット・レジャンデール、ライ麦が40%も入ったものなど、いろいろ作ってみているんです。
クロワッサンも、全粒粉を使ったものも作っています。 とにかく粉と酵母には興味が尽きなくて、もっともっと、いろいろな種類のものを試してみたいと思っているんです。


新しいパンのアイデアも年中考えていますが、パッとひらめいて作ったものは売れ行きもいいんですが、考えに考えて作ったものは全然売れなかったりする。難しいですね。
サンドイッチや贈答用の焼き菓子なども、もっと作りたい。
アイテム、素材など、どれをとってもやりたいことだらけで、いくら時間があっても足りないくらいです。
今はとにかく家族に支えられながら、自分はひたすらパンのことを考えて、パンを作り続ける。それだけだと思います。


取材日2003年1月25日
ブーランジュリー ル・フルラージュ

奥田さんの秘密