ミッシェルミッシュ
河合明子さん 高岡弓子さん
 
右:河合明子さん 
左:高岡弓子さん

   



店長 磯貝恵美子さん


素材選びにはいつも悩まされています。極力いいものを、かつ日々安定して使い続けられるものをというと、なかなかこちらの希望するようなものは手に入らないんです。ハード系のパンを中心にやりたいというのは、パン屋なら誰もが思うことでしょう。でも、地元のお客さんのニーズに応えたパンを作るのというのが第一。惣菜パンなしでやるというのは難しいですね。ただやるからにはできるだけ身体にいい素材を、そして全て手作りで、というのがこの店の基本です。豆や発芽玄米など健康に気をつかったもの、季節感を取り入れたものはお客様にも喜んで頂いています。ポップを作って効果などを書いているんですよ。
右から
店長の磯貝さん、河合さん、高岡さん

一番人気なのはピザ。場所柄、学生が多いからだと思うんですが、季節の野菜を使ったものなど常時7種類くらい揃えています。それも一度には焼かずに1日3回くらいに分けて焼きます。これはどのパンも同じで、作る側にしてみればすごく手間のかかること。今ではお客さんが「焼きたてはどれ?」と聞きにきたり、パンに手をかざして温かいものを選んでいるんですよ。

二人には、食材はいくらでも取るから思う存分試作をしなさい、と言っているんです。自分達でおいしいと思うものを作れれば、それが売れるか売れないかはお客さんが決めることだから、と。一人ずつの得意分野が微妙に違うから、二人の持ち味がうまく噛み合っていいものが生まれていると思います。 毎日何かしら新しいものに取り組んでいる二人ですが、自分達が考えたものがたくさん売れたときは本当に嬉しそうです。

河合さん

もともと物を作るのが好きで、お菓子よりも直接手を触れて作れるパンが面白そうだな、と始めました。パンといっても範囲が広く、菓子パンなどお菓子作りに似ているところもあるから、パンを選んでよかったと思います。思ったよりも重労働で、だいぶ頑丈になってしまいましたが。
この店が渋谷にあった頃から働いていますが、ずっと好きなのはハード系のパン。これからはレーズン以外の果物で酵母を起こしたり、いろんな国のパンを作ってみたいです。
新しいパンのアイデアを思いつくのは高岡さん。それを二人で試作しては意見を言い合って、という感じでいつも新作を作っています。


高岡さん

昔からパンが好きで、パン屋さんの食べ歩きもよくしていたんです。大学を出て8年間は会計事務所で働いていたんですが、職人への憧れもあって調理師学校へ行きました。パン作りは大変なことも多いけれど、やめたいと思ったことはないです。やはりハード系が好きで、サワー種とかドイツパンもやってみたいですね。リュスティックとかベーグルとか、もっちりした生地のパンも好きです。 休日は疲れていても家にいることはほとんどなくて、やっぱりパン屋めぐりをしてしまうんです。


磯貝店長

レーズン種の天然酵母のパンもやっていますが、買っていく方はたいてい決まっていますね。中年の方にはシンプルなもの、若い方にはレーズン入りのものなどが人気のようです。国産の粉、石臼挽きの粉とか酵母とか、もっといろいろこだわったものを取り入れて行きたいですね。あくまでも店は趣味ではないので、売れるものとのバランスを考えながら、です。そこが難しいところでもありますが、やはり好きだからできることですね。


取材日2003年6月25日


ミッシェルミッシュ
東京都世田谷区松原1-36-10
03-3327-8007

河合さん、高岡さんの秘密