ベッカライ プデル
川辺 清和さん
<経歴>

サラリーマンを経て宅配専門のパン屋へ。その後モルゲンベカライで修業し、今年2月に独立。

   




サラリーマンだったんですが、パン屋になろうと思ったきっかけは妻の実家が給食や老人ホームへ卸すパン屋だったから。その手伝いをしようと、宅配専門のパン屋のあとモルゲンベカライで修業を始めたんですが、想像以上におもしろくて。いつのまにか自分で店を持ちたいと、道が外れてしまったんです。


モルゲンベカライとほとんど同じラインナップです。生地の仕込み方もモルゲンベカライと同じ低温長時間発酵で、前々日に仕込んだ生地を−1℃の冷蔵庫で発酵させます。この方法だと酸味が抑えられて食べやすい味になるんです。種はスイスサワーですが、おこすのに1週間かかります。今はずっと開店時から同じ元種を継ぎ足しています。種起こしは涼しい季節におこないますが、長くて2年は持ちます。 その他前日に仕込むへーベル種や、ストレート法のものもあり、生地の種類は全部で15、6種類ほど。6種類の粉をアイテムによってブレンドし分けています。

まだ、よく売れるのは小物が中心。ここは子供の多い地域なので、昼間の客数も多いんです。60円の動物パンなんて人気ありますよ。 やはり自分としては食事パンを食べてほしいですから、徐々に食事パンの割合が増えていけばいいな、と思っています。
店内の飾りパン


頼もしいスタッフ

特に高価な素材を使ったりということはありませんが、チーズなども自分で食べてみておいしいと思ったものを業者に注文しています。惣菜パンも、具はほぼ全部手作り。頼もしいスタッフに助けられています。 今作っているのは、残りそうになったパン生地にジャムをサンドし、上からマドレーヌの生地をかけて焼くオリジナルのお菓子です。残ったからといってパンを捨てたくないですからね。


「安い」とよく言われるんですが、自分ではこれが適正価格だと思っています。「パンは高くするものじゃない。適正価格を守れ」というのが水野さんの教えでした。 今後は、まず軌道に乗せること、そしてゆくゆくは家業の手伝いもしたいですね。老人ホームのおじいちゃん、おばあちゃんにおいしいパンを食べてほしいんです。それにはもっと勉強しないと。まだまだ修業が足りませんよ。

取材日2003年5月9日


プデル
東京都府中市天神町3-16-2 パレススメール
042-364-5550

川辺さんの秘密