しゃんぴによん
野本 幸男さん
 

   


うちのパンは、全商品北海道産小麦100%で作っています。

北海道産の小麦は、オープン当初から使いたいと思っていました。オープンしたのは18年前。本州に北海道産の小麦が流通し始めたのが約15年前ですから、先駆けといっても良いんじゃないでしょうか。一般に流通していないので、特別にお願いして入れてもらっていました。それ以来ずっと北海道産小麦1本でパンを作っています。
うちのパンを作る大切な素材なので、現場のことも気になるところ。時々、現地調査のために北海道まで足を運ぶようにしています。


これが「しゃんぴによん専用粉」。
ロゴマークまで入っています!
北海道産小麦にこだわる理由は、まずポストハーベストがないという安全性。そして、味です。北海道産小麦だと、断然風味がよく旨みも強いですね。

永年北海道産小麦を使っていることもあり、平成14年11月には自店ブランド小麦粉「しゃんぴによん専用粉」を作ることができました。希少品種「春よ恋」をベースにした北海道産小麦粉100%の小麦粉で、パン用粉に調整してもらっていて、パンは全部(焼き菓子は別の品種の北海道小麦)これで作っています。

「春よ恋」は平成15年6月に発表されたパン用小麦粉、まだ出たばかりなので現在もまだ使っているところは少ないんじゃないでしょうか?

発売当時は、パン屋やラーメン屋、うどん屋など、わずか4店舗でしか取扱をしていないという非常に希少価値の高い小麦粉だったんですよ。 「春よ恋」は、パンを作るだけのグルテン量を有する「ハルユタカ」の血を引く品種。ふっくらもっちりとした食感になり、麦の香り、旨みも非常に強いです。

「しゃんぴによん専用粉」以外にも、春よ恋を店の石臼で全粒粉に挽いて「胚芽パン」用に使ったり、粗引きにしたものを「溶岩カレー」というパンの表面につけて焼いています。粗引きのものは、プチプチとした食感が出ておもしろいですよ。

「溶岩カレー」のこの「溶岩」と言うネーミングですが、富士山の溶岩で作った溶岩窯で焼いているからなんです。

この溶岩窯は昨年の12月に入れたばかりなのですが、火通りが非常によくふっくらと焼け、お客さんの評判もいいですね。通常の溶岩窯は窯の上下に板状の溶岩を貼り付けるのですが、これは円形の窯の周囲にも板を貼り付けているので全方向から遠赤外線効果で火が入るんですよ。と言っても、1度にたくさんは焼けないので、今は平窯と併用して使っています。食事パンは全て溶岩窯、メロンパンなどは上火を強くしすぎない方がいいので平窯で焼いていますが、それ以外は溶岩窯を中心に使っています。特にハード系はおいしさが全然違うので、これからはもっと力をいれていきたいですね。



パンは全部で約100種類位。そのうちハード系は約20種類ほど自家製天然酵母のパンもあります。今は酵母発酵機を入れましたが、以前は天然酵母を自分で種起こしして管理していました。クリーム、カレー、あん類などもできるものは全部店で作っています。やはり安全性には気を使っているので、なるべく素材のわかるものを使うようにしています。

沼津には大きなパン屋さんがいくつかあり、難しいと言われている地域。
「北海道産小麦粉」と新しい「溶岩窯」、この2つにこだわり続けたいですね。


しゃんぴによん
静岡県沼津市添地町49番地
055-962-2755

野本さんの秘密