ブロートハイム

明石 克彦 さん


牛乳は子供のときから大好きです。もう20年以上も前になりますが、北海道の酪農場を牛乳を飲み歩きに行ったことがあるくらい!
今、店で『おこっぺ牛乳』という北海道の牛乳を売っているんですが、これは以前店で働いていた子が北海道にいる知り合いから教えてもらったものなんです。飲んでみたら、本当に美味しかった。特に濃いとかそういうんじゃない。でもクリームの香りがして美味なんです。それでお願いしてお店に置かせてもらうことに。毎週金曜に、15本入れているだけなんですよ。牛乳の製造から店に来るまで2日かかってしまうこともあり、土日で売り切ります。万が一、日曜に売れ残った場合には、カスタードクリームに使ったりします。通常、カスタードやパン作りに使う牛乳はタカナシの3,7%か4,0%ですが、おこっぺ牛乳で作ると一段と味が上がりますね。でも、この美味しいと思っている牛乳も、現地北海道で飲むと、もっと美味しいんですよね。距離が離れている以上、そればかりはどうしようもないのですが。

パン作りの材料は基本は水。ですから、そうそう牛乳の消費量は多くありません。牛乳だけで仕込んでいるブッター・ミルヒ・ブロートは、牛乳が仕込み量の60〜62%。それからコンデンスミルクが5%入っているんです。いわゆる缶にはいった、あのコンデンスミルクです。便利なので使ってますが、牛乳を煮詰めて作ったりと、もっと手間をかければ、ホントは牛乳だけでまかなえるとは思います。

よく、パン作りの本に、「牛乳を使うときは一度沸騰させてから冷まして使う」とあるかと思うのですが、これは現在、やる必要はないですね。必要なのは低温で殺菌しているのが主だった昔の話で、今一般に使われている牛乳は超高温で殺菌したものでしょう。だから、必要はない。
自分自身が一番美味しいと思うのは、低温殺菌ノンホモの牛乳。酪農家の顔が見えて、ちゃんと作っているんだなあと感じる牛乳はやっぱり美味しい牛乳。でも、総じて今の牛乳に、特に文句はないです。普通に売られている牛乳はよくなって来ていると思うし、とにかく安い。手間を考えれば、本当はもっと値段をとっていい食品だと思います。



おこっぺ牛乳




ブッター・ミルヒ・ブロート