デリアさんの 「教えておじさん」 コーナー
−砂糖・バター・生クリーム編−
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私の場合、お菓子やパンを作りたくなるのっていつも突然。作り始めてから材料がなかったなんてことが判明して、スーパーに走ったりとか。 でも最近材料、例えば、お砂糖にしてもいろんな種類があってよくわかんないのよね。 ちょっとパナおじさんに聞いてみよっ。 |
![]() ![]() 「どんなお砂糖があるのかしら。」 「お菓子に使われる主な砂糖を表にしてみたよ。」
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![]() ![]() 「なるほど!それから発酵バターっていうのもあるわよ。」 「よく知ってるね。発酵バターはクリームの段階で乳酸菌を加えて発酵させたもの。発酵バターは非発酵バターと比べて独特の風味とコクがあり、また加熱することでバター本来の香りとコクをより引き出せるので、焼き菓子に用いられることが多いんだ。但し、塩が入っていない分、保存性が低いので保存には注意が必要だよ。必ず5℃以下の低温で。なるべく早く使いきることをお薦めするが、長期保存する時は冷蔵よりも冷凍するほうがバターの品質を保つことができるんだ。匂いも大敵だよ。」 「あら、気をつけなきゃ。」 「発酵バターはフランスなどヨーロッパで大量に製造され、最近では日本でも入手しやすくなっているよ。国産のものも出回っているし。だが、一般に市販されているもので特に明記していないものは、ほとんどが非発酵有塩バターなので買うときはよく見てね。」 「はーい」 バターの製法
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![]() ![]() 「ホイップクリームもクリームなんでしょ。」 「いいや、これらは乳脂肪に乳化剤や安定剤が加えられたものやクリームに植物性脂肪を混ぜ合わせたコンパウンドクリーム、植物性油脂のみで作られた製品のことで、クリームではなく「乳等を主要原料とする食品」と表示されるんだ。」 「そうなんだ。今度から表示をよく見てみよう。」 「ホイップクリームは、生クリームに比べると風味や旨みの点でやや劣るものの、パサつきにくく、形がくずれにくいなどの特徴があるんだ。」 「用途によって使い分けるといいのね。それから、よく40%とかの表示があるけどあれは何なの?」 「乳脂肪率のことさ。生クリームはさっき言った遠心力のかけ方で濃度の違うクリームが製造できるんだ。製菓には35%から47%を使用するよ。」 「どの生クリームがどんなお菓子に適しているのかしら。」 「作る人の好みにもよるし、シェフ達はブレンドして使ったりもするんだが、47%の高脂肪のものはコクがあり、保形性があるので仕上げのデコレーション用に。42%、40%などはやや軽いタイプのクリームとなる。35%はムースやババロアによく使われるよ。」 「35%のクリームってあんまり見たことないけど。」 「去年、一般向けに35%純生クリームを発売した会社があるので話を聞きに行ってみようか。」 「うわぁ、楽しみ。」 タカナシ乳業
横浜のタカナシ乳業株式会社をおたずねしました。![]() ![]() 会社はランドマークタワー近く、港が見わたせるビルの中にあり、とても明るい印象。商品事業部の大山さんにお会いしました。 タカナシ乳業は、日本で初めての低脂肪乳「ローファットミルク」や成分無調整で乳脂肪が4%以上もある「北海道4.0牛乳」、日本で最初の連続式低温殺菌システムを使った「低温殺菌牛乳」など時代の一歩先を行く製品を作り出してきましたが、昨年10月、一般向けに脂肪分35%の純生クリーム(200ml入り)を発売しました。 これは最近のイタリアンブームや健康、低脂肪化の波をうけての販売だったそうですが、家庭用で売られている生クリームは、脂肪分の高いものや植物性のホイップクリームが多かったので、まさに画期的!ですよね。今までパナデリアで取材したお菓子屋さんでも生クリームは脂肪分低めの傾向にありましたし。 大山さんによると、消費者に「立てづらい?ダレやすいのでは?」との不安があり、市場ではやや苦戦しているそうですが、きちんと泡立てればこのような心配は要らないようです。 タカナシのクリーム類は、この北海道純生クリーム35%、北海道純生クリーム47%、をはじめ、サワークリーム、クレームドゥーブル(いずれも200ml)が量販店にて購入できます。パナデリアを見ている方ならご存知、多くの職人さんが使っていた「特選北海道バター(無塩・450g)」は一部製菓材料店などで手に入ります。 タカナシの生クリーム、バターは、北海道4.0牛乳をベースに作られていて、この原乳は酪農王国である北海道根釧地区浜中町の良質なものだそうです。 「へー、お菓子に流行があるように、生クリームも時代が反映されるのね。ちょっと大げさかな。」 ![]() 「ええ、パナおじさん。今回とっても勉強になったわ。どうもありがとう。」 ![]() |